20代で独立してパラレルワークを実践!夢をかなえるために選んだ道とは

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フリーエンジニアのNtbridgeこと土橋望さんは、カフェを経営しながら、クラウドソーシングを通じて仕事を受注しています。

ほかの仕事も手がけていて、まさにパラレルワークを実践している土橋さんに、日々、実践していることや仕事に対する考え方をお聞きしました。

 

夢だったカフェ経営

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―カフェを経営しながら、フリーランスのエンジニアとしてお仕事をされているそうですね。カフェ、というのが、とても気になるのですが。

会社を辞めてフリーのエンジニアになったあと、開店準備をして2014年、東京の府中市内に「D’s coffee(ディーズコーヒー)」というカフェをオープンしました。

 

―自分のお店っていいですよね。どんな感じのお店なんでしょう。

13席の小さな店なのですが、日当たりが良くて、心地よい雰囲気の中でくつろいでいただけるようにしています。 一番こだわっているのはコーヒーで、10種類ぐらいをいつも用意しているんです。

 

―そうなんですね。会社を辞めて、フリーのエンジニアになるだけではなく、どうしてカフェも開こうと思ったのですか?

小さいお店でも、自分で経営することをやってみたかったんです。

エンジニアとお店の経営を組み合わせれば、何か新しい価値が提供できるのではないか。

また、この経験をベースに、次のステップに進めるのではないか、という考えもありました。

 

―そういう意味では、カフェでなくても良かったとか?

単純にコーヒーが好きで(笑)。それで会社員のころから、いつかはカフェを開きたいと思い、コーヒーの入れ方など習っていたんです。

また、人が集まる場所を作りたい、という夢もあったので、やはりお店を開くならカフェが最適かと。

 

―なるほど。では今はエンジニアとカフェ経営を両立されているわけですね。

はい。カフェは朝から夕方までの営業なので、それ以外の時間でエンジニア作業をしています。

カフェは平日、休みの日があるので、そのときに打ち合わせを入れて。

カフェの営業中でも、手の空く時間があればエンジニアの仕事ができます。

妻も一緒にカフェの仕事をしているので、うまくお互いに時間を融通しながら、仕事も家庭も両立できている感じですね。

―カフェを始めて気づいたこと、学んだことなどありますか?

自分が客として店に行くのとは逆の立場なので、経営して見て初めて見えてくることはたくさんありました。

エンジニアの仕事をしているだけでは分からなかった、いろいろな気づきや出会いがある、というのは面白いです。

クラウドソーシングを頼って29歳で独立を決意

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―会社を辞めて、独立しようと思ったのはどうしてですか。

大学を卒業後、製造業のSIベンダーに入社し、プログラマー、システムエンジニアとして働いていました。

ただ残業や休日出勤が多くて、結婚しても家族と過ごせる時間に限りがあり…。

そんなときに、クラウドソーシングでもエンジニアの仕事を受注できることを知り、これなら独立しても何とかやっていけそうだ、と。

あとカフェをやりたい、という夢も実現したかったので、思い切って28歳のときに独立しました。

 

―20代での独立、不安はなかったですか?

うまくいくかどうかは分かりませんでした。でも、失敗したとしても、軌道修正できる年齢だと思ったので、思い切って。

―フリーのエンジニアになるために、お仕事の受注はクラウドソーシングを頼られた、ということですよね。

そうですね、それしかなかったですね。特に会社員時代からのお客さんで、あてがあるようなこともなかったので。

 

―実際、クラウドソーシングを始めてみた感触はどうでしたか?

最初はうまくいかないことが多かったですね。

特に難しいと感じたのは、お仕事をご依頼してくださるクライアントさんの見極めです。クラウドソーシングの発注者は企業、個人、さまざまなので…。

 

―そのあたり、クラウドソーシングで仕事をしていくうえで工夫していることや、心がけていることはありますか?

お仕事のご相談をいただいたとき、最初はできるだけお会いしてお話をするようにしています。

そのときの印象で、お互いに雰囲気がつかめるので、その後のミスマッチが防げると思います。

あと開発案件は納品後にトラブルが発覚することも多いので、最初のすり合わせはとても大事です。

要件を書面にまとめて発注者に確認を取るなど、お互いの認識にズレがないよう意識しています。

また、受託案件は一括で請け負うものが多いのですが、実際、作業にかかった時間の記録をとって、最初の見積もりと差があったかどうか、検証しています。

そうしておけば、次に似たような案件で見積もりを出すとき、参考になるんです。

適正な価格というのは難しいと思いますが、安すぎても、高すぎてもお互いに良くないですから。

新しい価値を生み出したい

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―エンジニアとしてのお仕事は、今、どのような感じですか?

クラウドソーシングを通じて受託している開発の仕事が全体の7割ぐらいを占めています。

これらは2、3カ月にわたる大型の案件も多いので、合間にこれまで納品した仕事の改修案件などを請け負っている感じですね。

おかげさまで、こちらから営業をしなくても仕事は順調に受託できています。

 

―そうなんですね。いろいろな選択肢がある中で、どういう仕事を請け負っていくか、意識していることなどありますか?

できるだけ新しい案件を受けるようにしています。

さまざまな案件を通して、エンジニアとしてのスキルを広げていけますし、ビジネス的な点から考えても多様なサービスに触れるのは良いことだと思っているので。

一方、継続的にお声がけをいただいている改修のような案件については、収入の安定につながるので、フリーランスの立場としてはとてもありがたいです。

その両方のバランスをうまくとりながら、自分のスキルや経験をどう生かしていくか、日々、5年先、10年先も見越して仕事をしているつもりです。

 

―カフェとエンジニア以外にも、いろいろとお仕事の幅を広げているとお聞きしました。

はい。何か困っていることがある人や、新しいものを作りたいという人に対して、システム開発のレッスンを行っています。

人に教えることで、私自身も知識の整理やブラッシュアップにつながり、スキルアップの機会になっていると思います。

あとは新しいサービスの開発に力を入れ始めていて、いずれ知人と起業するつもりで準備を進めています。

 

―カフェ経営にエンジニア、さらにそういったお仕事、というのは、フリーランスで働いていくうえで、リスクを分散させている、ということもあるのですか?

そうですね。収入の手だてが一つだと、うまくいかなくなったときに行き詰まってしまうので、そこは意識しています。

 

―大事なことですよね。でも、お忙しそうですね。

複数の仕事をしていると、なかなか休みの時間が取りづらくはなっています。

仕事自体はやりたいことばかりなので、苦ではありません。

でも、やはり休みとして心身ともにリフレッシュするのは大事なことですし、休みの中で見つけられる新しい発見、考えもあると思います。

なので、もう少しゆとりを持って働けるようにするのが課題ですね。

 

―これからの展望などありますか?

クラウドソーシングを通じて受託できる案件は幅広く、エンジニアとしてのスキルアップにつながるので今後も継続していきます。

一方、今後は今独自に開発しているサービスの方にも注力していきたいです。

カフェの方は地域のコミュニティーとして利用してもらったり、ノマド的に活用してもらったり、スペースの有効活用を考えていきたいと思っています。

いずれも目指しているのは、小さくても人から必要とされ、新しい価値を生み出すものやサービスを提供すること。

これから5年先、10年先に自分は何ができるのか、常に考えながら仕事をしていきたいです。

 

取材・文:吉岡名保恵

土橋 望(どばし・のぞむ)
SIベンダーに約6年間システムエンジニア・プログラマーとして所属したあと、独立してフリーのエンジニアで開発案件を多く手がける。東京都府中市内で妻とカフェも経営中。新しいオリジナルサービスの開発、講師業など仕事の幅を広げている。