人は自分の罪や醜聞といった、「他人に知られたくない事実」以外は、積極的に拡散する傾向にあります。実際に、ツイッターやフェイスブックを始めとするSNSでは、ユーザーによって日々多くの情報がシェアされていますよね。
ではなぜ、人は情報をシェアしようとするのでしょうか。このページでは、人が情報をシェアする心理や、シェアされやすい情報のタイプについてご紹介します。
目次
なぜ情報をシェアするのか?NYタイムズが紐解いた「5つの心理」
「人が情報をシェアするのは、単に人に教えたいからじゃないの?」
もちろんそのとおりです。ニューヨークタイムズの調査報告「The Psychology of Sharing」では、人が情報を共有する動機について、さらに詳しく分類しています。
1.価値あるコンテンツだから
情報が有益だからシェアをするというケースです。シェアした情報が有益であれば、所属しているコミュニティからも好ましい反応が返ってきます。「ためになった」「これが知りたかったの」という賞賛を得るためにも、人は有益な情報を拡散する傾向にあります。
2.自分の趣味や好みを知らせるため
自分の好みを発信することで、「自分がどんな人間なのか」を周囲に知らせようとします。
3.交友関係を広げ、維持するため
情報をプレゼントしあうことで周囲とつながりを持ち、結束を深めます。
4.社会の一員であることを実感するため
情報をシェアし、周囲から反応をもらうことで、社会の一員であることを実感します。
5.自分の主張を表現するため
個人にはそれぞれ「独自の主張」があります。自分の主張を伝えるために、著名人のコメントを拡散したり、一般人の類似意見をキュレーションしたりして、自分の主張の正しさを証明しようとします。
「これ、みんなに教えてあげよう」というシンプルな気持ちにも、実はいろいろな目的があることがお分かり頂けるのではないでしょうか。
人がシェアしたくなる4つの情報タイプ
- ・自己表現に役立つ情報(趣味に関するコンテンツなど)
- ・有益な情報(雑学、ビジネスハウツー、はずれのないグルメ情報など)
- ・感情を刺激する情報(面白い、悲しい、許せないと思う情報)
- ・危機的な情報(生命の危険に関わる情報)
最後の「危機的な情報」は、わかりやすい例ですよね。地震速報、人身事故、火事、事故現場など、誰かの生命の危機に関することは速やかに拡散される傾向にあります。
人がシェアしない情報とは?
一方、シェアされにくいの情報の特徴としては、以下のようなタイプのものが挙げられます。
- ・「ごはんたべた」「今日の仕事つかれた」などの個人的な報告
- ・信頼できないソースからの情報
- ・自分の立場やイメージを悪化させる情報
- ・自分が愛着を持っていないブランドの情報
「個人がシェアしようと思うこと」は、個人の日常的な発言より、さらに慎重に選ばれる傾向にあることに気づくのではないでしょうか。
なぜ、シェアされる情報は慎重に選ばれやすいのかというと、「自分が広めた情報は、自分が言ったこと・支持したこととして周りに認知されるため」です。
情報を拡散した時点で「情報の支持者」と見なされるため、人は誤った情報を広めないためにも、シェアする情報の選別にかなり慎重になる傾向にあります。
総括すると、シェアされやすい情報は「自分が信頼しているソースから発せられたものであり、かつ相手にとっても有益と思われる情報」。
シェアされにくい情報は、「自分が信頼していないソース、または同調したくないソースから発せられたものであり、相手にとってもあまり有益でない情報」といえるでしょう。
まとめ
今回は人が情報をシェアする心理や、シェアされやすい情報のタイプについてご紹介しました。
現代社会はインターネットの発達により、誰でも情報を発信できる時代になりました。ウェブマーケティングに携わる人はもちろん、個人でもネットリテラシーを高めて、正しく情報交換を行うようにしたいですね。