ECサイトは近年ますます身近になり、その市場は右肩上がりで拡大しています。EC参入事業者も増加しているものの、自社サイトの売上が伸び悩み、日々その対策を考えあぐねている参入者は多いでしょう。ここでは、ECサイトの売上を伸ばすための考え方や、その方法について解説します。
目次
ECサイトの売上の考え方
まずは、ECサイトの売上の方程式について解説します。
ECサイトの売上の方程式
ECサイトの売上の方程式は、「売上=訪問数(アクセス数=集客)×購入率(コンバージョン率)×客単価」で求めることができます。
自社のサイト上で、
・何人訪れてくれたか=訪問数/アクセス数
・訪問者のうち、何人が購入してくれたか=購入率/コンバージョン率/転換率
・1人あたりいくら購入したか=客単価
を掛け合わせたものが、売上となります。
たとえば、自社サイトに1万人がアクセスして、100人が客単価1,000円で購入した場合、購入率は100/10,000=1%となり、売上は、10,000×100/10,000×1,000=100,000円となります。
アクセス数だけを重視してはいけない
上述のように、売上の構成が「アクセス数」「購入率」「客単価」の3要素だとわかると、なんとかアクセス数を増やせば売上が上がりそうだと考えがちです。しかし、アクセスしてくる人の中には、何度も訪問してくれているリピーター=優良顧客もいれば、たまたまこのサイトにたどり着いただけの新規客も含まれています。
このリピーターと新規客を比較すると、
・購入率:そのサイトや商品のファンであり、購入目的で訪れている可能性が高いリピーター>たまたまたどり着いた、あるいは興味本位で訪れた新規客
・誘引するための広告費:すでにサイトの存在と魅力を知っているリピーター<サイトの存在や魅力を伝え、誘引しなくてはならない新規客
となります。こう考えると、リピーターを育てないかぎり購入率はなかなか上がらず、いつまでも広告費用をかけて新規客の獲得をしなければならないことがわかります。
重要なのは購入率
上述の内容をまとめると、方程式の中で最も重要なのは「購入率」であり、この購入率を上げることが自社のECサイトの売上増に直結することが分かります。
リピーターの購入率が高いのは、自社サイトやそこで扱う商品に魅力を感じているから購入するのであって、「購入率=お店や商品の魅力」ということ。リピーターにとってはもちろんですが、新規客にいかに訪問してもらいその購入率を上げられるかは、この「魅力」を増大させることにかかっているのです。
売上目標を立てておくべき
この考え方がわかったうえで自社サイトの売上を上げるには、必ずゴールとなる「売上目標」を立てるようにしましょう。売上目標から逆算すると、集めなくてはならないアクセス数や購入率を逆算でき、そのために必要な手段や戦略を計画することができます。
ECサイトの流入経路は?
ECサイトの売上を上げるには、たくさんの新規客を誘引してリピーター化することが重要です。新規客を効率的に自社サイトに誘引するための流入経路には、以下のような手段があります。必要に応じて対策を打つようにしましょう。
オーガニック検索
GoogleやYahoo!などの検索エンジンから関連ワードを入力して表示された、広告枠ではないサイトへ訪問することを「オーガニック検索」といいます。この一覧の上位に表示されるようにして訪問されやすくすることは、SEO対策(サーチエンジン最適化)となります。
サイトに訪問させるためのSEO対策についてはこちらの記事をご覧ください。
関連記事:SEOでキーワードの検索順位を上げるには?選び方のコツを解説!
インターネット広告
GoogleやYahoo!のホーム画面を表示したときや、あらゆるサイト上に掲出されている広告を「インターネット広告」と呼びます。特にリスティング広告(キーワード連携型広告)は、ユーザーが検索したキーワードに関連した広告を表示する施策なので、購買意欲喚起と購買の後押しをする施策としてよく使われる手法です。
記事広告やリスティング広告についてはこちらの記事で詳しくまとめています。
関連記事:記事広告とは?メリットや効果を出すコツをわかりやすく解説!
関連記事:リスティング広告は効果ある?メリットとデメリットを解説!
他サイトからの流入
他サイトに自社サイトのバナーなどを貼り、自社サイトへ誘引する手法です。SNSからのリンクや、一般ユーザーの拡散によるリンクも含まれます。
直接参照
直接ECサイトの名称やURLを入力する方法です。リピーターがサイトをお気に入り登録をしていたり、検索履歴などから流入したりする場合も含まれます。
ECサイトの売上を伸ばすには
ECサイトの売上アップの手法として、上記以外にも以下の方法が挙げられます。
ユーザビリティを重視する
自社サイトのユーザビリティが良くなければ、購入率は上がりません。ユーザビリティとは「ユーザーが操作しやすい」「ユーザー目線で作られている」「ユーザーの目的が達成できる」サイトのことで、これらが良くなければ簡単に離脱してしまい、二度と訪れることはありません。情報の更新頻度が高い、レコメンド機能が充実、キャンペーンをよく行っているなど、ユーザーが購入しやすい環境づくりと対応を施すようにします。
実店舗での購入体験に近づける
ECサイトだけでなく実店舗がある場合は、ECサイトでも実店舗並みの購入体験ができるように配慮します。キャンペーンスタート日や販売方法の統一はもちろん、店舗が無い地域での無料の試着サービスなどの実施も効果的です。逆に、実店舗では行わないECサイトだけのスペシャルセールなども、サイト誘引へのきっかけになります。
売れ行き商品の在庫を確保する
売れ筋商品や定番の人気商品は、在庫切れが無いように常に用意をしておくようにします。予想外にメガヒットとなった商品が瞬間的に売り切れた場合は、それが話題となりさらなる見込み客を誘引することもありますが、その際も予約制にする、あるいは次回販売がいつ頃になりそうかのアナウンスを行うようにしましょう。
目標達成のための施策を実施する
ECサイトの恒常的な売上増を図るためには、常に目標に対してアクションを起こすことが重要です。そのためにも、何が良くて何が悪かったか、この施策で目標をどのくらい達成できたかなどのPDCAをきちんと回すことが重要です。
まとめ
ECサイトの売上増のためには、購入率を上げる、流入経路を充実させる、ユーザビリティの向上を図るなどの自社サイトへの誘引と、サイトおよび商品の魅力アップが必要です。効率的かつ恒常的に売上を上げるためには、どの指標に改善が必要なのかを分析して、PDCAをきちんと回していくようにしましょう。