クラウド会計サービスを展開する「freee株式会社」様。
柔軟な機動力こそがクラウドワークスの魅力だと語るfreee株式会社の活用事例をご紹介します。
ブラウザから使えるクラウド会計ソフト「freee(フリー)」
ー運営されている「freee」について教えてください
経営者がより創造的な活動にフォーカスできるようにしたいという思いがあって、そんな思いから全自動のクラウド型の会計ソフト「freee(フリー)」を2013年3月19日にリリースしました。
中小企業の方や個人事業主の方のためのブラウザから使えるクラウドの会計ソフトで、簿記の知識がなくても簡単に使えます。また、銀行やクレジットカードのウェブ明細を自動で同期して、そこから自動で会計帳簿をつくってしまうのが大きな特徴です。
銀行やクレジットカードの情報を登録してもらうと、入出金明細が自動的に会計の帳簿になって出てくるため、あとはそれを承認していくだけです。例えば個人なら青色決算のための申告書、法人なら会社の決算書が簡単につくれます。その他にも、支出内容、また特定の取引先から売上げが伸びているといったレポートが確認できます。
ー「free」はどのようにして生まれたのでしょうか
僕自身は前職はグーグルにいたんですが、その前はEコマースにレコメンドエンジンを売る会社のCFOでした。
CFOとプロダクト開発の両方を任されていたんですが、その時に経理担当が一日中領収書や請求書を入力しているのが見るに耐えなくて。
すごく優秀な人間だったんですが、組織上その人にその業務をやってもらわざるを得なくて。どうしてこんなこと誰かがやらなきゃいけないんだって思いました。
今でもクラウドの会計ソフトってほとんどなくて当時ももちろんなくて。ベンチャーキャピタルから資金調達をしていたので数字報告なんかをするんですが、これは何ですか?って言われた時に、パッケージのソフトが入っているパソコンにログインしてやっとわかる。
こんなのブラウザで見られればどこからでも数字を確認できるはず。実は6、7年前からできるんじゃないかってぼんやり思っていたんですが、6年経っても何も変わっていないので誰かがやらなきゃ前に進まないと思ってfreeeを立ち上げました。
ー「freee」の今後の展開について教えてください
freeeでは現在、色んなビジネスとの連携を進めています。
今は銀行とクレジットカードのみに対応していますが、中小企業や個人事業主のお金の流れはここだけでは拾いきれません。例えば現金でお金を使う場合、モバイルの家計簿アプリと連携してみるとか。
レジのアプリなんかも最近増えているので、そういったものと連携すればレジさえ打っておくことで会計ができる。Eコマースを運営している企業なら、Eコマースのデータを直接入れてしまうことで自動の管理が可能になるかもしれません。
ー楽しみにしています。リリース後の反響はいかがですか
絶対みんな不便に思っているところなのに、長い間これというソリューションがない分野だったのでTwitterなんかでの反響はすごくありました。感動した!みたいなコメントが流れてきたり。IVS 2013 Launch Pad Springでも優勝させていただきました。
これまでマーケティング活動はほとんどしていないんですが、リツイートや口コミで広がっている感じですね。リリースから2ヶ月半で4,400以上のユーザに使っていただいています。
クラウドワークスで登録サイトをリニューアル
ークラウドワークスを利用し始めた経緯を教えてください
クラウドワークスは、今月頭に初めて立て続けに2回使いました。
これまでプロダクトを頑張って作ってきたんですが、その申し込みのためのウェブサイトが後回しになっていたのでずっと何とかしたいと思っていました。
ユーザからも、せっかくいいサービスなんだからあそこをもう少し頑張った方がいいって言われたり。新しくメンバーも増えたことでディレクションをするリソースもできたので。
安さだけではなく、早く仕上げるための最適な方法を考えてクラウドワークスさんでやってみることに決めました。
ー発注先を決めるに当たって重視したことはありますか
僕たちはやはり早さというものを重視しています。
ウェブサイトを作るとかって、パッとやってしまわないとプロジェクトがダラダラ長引いてしまうんですよね。じゃあ誰に頼むかを明日までに決めようってなって。おしりに何があるわけでもないんですが、納期も一週間に区切りました。
また、ウェブサイト自体をワードプレスで作ろうと思ったんですが、僕たち自身ワードプレスを開発で使わないため社内で詳しい人間がいなくて。周囲で探しても見つからなかったんですが、クラウドワークスなら専門性を持っている人をパッと見つけられるかなと思いました。
ーそうなんですね!実際の発注はどのように進めたのでしょうか
一度出来てしまえばコンテンツを作ることはできるので、ワードプレスのテンプレートを整えてほしいというニーズがありました。もう一つは、そこに置くボタンやサービス説明のアイコンなど細かいデザイン要素の発注です。
2つとも同じ方にお任せするとキャパシティオーバーで時間がかかるだろうし、ウェブサイトのCSSができる人とイラストができる人って同じじゃないかもしれないので、分業した方が早さもクオリティーも高いだろうと思って別々にお願いしたって感じです。
ー依頼するワーカーはどのように選ばれたのですか
僕たちの場合、アウトプットでこうしてほしいっていうのが明確にあったので、コンペ形式などではなくプロジェクトとして募集しました。アイコンは5日くらいと、納期も本当に無茶な依頼だったので。
明確なビジョンに対して、きちんと修正をかけてインタラクティブにやっていける方を探しました。
ゴールデンウィーク中に応募をかけましたが、アイコンのプロジェクトでは5、6人集まりました。ワードプレスの方がもう少し多かったですね。
価格は、アイコンが30個くらいで5万円、サイトの方も同じく5万円。ポートフォリオを見たり、あとはその方のウェブサイトを見たり。加えて、ワードプレスの案件ではちゃんとワードプレスを使ってやっているかを確認しました。その後はメッセージのやり取りで候補を絞り込んでいきました。
フェイスツーフェイスにはこだわならい
ーオンラインでのやり取りに不安はありませんでしたか
ワードプレスのデザイナーさんは、実際にfreeeの利用者さんだったので、一度オフィスに行きたいですとなって遊びに来ました。
その場でオリエンテーションをしてコミュニケーションがとれたのは良かったです。
ただ僕自身はあまりそれがマストだとは思っていないんです。
何でかというと、やっぱりそれってコストなので。
物を売るために人が来ると、この人がここに来たためにいくら払ってるのかってそんな風に思っちゃったりするので。だったら、きちんとバリューのあるものにお金を払いたいなって思います。
前職のグーグルでも、社内のコミュニケーションのほとんどがビデオ会議でした。同じ建物にいても、フロアが違えば面倒だからビデオ会議っていうのがざらで、それで機能していた。だから別にフェイスツーフェイスにはあまりこだわらないですね。
ーオンラインでのやり取りはどのように進められたのでしょうか
例えば、ワードプレスで作ってくださいっていう案件って、完全にクラウド上でものが共有できてしまいます。
ここちょっと直してください、はい、直しましたっていうやり取りがリアルタイムにできるのでやりやすい。イラストとかは、デザイナーがイラストレーターとかで作ったものをダウンロードしてメールとかってなるので、ここのコストが大きいと思います。
サイトなら両方から変更を加えられるのでリアルタイムにできて効率がいいし、やり取りしながらイメージのものに落とし込んでいく感じです。
機動力こそクラウドソーシングの強み
ー今後のクラウドワークス活用予定があれば教えてください
全般的にこまごまとしたものを発注していこうかなと思っています。
社内にデザイナーがいないので、プロジェクト単位だけでなくてある程度特定のデザイナーさんの稼働時間を確保しておくような形もいいですね。
でもコンペ形式で応募して、いい人を見つけるみたいなこともしてみたい。
あとは、クラウドワークスをどんどん使っていると、登録している方がfreeeのターゲットでもあるので宣伝にもなるかなと思っています。
コンペとかはそんな形で周知できそうですよね。
ークラウドワークスを使ってよかったことは何になりますか
やっぱり機動力というか、無茶を言えるところは強みとしてありますね。
そんなこと言ったらお願いした人に怒られちゃうかもしれませんけど。
6月から3人メンバーが増えて、触って慣れてとかってしている最初の数週間は仕事にならない。でも、とある業務があって、それをできる人を探すのって早い。
しかもデザインの仕事って常にあるわけじゃないので、クラウドソーシングを活用することでできることの可能性が広がります。
一方で、それをある程度ディレクションできる人材がいないとコストを抑えることにはならないかもしれないですね。僕たちの場合、開発してる会社なのでその辺はできる体制があるかな。
ー最後に、クラウドワークスに対するご意見があればお願いします
今回の案件のやり取りはSkypeとメールが中心でしたが、Googleのハングアウトを使ってほしいなって思いました。
ちょっとマニアックかもしれないですけど、ハングアウトの方が圧倒的に高機能だと思うのでコラボレーションしやすい。
あと先日リリースされていた『みんなのお仕事相談所』ですか、仕事の相場やスキルについて相談できるコミュニティがあるのは助かります。
別に安さが全てではなくて、逆にこういうスキルのためならお金を払ってもいいっていう局面もあるので。でも相場がわからないと、無駄にけちってしまって結果もそれ相応ってことになりかねない。ある程度正しい値段を払いたいと思っています。