タイと日本で夢の2拠点生活。「大手製薬会社と薬剤師」という肩書きを捨てて手に入れた自由とは

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「”生活”が嫌だった」そう語るプロクラウドワーカー・マーニーさんは、大手製薬会社を退職し、タイのリゾート地・ホワヒンと東京を行き来するフリーランスに旦那様と共に転身。そんな彼女の考える”心地良い生活”、そしてフリーランスとして活躍するための術を聞いてきました。

仕事もプライベートも”生活”の一部。会社勤めでは全体のバランスが崩れていた

–どうして、大手製薬会社を退職し、タイのリゾート地・ホワヒンと東京を行き来するフリーランスに旦那様と共に転身をしたのですか?

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仕事が嫌だった訳ではないのですが、生活が嫌だったんです。毎日同じ時間に起きて、仕事に行って、家に帰って…という日々の繰り返しが。

組織というものに属している以上は変えられないんだろうなって。「もっと自分の思うようにしたい!」という気持ちが強くなって会社を辞めました。

私としては「仕事もあくまで生活の一部である」と考えているんですよね。なので、仕事のせいで生活が崩れてしまっているのであれば、生活のバランスを取り戻すために仕事自体の見直しが必要だなと。

そこで、夫とも話し合いをして、前から住んでみたいと思っていたタイに移住をしました。

–何かタイに特別な思い入れとかがあったのですか?

そうですね、単純に好きというだけなのですが、「寒いのが嫌だった」というのは大きな理由の1つですね(笑)

薬剤師の資格を持っていたため、以前は調剤薬局に勤めていました。薬剤師の仕事って静かにやっているように見えて、実はハードなんですよ。人の健康に関わることなので、決してミスが無いよう頭は常にフル回転させないといけないし、立ち仕事ですし。

私自身、体はあまり強い方ではないんですよね。なので、冬の時期になると日頃のハードワークに加えて、仕事柄として患者さんと接することが多いので、風邪をもらってしまい、ダウンをしてしまうことが多くて。

だから、冬の時期は暖かい場所に行こうと思って、前から住んでみたいと思ったタイにしたんです。ただ、日本は好きだったので、寒い冬はタイに、暖かくなったら日本に戻ってくる、という生活スタイルにしました。

–退職時に不安はなかったのですか?

正直、特に不安は無かったです。いざタイに行く時も、仕事に関して特に何も決めずに行きましたし。

私たちの考え方として、”生活”の中に仕事やプライベートがあるんですよね。なので、まずは自分の理想の生活を先に決めてしまって、仕事は後から考える、という順序でした。

仕事に関してはタイに住み始めてから、働き口はあったものの賃金が安かったり、なかなか思うようにならなかったりと、苦労はしました。だけど、最終的にはクラウドワークスと出会って、それでタイでの生計を立てることができましたね。

薬剤師とライター、仕事の本質は同じ。徹底的に正確に、分かりやすく

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–フリーランスとしてどのような働き方をしているのですか?

実は、今はタイ・ホワヒンと東京ではなくて、宮古島と東京を行き来する生活に変わっていて(笑)。なので、まずは「タイ・ホワヒンと東京を行き来していた時に、どのような働き方をしていたのか」をお話ししますね。

寒いのが嫌だったので、秋と冬はタイに、春と夏は東京に滞在するような生活をしていました。そして、最終的には、タイではクラウドワークス、日本では調剤薬局で派遣の薬剤師として働いていましたね。

タイでの仕事に関しては、当初は薬剤師の資格を活かして日本人向けの病院への勤務も考えたのですが、どうしても夜勤等が入ってしまうため、また生活のバランスが崩れてしまうと感じてしまって止めました。

それよりは、「自分の責任になるけど自分のやりたいことをやろう」と思ったんですよね。なので、ビーチサンダルの買い付けやオーガニックコスメの売買、ココナッツシュガーの販売等にチャレンジしました。その中でも、利益が出るまでに時間がかからず、すぐに収入に繋がり、どこに居ても仕事ができるという点で、頼りになったのがクラウドワークスのお仕事でした。

今は、タイ・ホワヒンと東京ではなくて、宮古島と東京を行き来する生活になっています。 クラウドワークスの比重は以前よりも下がってはいるのですが、宮古島でも東京でも調剤薬局で薬剤師として働いています。

–クラウドワークスではどのようなお仕事をしているのですか?

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主にライティングですね。薬剤師の資格を持っているので、健康・ヘルスケア・医療・美容・食事関係等のライティング実績が多いです。

最初にクラウドワークスを始めた時には月で大体2万円くらいの稼ぎですかね。確か「薬剤師の転職体験談」みたいなお仕事で、当初は「自分の経験を書くだけでお金がもらえるんだ!」と驚いたりしていました(笑)

その後、続けて行くうちに月に10万円くらいは安定的に稼ぐことができるようになって、プロクラウドワーカーに選んでいただいた後からは月に30万円近くを稼げるようになりました。

–どうしてそこまで稼げるようになったのですか?

1つ1つのお仕事を丁寧に丁寧にやっていった結果、

・継続的なお仕事をいただくようになり

・クラウドワークスでの評価が溜まって

・お仕事のご相談をいただく機会が増え

・プロクラウドワーカーに選んでいただき

・さらにお仕事のご相談をいただく機会が増えた

という好循環が回ったからかなと思います。

こういった好循環を回すためには、最初の「1つ1つのお仕事を丁寧に丁寧に」やることが大事かなと。私の場合「丁寧に」というのは「徹底的に正確に、分かりやすく」ライティングをすることでした。

薬剤師の仕事は患者さんと1対1の仕事なんですよね。だから、私が誤った情報を患者さんに伝えてしまったら大変なことになってしまう。ライティングもそれと一緒で、誤ったことを書いてしまったら、読者さんが大変なことになってしまう。

だから、誤ったことを伝えない・書かないという「正確性」に加えて、しっかりと患者さん・読者さんの中で消化できるようにするという「分かりやすさ」を徹底的に意識しています。

顔が見えない仕事は”信頼関係”が命

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–クラウドワークスで活躍をするために心がけていることは何ですか?

クラウドソーシングという働き方の性質上、仕事相手と顔が見えないですよね。だからこそ、コミュニケーションはかなりこまめに取るようにはしていました。

例えば、メッセージでのレスポンスのスピードや内容、あとは自分のことをよく知ってもらおうと思い、プロフィールページもしっかりと書きました。

結局、小さいことの積み重ねというか、普通の仕事と同じですよね。クライアントの質問に的確に答える、不明点や疑問点は事前に解消する、期限は確実に守る、といった当たり前の積み重ねをすることで信頼関係が築くことができると思います。

–ライティングをする上で具体的な仕事の進め方はどういった感じなのですか?

製薬会社で学術という仕事をしていたんですよね。学術というお仕事は、医師や社内からの薬剤に対する質問に回答したり、論文を調べて理解して、社内で共有するための根拠資料を作成したりするお仕事です。なので、ライティングをする時は常に学術をしているような心持ちでいます。

具体的なライティングの仕方としては、

1.クライアントから受け取ったマニュアルを入念に確認。

2.執筆テーマをクライアントからもらう

3.テーマに基づいて、タイトル・導入文・見出し、といった記事の骨格となる企画構成案を決める

4.専門的なリサーチを行い、企画構成案の執筆の実現可能を探る

5.企画構成案をクライアントに見てもらい、フィードバックを受ける

6.専門書や厚生労働省、大学病院等、信頼性が高い書籍やサイトを参照して執筆

7.執筆した後は1日寝かせて、翌日に再チェックする

私の場合、専門的な分野のライティングとなるので、

4.専門的なリサーチを行い、企画構成案の執筆の実現可能を探る

6.専門書や厚生労働省、大学病院等、信頼性が高い書籍やサイトを参照して執筆

に関して、かなり時間をかけています。

「4.専門的なリサーチを行い、企画構成案の執筆の実現可能を探る」の時点で、医学的な根拠を得られない場合は、そのテーマに関して執筆しないというルールを自分の中でも決めていました。

心地良い生活を実現するために。「いつか」ではなく「今」

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–最後に、心地良い生活を実現するためのアドバイスをお願いします。

私の場合は「生活の中に仕事やプライベートがある」という考え方だったので、理想の生活を決めて、その後に仕事等のことを考える順序でした。もちろんそれは人それぞれですよね。

その他に、私たちがこういった決断をしたのは「やりたいことは若いうちにやらないと」という気持ちがあったからだと思います。

2011年の大震災を受けて、いつまで生きているかの保証なんてどこにも無いなって。それであれば、定年退職後や老後じゃなく、「今やろう!」と考えるようになりました。

なので、「いつか」ではなく「今」やること、きっと大変なことはあるけれども、自分のやりたいことができていることの方が幸せだなと、私は思います。

 

「心地良い生活」とは生活の中で、仕事やプライベート等の時間のバランスが取れていることであると語ってくれたマーニーさん。理想の生活を最初に決めて、その後に仕事のことは考える等、その実行力と大胆さが非常に印象的でした。

今でも薬剤師とお仕事と一緒にライティングも行なっているそうです。ご興味のある方は、ぜひマーニーさんのプロフィールをご覧くださいね。