企業インタビュー
公開日: 2013.11.21 / 最終更新日: 2020.01.06

【後編】起業後の人材不足はクラウドワークスを活用した:株式会社スマートエデュケーション

「世界の子ども達の“いきる力”を育てたい」という想いで、学習教材の企画や制作販売を手がける株式会社スマートエデュケーション。その事業の一環として提供するのが、乳幼児をターゲットとしたタブレットやスマートフォン向けの「知育」アプリケーションです。

累計ダウンロード数は420万件に上り(2013年9月6日現在)、月間のアクティブユーザ数は80万人を誇ります。そんなアプリ開発で、継続的に使っていただいているのがクラウドソーシングのクラウドワークス。

今回は、弊社代表の吉田浩一郎がスマートエデュケーション様のオフィスにお邪魔し、代表の池谷大吾様と対談させていただきました。クラウドワークスの活用方法から、教育や働き方の未来、世界一を目指したサービス展開まで、たっぷりお話を伺ってきました。前編と後編にわけてお届けします。

 (前編はこちら)

エンジニア採用に困っていた際の救世主

吉田:そもそもクラウドソーシングに興味を持ったきっかけって何だったんですか?

池谷:いや、単純に困ってたんですよ。僕のつくりたいアプリをつくってくれる人がいなくて。

吉田:最初の採用の話ですね。

池谷:採用したくてもエンジニアが来ない。僕たちはプロデュースしかできない人間だったので、来ないと時間しか経たなくて。

そんな時にクラウドワークスっていうサービスを教えてもらって登録してみたら、すぐに人が見つかって。へー、こういう時代になったんだって思いました。クラウドワークスのおかげで世の中の流れがわかったので、今は正社員雇用もするけれど、そういうところにもお願いするやり方をしています。会社としての方向性をかなり変えるきっかけになった感じですね。

吉田:なるほど。

池谷:肩の荷が下りたっていうか。正社員にこだわったり、紹介会社さんに高いフィーを払わなくてもいいんだって。一人採用するとすごいキャッシュがかかりますけど、それってリスクでもあるので。

クラウドソーシングは、リーズナブルでいい出会いもあるし、受注してくれるエンジニアも、うちの案件が終わったら他の仕事を自由に選べるし。

吉田:ちょっと話が戻りますけど、実際にクラウドワークスを使ってみてどうでした?採用したのってどんな分野のエンジニアでした?

池谷:アプリ開発、アプリの修正、あとウェブサイトなど5、6件は使わせてもらっています。ちょっと困った時に、短期間でパパッとつくってほしいっていうような案件をお願いする感じです。

これお世辞じゃないですけど、クラウドワークスさんくらいなんですよ。ちゃんと仕事をお願いできる人材に出会えているのは。

吉田:ありがとうございます。ちなみに、優秀なエンジニアを見つけるための工夫とかってしてますか?例えば投稿のコツとか、コミュニケーション面での工夫とか。

池谷:さっき言ったみたいに、うちは知育アプリなのでわかりやすくてイメージが湧きやすいと思うんです。パパの方も多いので、親近感を持ってやってみたいですって言ってくださったり。

だから累計のダウンロード数を具体的に書いてアピールする感じですね。一回の募集に20〜30件応募があるケースもあります。全部ちゃんと見ていて、その中で会ってもいいかなっていう人がけっこういるので実際にお会いして。

ー実際にお願いする方を選ぶ基準はどこですか?

池谷:えっと、2軸あります。まずは、スキルですよね。スキルについては過去実績を見るようにしています。あとは想いですね。本当にやりたいと思ってくれるかどうか。

だから、実際に会う前にアプリを触ってくれているとか。おたくのアプリこうですよねとかって言ってくれると、これは高確立ですよ。CTOと僕とが1回会って、ほとんどそれで決めちゃいますね。

吉田:嬉しいですね。色々活用していただいていて、今後のクラウドワークスに期待するところってどうですか?

池谷:本当に助かってます。ただ、最近は個人ではなくて企業からの応募がけっこう目につくようになりました。企業だと、営業が来るような感じであまり直接感がなくて。

状況が厳しいSierも沢山いるので、そういうところも登録してくるのは仕方ないんでしょうが、それは見極めていきたいなと思いますね。

吉田:従来とは違う発注方法というところだと、会社だと今までと変わらないってことになっちゃいますよね。

サービスはふたを開ける前が勝負

池谷:クラウドソーシングのクラウドワークスって、世の中に溜まっている元気玉を集めているみたいなビジネスじゃないですか。だから、そうあり続けて欲しいと思います。

僕らが目指す「いきる力」っていう意味だと、その生き方でもいいんだっていう可能性を感じることだと思っているので。クラウドワークスのビジョンはすごく好きですし、働き方が多様化していくのはいいことですし。

うちは、特にエンジニアに関してはクラウドワークスって感じなんですが、そこは注力されてるんですか?

吉田:1年半くらい前のリリース当時は、他のクラウドソーシングサイトでエンジニアに特化したところがなかったんですよ。マイクロタスクとか、一般の方ができるような事務とか小遣い稼ぎ寄りのものが多くて。プロの人が集うというよりは、敷居を低くしてつくられたサイトの方が多かったんですよね。

池谷:そうだったんですね。

吉田:それまでのクラウドソーシングサイトがやっていないところが、プロのエンジニアとデザイナーの分野でした。当時はソーシャルゲームの全盛期だったので、それ以外のところでエンジニアが全然足りてなくて。

そういうところでエンジニアを集めたらニーズがあるんじゃないかと考えて、一番最初はかなりエンジニアに特化していましたね。

池谷:それは今も変わらずですか?

吉田:そうではないんですけど、事実上、エンジニア分野でご評価いただくところは多いですね。最初のイメージがまだあるのかな。

池谷:最初にどうやってエンジニアにアプローチしたか知りたいですね。

吉田:クラウドワークスのトップページに写真があるんですけど、そこに掲載するために有力なフリーランスのエンジニアの方々に一人ずつお願いして写真をお借りしたんですよ。

これからの新しい働き方をつくっていきたいので、ぜひ応援してくださいとお願いして回りました。

例えばRubyのコミッターの方とか、20代の学生ハッカーの方とか、大阪のiPhoneアプリの達人の方とか、色んな分野の方々の写真をお借りすることができました。

で、事前登録開始を開始したら、写真をお借りした方の周囲のお友達のエンジニアさんなんかが登録してくださって、サービス開始前に1,300人のエンジニアさんの登録がありました。

池谷:その事前に盛り上げるっていうのは、吉田さんの発想なんですか?

吉田:そうですね。もともと私は展示会をやっていたので。展示会って、1年間準備して3日間しかビッグサイトで形にならない。要はその3日間をどれだけイメージさせて、事前にみんなが行くように予定を開けてもらうかっていう仕事じゃないですか。なので、くる前に喚起していただく工夫をするわけですよね。

池谷:なるほど。

吉田:その展示会の時の経験で、ふたを開ける前が勝負だっていうイメージがあるので。とりあえずサービスつくってから色々考えようではなくて、サービスを立ち上げる前に勝負の半分くらいあるんじゃないかと思ってやってます。

池谷:ベテランならではの、ですね。クライアント側はどうしたんです?

吉田:サービス開始前に1,300人のエンジニアに登録いただいて、そこからクライアントさんを30社くらい回りました。成果報酬なので、発注する人がいなければお金はかからないということで、1日5社ずつ案件をオープンしていって絶え間なく盛り上がりがある状態にしました。今は累計で12,000社のクライアントさんがいます。

目指すは世界でナンバーワン

池谷:クラウドソーシングのクラウドワークスさんは今後もビジネスモデルは変えず、成果報酬型ですか?

吉田:今のところは成果報酬型で続ける予定です。クライアントさんから見て、今までの外注との比較になりますから。そこに対する圧倒的な差別化がないと、クライアントさんもなかなか敷居が高くなってしまうので。

そこは成果報酬型で圧倒的に安くっていうのはディスラプトというか、ビジネスモデルの転換ですね。御社は収益は今はどういう感じなんですか?って社長対談になると、生々しい話になっちゃいますね(笑)

池谷:ですね、ちょっと赤裸裸すぎて(笑)アプリは今9本ありますけど、1年半くらいのキャリアですね。ダウンロード数は約420万ありますけど、ただダウンロード数はあまり重要視していなくて。やっぱり大事なのは、何人遊んでいるのかっていうリピーターです。今はそれが月間ユニークユーザで80万人くらいかな。

吉田:へえー。

池谷:スマホ・タブレットだけで80万ってけっこう大きい。で、かつ、僕らの対象ってママかパパなので、そこで考えるとスマホを持つママの2人に1人はうちのアプリが入っていて使っている計算です。音楽のアプリは2曲が無料なので、となりのトトロが無料ならまずはダウンロードしますよね。で、3曲目以降を買っていただくっていうモデルです。さらに最近そこに月額制を入れて、月額で取り放題というサービスに変えていっています。

ーすごいアクティブ率ですね、420万ダウンロード中の80万がアクティブって

池谷:子どもが使うものなので、子どもが手放せないから消せないんですよね。僕たちってけっこうスマホのアプリの整理をすると思うんですけど、子どものアプリはいざっていう時に無いと困るので。

ソーシャルゲームをやっていた頃の継続率は、例えばカードバトルだと1回ダウンロードしたのを100%として、2ヶ月目で20%とかなんですよ。それでも一人当たりの課金額がすごいんですけど。

僕らの音楽アプリって60%くらい。最初はすごく驚きましたね。毎日激しく遊ぶことはなくても、消されずにちょこちょこ遊んでくれる。いい曲があればたまに買うしっていう感じですかね。

吉田:なるほど。なんとなくこうして話を聞いていたら、池谷さんはそういう意味ではまずは日本一ですか?世界一?

池谷:今は、現時点で僕ら日本一なんです。

吉田:もうそうなんですね(笑)

池谷:でもすごく小さいんですよ。だってひと月の売り上げが1,000万円とか2,000万円いかないくらいで日本一になっちゃうくらいなので。だから今考えると、もう世界一しかないなって思います。

日本は少子化で市場がそこまで大きくないですし、これから増えていくことも期待できない。これから人口が増えていくのもASEANが中心だと思うので、世界で勝負したいですね。

今、投資する金額のほとんどは既に海外向けです。日本を含めた海外を最初から狙いにいってるので。逆にいうと、世界をとれないと、きついっていうことだと思っています。

吉田:今のお話は私も同じ想いです。世界最大のクラウドソーシング、マッチングサイトを目指していきたいと思っています。

池谷:海外もやるんですか?

吉田:今も実は、ベトナムやフィリピンでテストマーケティングをしてるんですよ。日本から出してはいるんですけど、まだまだ工夫が必要だなっていう中で、どこかのタイミングで世界のお仕事プラットフォームにチャレンジしていきたいと思っていますので。お互いに、世界一のお仕事プラットフォームと知育プラットフォームを目指すわけですね。

池谷:ぜひ外国人エンジニアを紹介してほしいですね(笑)

吉田:そっか、そっちの方がいいですね。今後の期待は海外展開だから、海外のデザイナーとかエンジニアがほしいと。うちも海外展開頑張っていきますよ。

ー学び方と働き方にはつながりや共通点があると思うんですが、お2人は働き方や学び方がこれからどうなっていくと思いますか?

吉田:私がいちばんショッキングなのは、子どもってみんなめちゃくちゃiPhoneやiPadが好きじゃないですか。もう学び方って確実に、劇的に変わりますよね。今後どうなってくんですかね。

池谷:想像通りだと思うんですよね。教育業界に産業革命が起こっていると思っています。今までの教育は、学校に行って紙の教科書を中心に学ぶものだったけれど、これがもう変わってきていますし。

「乳幼児のスマートデバイス利用」に関して東京大学大学院と共同研究を進めているんですが、そこの山内祐平先生が詳しい「反転授業」も注目されています。

まず、家で先生の講座を動画で観て、大学の授業はそれについて質問をする場。大学で講義を聞いて宿題がでるってこれまでの形の逆なんです。紙は無くならないし、既存の学習方法も否定はしませんが、新しい形の学習が行われてるのも事実です。

産業革命が起こっているので、間違いなくプレイヤーが変わりやすい瞬間ですよね。僕らみたいなベンチャーがそれを変えられるかもしれないし。

吉田:おっしゃる通りで、働き方もインターネットによって完全に変わってる。これまでってスキルっていうのは可視化されていなくて。営業マンが履歴書を持って、面接しますか?ってやっていたものが、今はスキルが見える化されているので直接コンタクトできる。

働き方自体が、インターネットによって、もっと人と人とが直接つながってく世の中になります。そこの大きな産業革命に対して、ひとつ新しいサービスを投じてるっていう感覚はありますよね。

池谷:ルールを変えていってるっていう感覚はけっこうあると思うんですよ。既存のものをぶち壊してるところがあって。そういうイノベーションがないと世の中は良くならないですし、その一役を担っていると思われている。

吉田:そこは、私もいつも気をつけるようにしてるんですけど、新市場の部分と既存の市場が変わる部分ってあると思っています。

新市場のところは誰もがハッピーになれるところじゃないかなと。既存の学校と完全にぶつかり合うのではなくて、既存の学校の補完というか。新しい価値にもなっていって融和していくというか。

池谷:おっしゃる通りですね。教育業界に対して、引っ搔き傷をひとつでも残せればいいと思っています。

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掲載企業

株式会社スマートエデュケーション
会社名:株式会社スマートエデュケーション(SMARTEDUCATION,LTD.)
所在地:〒141-0031 東京都品川区西五反田2-4-2 東海ビル
連絡先:03-6431-8910 / info@smarteducation.jp
設立:2011年6月7日
資本金:469,258千円
代表取締役:池谷 大吾
事業内容:学習教材の企画、制作、販売
企業URL:http://smarteducation.jp/
クラウドワークス:プロフィール

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