今年創業49年を迎える総合包装資材メーカーの共同紙工株式会社。高い技術力が求められる農薬や医薬品用の包装資材を中心に開発・製造を手がけ、約半世紀もの間、業界を牽引してきました。
法人向けの包装資材業界で確実に成長を続ける同社が、なぜクラウドソーシングを利用したのか?その背景や、実際に使ってよかったメリットなどをお伺いしてきました。
高い技術を持つ、包装資材のリーディングカンパニー
-共同紙工について教えてください
包材資材のプロフェッショナル企業として、主に農薬・医薬品用の包装資材の製造を行っています。農薬・医薬品を安全に保管する包装資材には、食品などと比べ一層高い品質が求められます。
例えば、紙を二層に重ねて強度や機能性を高めた “2層紙角底袋”などは、弊社の技術力を活かした代表的な製品です。お客様は法人の方が中心となるので、一般にはあまり馴染みのない会社かもしれませんが、業界内では高い技術力を強みに、この分野を牽引するリーディングカンパニーとして成長しています。
ー一般ユーザー向けの商品も開発しているとお聞きしました。
法人向けの製品は安定的な需要があるんです。でも、それだけでは事業の拡大は望めません。加えて、会社としても色々なことに挑戦するカルチャーがあるため、一般消費者向けの製品も手がけるようになったんです。
そのきっかけは3.11の東日本大震災にもありました。私たちも何かできないかと考え、防災用品や消臭技術に優れた製品を手がけました。
例えば、活性炭を紙にコーティングする特許技術で作られた製品“黒蔵”。元々は農薬の強い臭いに対処するための技術でしたが、日常の暮らしの様々な臭い問題を解決する製品として、一般向けにも販売を開始し、注目を集めつつあります。
これからもこういったコンシューマー向け製品の開発を強化していこうと考えています。
事業の可能性を広げてくれるサービスに出逢えました。
-クラウドソーシングのクラウドワークスを活用したきっかけを教えてください
もともと簡単なデザインなら社内でもできるスタッフがいましたし、外部の契約デザイナーさんにも仕事を依頼していました。とはいえ、デザインデータは支給が前提となる法人向けの受注製品と異なり、一般ユーザー向けの商品は独自のデザイン力次第で売上も変わってきます。
現実的なコストでより良いデザインを作る方法を模索する中で、まずはクラウドソーシングを使ったデザインコンペで幅広いデザイン・アイデアを集めてみようと思ったのが最初のきっかけです。
クラウドワークスについては、最近流行っているサービスだという認識はありましたし、私自身が情報学部出身で新しいWebサービスには興味があったんですよね。弊社の代表も新しい提案でも柔軟に対応してくれるため、「クラウドワークスを使ってみよう」となりました。
-クラウドワークスを実際に使ってみていかがでしたか?
最初にクラウドワークスに登録したお仕事は、ワインクーラーバッグ※1のデザインでした。まず驚いたのは、応募していただいた作品の数ですね。「こんな来るのかっ!」とびっくりしました。
以前、特定の契約デザイナーさんにお願いをしていたときは、その方の得意なデザインをご提案いただくことが多かったのですが、クラウドワークスでは本当に幅広く、様々なアイディアをいただけたと思います。
さらにコストも安く抑えられたのでそこにも大きなメリットを感じました。
※1 水や氷を袋に直接いれて、ワインを冷やしながら持ち運べる製品。
-コンペで選ぶ時のポイントは何かありましたか?
たくさんご応募いただくので、毎回選ぶのが難しいのですが…前述のワインクーラーバッグのデザインコンペのとき、最終的に決まった作品には、「直接水や氷を袋に入れられる」というバッグの特徴を汲んでいただき、氷のイラストが描かれていました。
デザイン力はもちろん、こちらのコンセプトをうまく表現していただいたのは嬉しかったですね。素敵なだけじゃなく、依頼内容を理解していただけた上でのデザイン、というのが重要だと思います。
受注者の立場にたって、 丁寧なコミュニケーションを心がけています
-クラウドワークスを使用する上で何が大事だと思いますか?
クラウドソーシングに限りませんが、コミュニケーションが大切だと思います。私たちの企業のメイン製品である農薬・医薬品用の包装資材は基本的に受注生産。
お客様のご要望を受けて、それに基づき商品を製造していますので、普段は受注者の立場でもあるのですが、発注の仕方が曖昧だと、お仕事を受注する方も戸惑ってしまいますよね。
ですからクラウドソーシングでこちらが発注する際は、なるべく丁寧に添付資料やラフ画像なども付けて依頼しています。顔が見えないからこそ、デザイナーさんの気持ちやお人柄をなるべく考えて、丁寧なコミュニケーションを心がけるようにしていますね。
-今後はどのようにクラウドワークスを使っていきたいですか?
先日も弊社のキャラクター黒小蔵 (クロコゾウ)を使ったLINEスタンプのデザインをお願いしたのですが、クラウドワークスのおかげで今までデザインのスキルやリソースがネックで踏み切れなかったことにチャレンジできていると感じます。
これまではデザインコンペでの利用が中心でしたが、今後はアイディア募集やネーミングのコンペ、アンケート、いろいろな方法で利用していきたいですね。