
AIの画像認識技術を使うと、どのようなことができるのでしょうか。今回の記事では、AIの画像認識技術における画像認識に関してをはじめ、活用事例や具体的な導入方法についても紹介していきます。
そもそもAIの画像認識技術とは?
AIの画像認識技術は、AIの発達に伴い、ビジネスシーンだけでなく日常シーンなどさまざまな分野で注目されています。では、そもそもAI画像認識技術とはどのようなものなのか解説します。
対象物を識別するパターン認識技術
画像認識技術とは、与えられた画像や動画から対象物を識別するというパターン認識技術のひとつです。画像認識自体の歴史は古く、1960年頃から研究が盛んになり、現在では個人向けのコンピューターやデジタルカメラ、スマートフォンなどにもその機能が活用されています。
AI画像認識においては、ディープラーニング技術の発展に伴い、認識の精度も上がってきています。2012年に行われた画像認識のコンペティションでは、それまでの正答率75%を大きく上回る正答率85%という結果を出しました。現在では95%以上と、その認識力は人間以上とも言われています。
市場規模は拡大すると予測されている
AI画像認識技術の国内市場は、2021年度までに551億円まで拡大するとされています(ミック経済研究所調べ)。市場成長の背景としては、労働力不足、異業種間での連携、AIのビジネス導入による横展開などが挙げられます。
AIの画像認識技術の仕組みとは
AI画像認識技術の仕組みとは一体どのようなものなのでしょうか。ここでは3つの観点で説明します。
まずは膨大な画像収集が必要
画像認識を行うには、まず膨大な画像収集が必要です。画像から対象物を抽出して、「それが何であるのか?」ということを認識させることが求められます。膨大な画像データと、それを表すラベルを学習することが画像認識として重要です。
画像収集のあとは画像処理して保存
十分な画像収集ができた後は、コンピューターが画像を認識しやすくするために「画像処理」を行います。具体的には、画像のノイズや歪みを取り除く、輪郭の強調、明るさの調整、画像から対象物の領域を切り出す(領域抽出)という作業です。
機械学習で対象物の認識精度が向上
機械学習(ディープラーニング)が登場してから、画像認識技術は進化し続けており、その正答率は95%以上で人間より優れているとも言われています。この技術は、物体検出や異常検知、医療の現場における診断において実務活用されています。
AIの画像認識サービスの事例
AIの画像認識は、製造業の現場では物体検出や異常検知、医療の現場では診断などで実際に活用されています。ここでは、AIの画像認識を使った具体的なサービスを紹介します。
顔認証によるセキュリティ対策
大規模なイベント、空港の入国審査でのセキュリティ対策として、顔認証の技術が導入されています。あらかじめ学習させておいた要注意人物や危険人物を検知することで、犯罪等を未然に防ぐシステムです。
ドローンの空撮撮影による施設の管理
目視で行っていた資材置き場や工事現場の管理・監視を、ドローンと画像認識技術を組み合わせて空撮をすることにより、施設の物体を自動で検知することが可能になっています。これにより、施設の維持管理業務を低コストで実現しています。
鳥獣の侵入の検知
一部の農場では、鳥獣等を検知するためにAI画像認識技術が導入されています。人間の動きには反応せず、農作物を荒らす鳥獣のみを検知するという仕組みです。
工場で不良品を判別
製造業の現場では、不良品を判別するためにAI画像認識技術が使われています。製造ラインの中で、規定を超えた物体、基準に満たない物体を瞬時に判別して取り除くという技術です。
医療現場での画像診断支援
医療現場でもAI画像認識技術が活用されています。専門医の経験に基づいて判断されていた病気の原因の特定に、ディープラーニングを取り入れることで医療現場に大きな変革をもたらしています。
画像内のテキストを翻訳
AI画像認識技術を使うことで、Webサイト内から「文字を含んだ画像」を認識して特定の言語への翻訳をしたり、翻訳した文字を元の画像と合成して置き換えることが可能になりました。日本国外へのアプローチに有効です。
SNSの画像による市場調査
AIを用いて消費者がソーシャルメディアに投稿した画像を解析します。自社製品が「どのような対象物と一緒に撮影されているか」「背景からどのような場所で撮影されたか」を把握することが可能です。これらは使用シーンの分析としてマーケティング施策に活かされています。
AI活用のトレンドや企業による活用事例はこちらの記事をご覧ください。
関連記事:ビジネスにおけるAI活用法とは?分野や企業での事例も合わせて紹介
AIの画像認識技術を導入する方法
AIの画像認識技術を導入するための方法を3つ紹介します。
画像認識サービスを利用する
多くの企業がAIを用いた画像認識サービスを提供しています。それぞれ特徴や得意とする分野、データの取り扱い方法などが異なるので、実際の活用事例などを確認しながら自社のニーズに合ったサービスを選択しましょう。
自作する
難易度は高いですが、自作するのもひとつの方法です。AIを作成する手順は大きく分けて「学習データの収集」「学習済みモデルの作成」「プログラミングを用いてサービスに組み込む」という3つステップに分かれます。「学習済みモデルを作る」というステップは、GoogleやAmazonが公開するAPI(汎用的なAI)を用いて行うことも可能です。いずれにしても専門的な知識が必要な手段です。
クラウドワークスで外注する
クラウドワークスを活用して外注することも可能です。クラウドワークスでは、画像認識技術や、AIの開発経験を持ったクラウドワーカーが登録されており、そこから自社のニーズに合わせて絞り込みによる検索も可能です。
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まとめ
AI画像認識技術の内容や、実際に用いられているサービス事例、導入方法について解説しました。画像認識を導入することによって、今まで人間の目で行っていたことが高精度、かつ低価格で実現できます。画像認識技術の導入を検討している方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。