WEBディレクターの仕事の中でもWEBサイトに掲載する文章の指示やチェックは重要なタスクです。いわゆる”てにをは”、文章の正しさ、表記ゆれなど、それらを総合的にチェックする校正作業も時には求められます。今回は校正を含めた校閲作業でお困りのWEBディレクター向けに、校正のやり方を紹介します。
目次
そもそも校正とは?
それではそもそも校正とは何か、校閲作業とはいったいどんなものなのか解説していきます。
校正という業務
校正はもともと印刷用語で、校正刷りと呼ばれるコピーと原稿を照らし合わせ、文字の誤りや不備、文章の正しさ、統一性、不手際などを正す作業です。
WEBサイトの場合は、本番環境にテキストをアップする前に文章をチェックする作業や、テスト環境でのチェックがそれにあたるといえます。地味で時間のかかる作業ですが、ユーザーに誤解を与えないためにも不可欠な業務です。
「執筆」と「編集」との違い
校正の前に行うのが執筆と編集です。執筆とはキャッチコピーを書いたり、記事を書いたりする作業そのものを指します。一方、編集とは執筆した個々の文章を話題や関連するトピックにまとめて、一連の読みものにする作業です。もともと原稿の企画、執筆者への依頼、素材の入手、校正など一連の作業を意味する言葉でもあります。
「校閲」と「校正」の違い
では、校閲と校正の違いはどこにあるのでしょうか。校正は先ほども書いたように、文書自体の誤りを指摘し、正す仕事です。これに対して校閲は文章の内容に踏み込み、その誤りを指摘し、正す仕事です。実際に文章に書かれていることが正しいのか、固有名詞や地名、データなどを調べ、確認します。
このように、執筆者、編集者、校正者、校閲者を分けてそれぞれが専門分野できっちり力を発揮できると作業効率も上がり、より良いものが出来上がっていきます。
校正する際の見るべきポイントは?
ではWEBディレクターとして、校正や校閲作業に当たる際に何に気をつけるべきなのでしょうか。校正の際のポイントをご紹介します。
校正のポイント1.<記事内容の正確性>
まずウェブサイトに掲載する記事内容が正しくないと大変です。ある調査によれば、一般メディアの信頼性としてウェブサイトは、新聞68.7%、テレビ63.6%に対し、半分以下の30.8%で、多くの人にとっては信頼性に欠けるメディアと考えられています。
それだけに、記事内容の正しさ(表記、文法などの正しさだけでなく内容も含め)を担保していかなくてはなりません。社会的なデータが出ているものは、官公庁や信頼できる団体の調査を、スポーツの結果は主催者の公式発表を、その他辞書や百科事典をはじめ、出版物なども参考に正確性を確保していきます。
校正のポイント2.<文章表記上のミス>
WEBサイトでは漢字の使い方、送り仮名、外来語などの表記に統一性を欠いたものも多く、ほかのメディアに比べとてもルーズです。『共同通信記者ハンドブック』などを参考に表記を統一させ、正しい情報をサイト閲覧者に届けるという意識が大切になります。
校正のポイント3.<常識で考えたときの内容の必要性>
例えば、バスが1日1本、電車が4時間に1本しか往復していない場所を紹介する場合、「アクセスはバスもしくは電車が便利です」としか書いておらず、その交通手段特有の事情を書いていないことがあります。
いわゆる「無責任」な情報で、常識で考えたらおかしなことでもWEBサイトでは表記しがちです。詳細を表記すべき事柄、逆に表記する必要のないことを掲載するなど、常識的に考えれば不自然な内容の有無を指摘するのも、校正・校閲作業では重要です。
どのように校正を行うのか?
ではどのように校正を行うのがよいのかご紹介していきましょう。
自分もしくは自社で校正する
自分もしくは自社で校正するケースは、サイト制作の当事者であるケースがほとんどだと思います。そのため、いかに客観性を保持しながら文章をチェックできるかがカギになります。自分ではなく自社のメンバーに校正してもらう場合も同様です。
アウトソーシングし外部の専門家に依頼する
校正専門会社に委託して校正をしてもらう方法もあります。会社として校正のみを行っている会社はそれほど多くありませんが、プロに依頼できるので安心といえます。
無料のwebサービスを活用し簡略化する
現在では文章を入力すれば自動的に校正を行ってくれるサービスもあります。こういったウェブサービスの中には無料で使えるものもあるので、費用やスピードを重視する方は利用してみてもよいでしょう。
またクラウドソーシングで校正を依頼することもできます。中にはフリーランスで校正を専門にするプロの方もいるので探してみるとよいかもしれません。
まとめ
ここまで校正のやり方と、校正をはじめとする用語の意味、ウェブサイト制作で校正を行う際の進め方やポイントを紹介してきました。たかが文章と思わず、一文字一文字しっかりと見て間違い修正していきましょう。地道な作業ですが、ユーザーからの信頼を得るためにも欠かせない仕事です。