育児サポートと仕事の両立はできる!をクラウドワーキングで証明する岐阜在住デザイナー:Olein Design久野さん

独学で習得したウェブデザインのスキル

フリーランスでデザインの仕事をするようになったのは、今年の1月頃のことです。それまでは地元の岐阜県で、広告代理店や印刷会社でデザインの仕事をしていました。金沢の大学で電子工学を専攻していた頃からインターネットに興味を持つようになり、HTMLやCSSを使ったコーディングなどは独学で習得しました。そこからいっきにウェブやデザインに興味を持つようになり、大学を辞めて、名古屋の専門学校でグラフィックデザインを学びました。グラフィックデザインができれば、仕事の幅が広がるんじゃないかと思って。そんな風にして、デザインスキルはほぼ独学で身につけていきました。地元の印刷会社に3年半ほど勤めた後、独立することを決めました。

基盤にあるのは、会うことで生まれる楽しい関係

フリーランスになってからの仕事は、これまでのところ印刷物が7〜8割を占めています。印刷物に関しては、名刺やショップカード、書籍のカバーまで一通りなんでもつくれます。ウェブも、Wordpressのカスタマイズから新規サイトの立ち上げまで幅広く対応しています。今後は紙とウェブの仕事をバランスよく受けていきたいですね。

お客さんとは、基本的に以前から付き合いのある方など、実際に会って仕事を進めることが多いです。ツイッターなどインターネットを通じて知り合ったというような方もいらっしゃいますが、そういう方とも対面で会ってから案件が進んでいきます。過去の仕事のコネはまったく使っておらず、むしろ仕事とは別にプライベートなどで付き合いのある方に声をかけていただくことが多いです。そういえば、久野さんってデザインできたよね?みたいな感じで相談をしてくださることから発展していきます。

場所を問わずにできる仕事を求めて:クラウドワーキングとの出会い

クラウドソーシングのクラウドワークスには登録していますが、具体的な案件の受注はこれからです。そもそも登録しようと思ったきっかけは、嫁さんの仕事の関係で、今住んでいる場所を1年ほど離れなくてはいけない可能性がでてきたためです。もし会社員だったら一緒に行くのは無理だったでしょうが、フリーランスなら子どもと一緒に1年行ってみるのもアリだなと考えました。ただ、これまで人と対面で会って仕事を得てきているので、場所を問わずできるような仕事を見つける必要があると思いました。それで、クラウドソーシングのようなサービスに興味を持ったんです。場所を選ばずに仕事ができる可能性があるというだけでも、十分に価値のあるサービスだなと感じています。

イクメンブログ「育児男子」で発信

家庭では、今年の11月に第一子が生まれる予定です。いまブログで発信しているのは、妊娠している嫁さんをサポートする内容が中心です。独立して、時間もある程度自由に使えるようになりましたし、初めての子どもなのでいろいろ勉強するところもあるだろうと思って。それをアウトプットする場所をつくろうと思ったのが、ブログを立ち上げた理由です。正直、地方に住んでいることもあって、友人にも「育児なんて男がそんなにやるもんじゃない」という考えの人もいます。それこそ、妊娠している妻をサポートしたり、育児に参加する男性に対する理解も低いというか。こういう環境って、僕の周りに限らずちょこちょこあると思うんです。別に育児に参加する男性が素晴らしいと言いたいわけでもなく、でもそんな風に育児に積極的に参加する男性がいてもいいんじゃない?っていうことを伝えたいですね。

「できるからやる」の基本姿勢

嫁さんは働きたいっていう人なので、いまもまだ仕事をしていますが、一時体調を崩した時期があって2ヶ月ほど仕事を休んだんです。医者には絶対安静と言われていたので、できる限りのことをやるようにしました。家事をする、育児をすることのハードルをもっと下げたらいいのにって思います。家のことに関して、やってあげた感があるとその時点でアウトなので。お互い、できるからやるよっていうくらいのスタンスでいた方が健全なんじゃないかと。共働きですし、たとえば曜日ごとにご飯をつくる担当を決めたりして、子どもができる前から、「できる人がやる」っていうやり方をしています。

仕事と育児サポートの両立への工夫

仕事と家のこと、サポートを両立するには、とにかくサイクルをしっかり守ることが大事だと思っています。僕の一日は、嫁さんを職場に送ることから始まりますが、出て行く前に洗濯機を回しておいて、帰ってきたらすぐに干せるようにしておく。ちょっとの用事を済ませたとしても、午前9時には仕事に着手できるように流れを決めておいてそれを守る。ルーチンをつくって、生活パターンを確立しておくことです。僕は仕事は9時〜17時と決めていて、たまにどうしても夜も続けなくてはいけないことがありますが、それも再開するのは家事が終わってからです。今日は仕事が忙しいからご飯がつくれないとかってやっていると、いろいろバランスが崩れてきてしまうので。仕事を理由にしないように心がけています。

クラウドワークスに期待すること

クラウドソーシングのサービスは、多くの人にとって仕事を受注するための新しい手段です。でも、さまざまな門戸を広げてくれる一方で、懸念事項もあります。相手の表情や言葉が直接やり取りできない中で、相手のニーズを聞き出して汲み取ることをいかにやりやすくするか。また、当然サービス利用に際してマージンが発生するので、単価がどうしても下がります。紙やウェブのデザインは、ただでさえ単価がデフレ状態なので。特にコンペでは稼働時間に対する報酬の保証がない。そうなったときに、ガチでデザインを手がける人間が、それでもクラウドワークスやコンペに参加しようと思えるような仕組みが必要だと思います。そうしないと、受注者は多くてもクオリティーがそれ相応なんてことが起こりえる。本業ではない人もチャレンジ精神を持って挑戦できるのは素晴らしいことですが、そこのサービス側からのコントロールは大事かなと思います。価格やクオリティーをどう管理して担保していくかは課題ですし、今後対策を期待していきたいですね。

父親として、フリーランスのデザイナーとして目指すもの

仕事に関しては、フリーランスという形である程度の安定した収入を確保することがまずの目標です。クラウドソーシングのクラウドワークスも活用していきたいと思っています。また今後は、中小企業に対して、ブランディングを含めたワンストップのソリューションを提供できるようになっていきたいですね。でも、クラウドワーキングが増えても、お客さんと楽しく仕事をすることを大事にしていきたい。先日も、初めてお会いするお客さんとの打ち合わせがありました。2時間くらいしゃべって、仕事の話は20分くらいかな。しゃべりすぎだろって思う反面、そういう話から相手の考え方なんかが見えてくることもあります。仕事をご一緒する相手はパートナーさんだと思っているので、根本の人間関係を強化したい。それこそ、「Olein Desigの久野さんって、仕事は普通にやってくれるし面白いからいいよね」くらいでいいかなと思っています。仕事はできるけど人間的にね…っていうのじゃ続かないと思うので。