クラウドワークスのコンペを活用し、地元の催事のポスター案を募集した「戸隠中社観光三組合」。今回は、同組合のイベント広報担当で、戸隠中社の神主でもある藤井治樹さんに、クラウドワークス活用の背景や、実際にクラウドソーシングを体験しての感想を伺ってきました。
目次
最初は半信半疑!? 冬の恒例イベントのポスターをコンペで募集
ー「戸隠中社観光三組合」とはどんな団体ですか?
長野県の戸隠にある旅館、民宿、お土産屋などからなる団体で、観光客誘致のための活動を行っています。戸隠はパワースポットとして有名な戸隠神社や、魔法の粉雪として人気が高い戸隠スキー場などが有名です。
私たちはこうした観光スポットを紹介しつつ、宿泊して下さるお客様を増やすためのイベントなどを企画しています。
ーどのようなきっかけで、クラウドワークスを使おうと思ったのでしょうか?
私たちは、毎年1000人以上のお客様が集まる冬の恒例イベントとして「戸隠どんど焼き祭り」を実施しています。スキー場のゲレンデでの花火大会なども行われる戸隠エリアの一大イベントなのですが、今回私たちは、このお祭りのポスターをクラウドワークスを通じて募集しました。
きっかけは、私が東京に出張していた際に、あるITイベントでクラウドワークスのことを知って興味を持ったことです。
全国にいる沢山のデザイナーが、案件に応じて力を貸してくれる点が新しいなと思ったのと、依頼側はクラウドワークスを利用する手数料を払わなくてもよいといった価格面の分かりやすさに魅力を感じました。
とはいえ、私たちの団体は組合員の年齢層が高くITの知識も高くないため、最初は利用に関して懐疑的なところもありました。
これまではこうしたイベントのポスターは地元長野のデザイナーにお任せで依頼していたのですが、特にこちらから要望は出さなくても、イベントの時期になれば印刷されたポスターが上がってくる。これはこれで負担が少なくて助かるのです。
ただ、イベントの企画もそうなのですが、何か変えていかないと陳腐化してしまうという危機感もあったため、ITに抵抗のない私がトライアルのつもりでコンペに応募してみたんです。
本音を言うと、もし案が集まらなかったり、デザインに納得できなかった場合には、これまでの依頼相手に再びお願いすることも念頭に置いてのクラウドソーシングへの挑戦でした。
デザインの提案の幅は想像以上。理想のポスターができあがりました。
ー実際、クラウドワークスを使ってみていかがでしたか?
結論から言うととても良かったです。まず、クオリティ面ですが、提案していただいたデザインのほとんどが素晴らしいものでした。
安かろう悪かろうではないですが、アマチュアのようなクオリティのものも多いのではないかと思っていたのですが、レベルが高いものばかりで選ぶのが大変でした。
次に良かったのはデザイナーさんの対応ですね。クラウドワークスでは非対面でプロジェクトが完結するということで、はじめは心配していましたが、修正の要望などもうまく伝えることができたと思っています。
最終的に依頼することにしたデザイナーさんは、リーズナブルな印刷サービスを紹介してくれたうえ、デザインの入稿はそのサービスに合わせたフォーマットで対応してくださったので、デザイン完了後の作業もとてもスムーズに進められました。
もうひとつは価格面。以前は10万円でデザイナーに依頼していたのですが、今回のコンペは7万円で行いました。
クラウドワークスの応募保証が7万円であったためだったのですが、最終的には予想以上のデザイン案の候補が集まりとても満足しています。
ーコンペの発注時に工夫した点はありますか?
実は最初、希望イメージをうまく伝えられていなかったんです。発注時にシンプルか複雑か、伝統的か先進的かなどをグラフで選択できるのですが、全て中央にしてしまったのでデザイナーさんたちとしてはやりにくかったのではないかと反省しています。
それでも、文章で伝えたイベントのコンセプトや、これまでのポスター例から、こちらの意図を汲み取ってデザインしてくださったので助かりました。
あと、デザインの選考過程が大きく効率化できたのは良かったですね。わたしたちの団体では定期会合があり、去年まではみんなが集合した際にデザイン案を見せていましたが、そこで変更要望があっても印刷までの時間を考えると厳しく、結局はデザイナーに任せきりでした。
しかし、クラウドワークスなら、コンペの提案一覧をインターネットで確認できるので、会合前に、組合員にコンペページのURLをメールで伝え、事前に各人から意見を集めることができました。結果として仲間同士で活発な意見交換ができましたし、集めた声を作品に反映させることができ、満足しています。
全国から幅広いアイデアを借りることができる点に可能性を感じています。
ー今後に向けて工夫したい点はありますか?
工夫とはちょっと違いますが、今回のコンペの満足度が高かったので、3月に開催予定のイベント「Theべ~そ2014」のポスターもクラウドワークスのコンペで募集することになりました。
今回依頼したデザイナーさんはかなり仕事がしやすかったので、引き続き単発の案件では依頼しようと考えていますが、コンペを活用することで幅広いアイデアがインターネットを通じて集まるという“多様性”を今後も重視していきたいですね。
今回ポスターができあがった後、他の組合員から「思っていた以上に良かったから、またクラウドワークスを使おう」という言葉がでてきたのは、利用を推進した私にとって嬉しく感じた瞬間でした。
私達は地方の一団体ですが、Webサービスをうまく利用することで、全国のデザイナーの力を借りられるということには大きな可能性を感じています。