チーム運営
公開日: 2019.10.04 / 最終更新日: 2020.11.10

プロセスマネジメントの考え方とは?成功させるコツや注意点も解説!

組織のマネジメントをするうえで良い結果を出すためには、結果だけにフォーカスするのではなくプロセスにフォーカスする必要があります。成果を出すために欠かせない「プロセスマネジメント」の基本的な考え方や成功させるコツ、注意点について解説していきます。

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プロセスマネジメントの考え方とは?


まずは、プロセスマネジメントの考え方を紹介します。

プロセスマネジメントの意味

プロセスマネジメントとは、業務プロセス(仕事の流れや工程)を管理することで、成果を最大化させるマネジメント手法のことです。業務プロセスを単位ごとに整理し、分析を行いながら問題点を洗い出すことで作業方法を改善していきます。

プロセスマネジメントを導入し、個々のプロセスの効率化・統廃合などが進めば、組織全体の生産性は向上します。

結果重視の経営には限界がある

もちろん企業にとっては、利益や損失という「数字」は非常に大切なものでしょう。しかし、目に見える結果だけに執着して現場の声を聞かないような経営では、企業のさらなる成長は見込めません。

「費用を抑え売上を伸ばせば良い」という利益重視の経営では、人材の成長やサービスの品質向上が遅れます。本質的な企業の成長を果たすためには、仕事のプロセスに目を向け、各プロセスの最適化を図ることが重要です。

プロセスマネジメントを行う方法は?


プロセスマネジメントを行う一般的な方法を、プロセスの例とともに紹介します。

業務プロセスを確認する

プロセスマネジメントを行うには、まず業務プロセスの確認が必要です。たとえば、中途採用担当者の場合であれば、以下のように業務プロセスを細分化することができます。

・求めるターゲット像の確定
・募集要項の確定
・人材募集開始(媒体への掲載など)
・応募受付
・書類審査
・1次面接
・2次(最終)面接
・内定通知
・入社の確定、入社案内

各プロセスに目標値を設定する

業務プロセスを確認したあとは、各プロセスに具体的な目標値を設定してください。具体的には以下のとおりです。

・応募受付…目標受付数:100人
・書類審査…目標通過数:40人
・1次面接…目標通過数:10人
・2次(最終)面接…目標通過数:3人
・内定通知…目標内定者数:3人

上記のように各プロセスに目標値を設定することで、業務の精度が上がります。反対に、目標値を設定しなかった場合、業務全体の効率性や生産性は上がらない可能性があります。

各プロセスを運用する

各プロセスに対して目標値を設定したあとは、実際に各プロセスを運用していきます。業務プロセスを細分化し、それぞれに具体的な目標数値を設定している段階であれば、各プロセスに必要な人員や行動量が見えてくるはずです。また、業務が「見える化」しているので、経験の浅い人でも比較的安易に担当業務に集中することができるでしょう。

各プロセスを改善する

いくら分析を重ねたうえで業務プロセスを運用しても、課題や問題点はいくつも浮かび上がってきます。そうなった場合は、問題点を認識し、各プロセスを改善しなければなりません。

各プロセスを可能なかぎりで効率化できれば、業務全体の迅速化・最適化を図ることは可能です。必要のないプロセスを排除したり、新しいプロセスを加えてみたり、プロセス同士を統合してみたりして、より良いプロセスマネジメントを行ってください。

プロセスマネジメントを成功させるコツ


以下に紹介するポイントを意識してプロセスマネジメントを成功に近づけましょう。

PDCAサイクルを回す

プロセスマネジメントを成功させるために大切なのが、継続的にPDCAサイクルを回すことです。以下の流れを繰り返し、業務の質を向上させてください。

・Plan(計画する)
・Do(実行する)
・Check(評価する)
・Action(改善する)

スマートフォンのアプリなどのアップデートを思い浮かべるとわかりやすいですが、今まで使いにくかった部分の改善・修正があったり、機能が増えたり、さらに使い勝手が良くなったりするからこそ、アップデートが施されてバージョンアップされていきます。

まさにPDCAサイクルを回すことはこのことと似ており、プロセス全体だけでなく各プロセスに対してもPDCAを行い、適宜問題を改善して修正していくことで業務の効率性や生産性は向上し、会社自体も成長していくのです。

関連記事:マネジメントサイクルとは?基本のPDCAやISMSなどを解説!

部下と話し合う場を設ける

プロセスマネジメントを成功させるためには従業員の成長が欠かせません。特に部下を持つ人にとっては、部下のプロセスも管理することになります。できれば上で紹介したPDCAサイクルごとに、部下と話し合う場を設けましょう。

なお、目標設定をしたり、達成に向けた進捗状況の確認をしたり、結果を評価することはもちろんですが、この時間は部下の話を聞く場であって、進んで上司から意見を言う場ではありません。明らかに間違っていることならば軌道修正をしつつも、部下がリラックスして意見を言えるような雰囲気を作るようにし、時間も十分にとるようにしましょう。

プロセスマネジメントの注意点は?


最後に、プロセスマネジメントにおける注意点を紹介します。

コミュニケーションの仕組み作り

部下と話し合う機会を設けることの大切さはすでに述べましたが、プロセスマネジメントを行ううえでは社員同士がコミュニケーションをとることは必須です。人と人との信頼関係の構築につながり、組織やチームを活性化させるからです。現時点でコミュニケーション不足に悩んでいる企業は、上司と部下の定期面談を実施するなど、コミュニケーションの仕組み作りに励んでみてください。

管理ツールの導入を忘れない

業務の効率化があまり進んでいないと、マネジメントを行うことは難しくなります。そのため、IT管理ツール・システムの導入を積極的に検討しましょう。たとえば、スケジュール管理ツールや社内コミュニケーションツールなどの活用です。ノンコア業務に取り組む時間が削減されれば、従業員は本来もっとも時間を割くべきコア業務に集中できるようになり、組織の生産性も向上していきます。

ノンコア業務は外注する手も

組織の生産性を高めるためには、従業員が戦略的業務に注力することが大切です。従業員が定型的な事務作業などに時間を割いてしまうと、効率的なプロセスマネジメントは行えません。そのため、ノンコア業務は外注化することを検討しましょう。アウトソーシング会社に依頼したり、クラウドソーシングを活用したりして、ノンコア業務の外注化を進めてみてください。

アウトソーシングを利用するにあたって、コア業務とノンコア業務の定義などを確認しておきましょう。業務を分類するメリットなどもまとめていますのでご覧ください。
関連記事:コア業務の定義とは?コア業務に集中するメリットや方法も徹底解説!
関連記事:ノンコア業務の意味とは?アウトソーシングの重要性や注意点を解説

まとめ

プロセスマネジメントとは、仕事の流れや工程を管理し、成果を最大化させるマネジメント手法のことです。各プロセスの目標値を具体的に設定して社内のコミュニケーションを密に保ちつつも、PDCAを適切に回すことが重要です。ぜひ当記事を参考にしながら、適切なプロセスマネジメントを行ってください。

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にしすん
早稲田大学商学部卒業後、コンサルティング会社で人事業務を担当。新卒・中途採用全般に携わる。 その後、フリーランスとして独立。WebマーケティングやWeb広告の分野で活躍中。マーケティング・金融・会計・人事労務など、幅広い知識を持つ。

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