イラスト制作を外注する際にはメールを使うことが多いですが、具体的にどのようなメールを作成すれば良いのでしょうか。今回は、イラスト依頼メールの書き方や記載すべき内容、メールフォーマット・例文などを紹介します。
目次
イラスト依頼のメールに記載すべき内容
まずは、依頼メールに記載すべき内容を紹介します。
イラストの用途や使用媒体、ターゲット
依頼メールには、制作してほしいイラストの用途(企業のPR、商品の認知度アップなど)や、使用媒体(会社案内パンフレット・ECサイトなど)を記載しましょう。
用途や使用媒体は依頼料金を左右する要素でもあるため、何の目的で・どのような場でイラストを使用したいのかを明記することが重要です。また、企業広告に掲載するイラストを依頼する場合などについては、イラストで表現したいイメージや企業のターゲット層を詳しく伝えておくことが効果的です。
イラストの枚数・サイズ・フォーマット
発注したいイラストの枚数やサイズ、フォーマット(ファイル形式)を明記することも重要です。
イラストのファイル形式(gif・jpeg・pngなど)によっては、小さいサイズを大きく引き伸ばすと画像が荒くなってしまう可能性があるため、依頼時に正確に伝えるようにしましょう。さらに、Illustrator(aiファイル)やPhotoshop(psdファイル)など、特定のデザインソフトのみで使用するファイル形式もあるため、注意が必要です。
SNSアイコン用のイラストを依頼する場合、それぞれのサイズの目安は以下のとおりです。なお、スマホ表示・PC表示によって適したサイズが変わります。
SNS名 | アイコンサイズの目安 | ファイル形式 |
Twitter(X) | 1500×1500px | gif・jpeg・pngなど |
320×320px | gif・jpeg・pngなど | |
196×196px | gif・jpeg・pngなど | |
TikTok | 20×20px以上 | gif・jpeg・pngなど |
Threads | 320×320px | gif・jpeg・pngなど |
背景透過の有無
背景透過とは、イラストの背景を透明に加工する作業のことです。イラストを他の背景画像と重ねる場合、透過していないと違和感のある仕上がりになってしまうため、イラスト制作とあわせて背景透過を依頼する必要があります。なお、場合によっては背景画像を重ねることが二次加工にあたるため、イラストの背景を加工して良いかどうかを事前に確認しておきましょう。
二次利用の有無
イラストの二次利用とは、依頼時に想定していた媒体以外でもイラストを利用することです。例えば、依頼時の使用媒体はポスターのみであったものの、後に企業HPでもイラストを利用することになった場合などが該当します。
各イラストには著作権があり、二次利用をする場合は「イラストを利用する権利を買う」必要があります。そのため、二次利用の可能性がある場合は事前に伝えるようにしましょう。イラストの二次利用(二次使用)でかかる料金や注意点については、以下のページで詳しく紹介しています。
関連記事:イラスト二次使用料の相場やリスクを解説!
希望納期
依頼メールの中でイラストの希望納期を明示することも必要です。具体的な日時を記載することで、受注可能な枚数やクオリティなどを依頼先に判断してもらいやすくなるためです。
また、イラストの作成には下書き・ラフ・着色などの工程があるため、各工程の仕上がりを確認したい場合はその旨も伝えておきましょう。
そのほか、絵師やイラストレーターのSNS・個人ブログを閲覧し、スケジュールの空き具合を確認する方法もあります。なかには、プロフィール欄などに「スケジュール調整可能です」「新規のお仕事は受注しておりません」など、予定が書かれていることもあります。SNSや個人ブログでポートフォリオを公開していれば、どんな実績や受賞歴があるか、得意なジャンルや絵のタッチなどを確認してから依頼可能です。
X(旧:Twitter)で絵師を探す方法や注意点は、以下のページを参考にしてください。
関連記事:Twitter(X)で絵師にイラストを依頼したい!相場金額や注意点は?
予算、支払い方法
依頼のメールには、予算(概算でも可)や依頼費用の支払い方法を明記しましょう。とくに、支払いの方法や期日については、詳細をきちんと記載しなかったために後日トラブルになるケースも見られるため注意が必要です。
イラスト依頼料金の相場や、依頼前に準備することについては、以下のページでまとめて紹介しています。
関連記事:イラスト外注時の相場は?発注時の準備や注意点などを解説
イラスト制作をアマチュアイラストレーターに依頼する方法もあります。詳細は、以下のページを参考にしてください。
イラストの依頼から納品までの流れ
イラストの依頼から納品までの流れは、以下のとおりです。
①イラスト依頼のメールを作成・送信する
②イラストレーターから返信があったら、ヒアリングの日程を決める
③依頼内容の打ち合わせを行い、見積もりを確認する
④依頼料金の折り合いがついたら、各工程のスケジュールを調整する
⑤ラフ画や下書きを作成してもらい、修正があるかどうかを確認する
⑥進捗具合を確認しつつ、完成品を期日までに納品してもらう
詳細については以下のページでまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
関連記事:イラスト依頼の流れとは?納品までの手順や注意点を詳しく解説
イラスト依頼メールのテンプレートと例文
続いて、依頼メールのテンプレート・例文をそれぞれ紹介します。
メールテンプレート
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件名:イラスト依頼のご相談
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【依頼概要】
※依頼メールの冒頭にはイラストの用途や使用媒体、二次利用の有無などといった要件を簡潔に記載し、詳細な依頼内容は以下に箇条書きでまとめます。
【依頼内容詳細】
・ターゲット層
・イラストの枚数、想定サイズ、フォーマット
・予算、支払い方法
・希望納期
【希望するイラストのイメージ】
・全身イラストか、バストアップか
・キャラクターの性別、年齢、性格
・髪型、髪の色、目の形、瞳の色
・表情、ポーズ、服装
・背景の有無
・背景透過の有無
※会社情報などを文末に記載します。
※イラストのサンプル(完成イメージなど)がある場合は添付します。
次項では、テンプレートを使った実際のメール例文を紹介します。
テンプレートを使った例文
ここでは、企業がイラスト制作を依頼する場合のテンプレートを紹介します。
個人的にイラスト制作を依頼する場合、SNSのDMで相談する場合も基本的に同じなので、文例上の情報を依頼したい内容に置き換えて、テンプレートを活用してみてください。
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件名:イラスト依頼のご相談
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お世話になります。
〇〇(会社名・所属部署名)の〇〇(氏名)と申します。
弊社HPの企業広告で利用するイラスト制作について、〇〇様(相手の会社名でも可)にご相談させていただきたく、ご連絡いたしました(イラストの完成イメージについては、添付ファイルをご参照くださいませ)。
お引き受けいただける場合、詳細をお打ち合わせにてお話ししたいため、〇〇様(担当者様でも可)のご都合の良い日程を2~3つほどご提示いただけますでしょうか。
イラストの二次利用は予定しておりませんが、場合によってはチラシ・パンフレットによる宣伝も視野に入れているため、その点もご相談させていただけますと幸いです。
以下、制作していただきたいイラストについてお伝えいたします。
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【依頼内容詳細】
・ターゲット層:花や植物に興味のある20~40代の女性
・イラストの枚数:3枚
・想定サイズ400×400px
・フォーマット:psdファイル
・予算:20~30万円
・支払い方法:銀行振込(当月の月末にお振込み致します)
・希望納期:◯月◯日~◯日
【希望するイラストのイメージ】
・全身のイラスト(6~7頭身程度)
・性別:女性
・年齢:30~40代
・性格:穏やかな印象
・髪型:清潔感のあるショートボブ
・髪の色:落ち着いたブラウン系
・目の形:微笑んでいる
・瞳の色:自然な色
・表情:にこやか
・ポーズ:接客・案内している様子
・服装:花屋の店員さんとわかる服装(エプロン着用など)
・背景:なし
・背景透過:あり
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お忙しいところ恐縮ですが、ご検討のほど宜しくお願い申し上げます。
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株式会社〇〇 総務部 氏名(ふりがな)
企業HPのURL
郵便番号:000-0000
TEL:000-0000-0000(直通)000-0000-000(代表)
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文例上の情報を依頼したい内容に置き換えて活用してみてください。
イラスト依頼メールのポイント
上記のフォーマット・例文を踏まえ、依頼メールを作成する際のポイントを紹介します。
用件がわかる件名にする
依頼メールの件名は、メールを開く・返信するタイミングに影響するため、簡潔に用件が伝わる件名にします。複数のメールが受信ボックスに届いている場合、件名がわかりやすいメールから優先的に対応する人も多いでしょう。
件名を空欄にしてメールを送付すると、迷惑メール扱いとなって依頼先に届かないケースもあるため注意が必要です。
また、印象が悪くなると受注してもらえない可能性があるため、イラストレーターから連絡があった場合は、なるべく早く(できれば2日以内を目安に)返信するようにしましょう。
自分の連絡先(ビジネスであれば社名など)を明記する
ビジネスマナーとして、依頼メールの末尾などに個人の連絡先を明記しましょう。依頼先からすると、事前に顧客情報(会社名・氏名・連絡先・公式HPなど)や、イラストの掲載を予定しているWebページのURLなどを把握できたほうが安心して受注できます。
依頼側の情報が記載されていない場合は、マナー違反や安全性などを理由に返信そのものを控えられるケースもあります。
希望する仕上がりイメージを伝える
依頼内容をメールで相談する段階で、希望するイラストの「完成イメージ」を伝えることが重要です。例えば、イラストのサンプルを添付してテイストを共有したり、自社の業種・利用シーンなどを知らせたりなど、イラストの具体的なイメージを伝えましょう。
テンプレートを使った例文のように、細かく指示して良いのか不安な方もいるかもしれませんが、イラストレーターはなるべく具体的な情報を求めています。イラストを描く側からすると、後から指示を追加されたり変更されたりすると作業に支障をきたす場合も多いため、依頼メールの段階で要望をきちんと伝えるようにしましょう。
くだけた表現は使用しない
依頼メールの文面で、くだけた表現(口語表現・丁寧語の省略など)の使用は控えましょう。お金のやりとりが発生するため、絵文字・顔文字・スラングなどを使った文章では印象が悪くなり、依頼内容に興味があっても、依頼元に不安があるという理由で断られるケースもあります。用件を簡潔に伝えることも重要ですが、正しい日本語で連絡を取り、相手に敬意を伝えることで信頼関係を築きやすくなります。
依頼したイラストを実績に含める許可を出す
多くのイラストレーターは、SNSや個人ブログなどのプロフィールへ過去に制作したイラストを掲載しています。「誰にどのようなイラストを制作したのか」という実績が多いほどイラストレーターとしての信用度が高まり、次の仕事をもらいやすくなるためです。
自分が依頼したイラストを実績として掲載することを許可すれば、イラストレーターにとっての営業資料(ポートフォリオ)を充実させることにつながるため、依頼を引き受けてもらいやすくなります。ただし、企業としてイラストを依頼する場合などは自己判断で許可をせず、イラスト依頼に関する責任者・関係者へ事前確認を行うようにしましょう。
イラスト制作を依頼できるサイトなどについては、以下のページでまとめています。
関連記事:イラスト依頼ができるサイト6選!
【テンプレート有】最短1分イラスト発注できる「クラウドワークス」
イラストを手早く依頼したいけれど、メールの文面を考えるのが面倒という場合には、「クラウドワークス」がおすすめです。
イラスト制作のスキルと実績を持つイラストレーター・デザイナーなどがたくさんいるだけでなく、依頼メールのフォーマットが用意されているため、スムーズに発注ができます。プロフィールを見れば相手の情報が詳細にわかるため、メールで長々と説明する必要がなく、気に入ったクリエイターに仕事を依頼できます。
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クラウドワークスでは、システム上で依頼・納品・支払という一連の流れが完結するため、メールでやり取りをして郵送やデータでイラストを納品してもらい、報酬を指定口座へ振り込む…という手間を省くことができます。
気に入った個人に仕事を依頼するほか、複数のイラストレーター・デザイナーからイラストを募集するコンペ形式も利用できるため、具体的なイラストイメージが固まっていない状態での発注も可能です。