若い人材を育てながらつくる、発展途上国カンボジアの開発体制 −原誠さん

人件費の安いカンボジアで開発体制を

博士課程まで行った学生時代が長かったので、その頃から学費を稼ぐためにエンジニアの仕事を受けてきました。その後もソーシャルゲームの開発案件など、7年ほどフリーランスで開発をしてきました。今年に入ってカンボジアに移住し、現地スタッフとチームを組んでいます。人件費が安いというメリットを活かして、画像データからHTMLとCSSを書き起こす、ウェブのコーディング工程を多く受注したいと考えています。また、ゆくゆくはこのチームで受ける仕事の幅を広げていきたいです。

旅先だったカンボジアに留まることに

年末までゲーム会社に所属していたのですが、とても忙しい毎日でした。自分のペースで仕事をしたいという思いから年末で辞めて、東南アジアに旅に出ました。旅行をしつつ、次の就職をどうしようかと考えていたときに、たまたまカンボジアで面白そうなことをやっている人たちに出会ったんです。HUGSという会社で、代表にコンタクトをとって会いに行きました。カンボジアは今まさに伸び盛りの国ですので、日本人を含む外国人がどんどん進出してきています。そうした活動をサポートするのがこの会社で。ビジネスにつながれば何でも挑戦させてもらえる勢いがあって、代表の方に会った翌日には旅行を中断して仕事をしていました。

以前にクラウドワークスの仕事をしたことも

もともと友人がクラウドワークスに勤めていたこともあって、過去にクラウドワークスのシステムへの機能追加などを担当させていただいたことがあります。それとは別に受注者として利用するようになったのは、こちらに来る直前くらいですね。クラウドワークスなら、海外に行っても日本のお客さんの仕事が見つかりますし、場所を問わず働くことができると思いました。これまでに、主にPHP系の案件を受注した実績があります。

時間単価制でも働きやすいクラウドワークス

これまでクラウドワークスで受注してきた案件は個人で受けたものですが、たまたまどれも時間単価制の仕事でした。時間単価制と固定報酬制、当然どちらにもメリットとデメリットがあります。フリーのエンジニアにとっては一般的な話かと思いますが、固定報酬制の場合には作業量の正確な見積もりが大切です。例えば、10万円で受注した案件に1ヶ月間も掛かりっきりになってしまっては困ります。その点、時間単価制では掛けた時間分の報酬をいただけるので、納期を念頭に置いて進めれば大丈夫という安心感があります。発注側も、継続案件や作業量が読めない案件の場合、時間単価制にしておくことで払いすぎを避けることができます。

時間単価制でも働きやすくなったと感じるのは、クラウドワークスのタイムカードという機能のおかげです。タイムカードを押すと、数分おきにデスクトップがキャプチャされて作業の証拠が残されます。この機能を使うと、クラウドワークス側で支払い保証をしてくれる点も安心です。ただ、こちらのチームで受ける仕事につきましては、同じ案件を複数人で対応することになりますので、固定報酬制が中心になると思います。

現地スタッフの人件費

カンボジアの平均年齢は23歳と、とても若いです。また人件費も安く、平均月給は100ドル程度です。単価の比較的安いコーディング案件は量を捌いてなんぼですので、安い人件費というメリットを活かして利益につなげたいと考えています。仕事の探し方としては、直接知人などから受ける案件もありますが、自分でクラウドワークスを検索したり、クラウドワークスから毎日メールで送られてくるおすすめ案件をチェックしたりしています。

手に職を希望する、学習意欲が高い現地スタッフ

カンボジアにも、ウェブやエンジニアのスキルを持った人材が増えています。レベルは人それぞれですが、皆さん手に職をつけることに意欲的です。首都プノンペン以外の地方でも、大学や職業訓練校においてプログラミングやフォトショップの使い方を教えていたりします。日本のJICAの方たちがボランティアで教育に携わっていてくださったり。仕事がとても丁寧な日本人に比べると現地スタッフは多少適当に感じる部分がありますので、やればやった分だけインセンティブがあるなど、色々と工夫して対応していきたいと思っています。でも、彼らの勉強したいという強い意欲には感心します。日本に比較すると、平均的なスキルレベルはまだまだこれからですが、日々貪欲に吸収しています。

実績案件のショーケースを準備

数多い受注者の中から選んでいただくためには、お客さんとの最初の接点となる応募のメッセージをできるだけ丁寧に書き、安心していただくことが大切だと思っています。さらに、クラウドワークス内外の受注実績をあわせて紹介するウェブサイトを準備して補おうと思っています。コーディング案件につきましては、日本人のブリッジSEを駐在させている会社が中国やタイなどで先行していますので、よいところを真似していきたいです。

どんな時でもレスポンスの早さを大切に:クラウドワーキングで意識していること

お客さん側で何か問題のあったときなどに、できるだけ早く反応できるようにしておきます。移動中でもメールは受けられるので、レスポンスよく対応してお客さんが不安になることがないようにしています。カンボジアは停電が多かったり、ネットワークも時々止まったりするんです。プノンペンを含め停電もちょこちょこ。そういった時はテザリングにして通信を切り替えたり工夫しています。

カンボジアで実現したオンとオフがある生活

こちらに来て正直収入は減りましたが、自由に飲みに行ったりする時間が大幅に増えました。基本の就業時間は午前9時から午後5時くらいまで。その時間を過ぎると、現地スタッフは皆さんきっぱり仕事を切り上げてオフの時間に入ります。そういう姿を見ていると、見習うところがあると思います。

海外のクラウドソーシングにもチャレンジ

まずはクラウドワークスを活用して、日本のお客さんからの案件を増やしていくのが当面の目標です。現地スタッフとのコミュニケーションは英語ですので、例えばoDeskのような海外のサービスを使ったクラウドワーキングを将来的に検討したいです。ただ、チーム内で対面での作業指示やコミュニケーションをとるのは難しくないのですが、英語を使うお客さんとの遠隔でのやり取りでは、ニュアンスの読み取り等が今の自分にはなかなか難しいかも知れません。現地スタッフを活かした形の開発体制をまずは軌道に乗せたいですね。