マーケティング
公開日: 2019.12.26 / 最終更新日: 2020.11.11

営業アウトソーシングとは?費用やメリット・デメリットを徹底解説

営業は企業にとって売上の根幹をなす重要なポジションです。自社にはまだ優秀な営業マンがいない・育っていないという場合、営業そのものをアウトソーシングできることをご存知でしょうか?営業アウトソーシングとはそもそもどのようなサービスなのか、利用するにあたってどのような点がポイントなのかをまとめました。

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そもそもアウトソーシングとは?


営業アウトソーシングについて説明する前に、そもそもアウトソーシングとは何かおさらいしていきましょう。

アウトソーシングの特徴

アウトソーシングとは、業務を外部の企業や人材に委託することを指します。アウトソーシングのよくある事例としては、ロジスティクスやシステム開発が挙げられます。自社にリソースのない専門性の高い業務などを委託するケースや、社員でなくても対応可能なノンコア業務を委託するケースが多くなります。アウトソーシングには、自社にはない専門技術や知識を取り入れられる、社員がコア業務に集中できるなどのメリットがあります。

インハウス(社内)の特徴

アウトソーシングの反対となる「インハウス」は、社内で完結できる業務のことをさします。新たな業務が発生した場合には人員配置や業務兼任、あるいは新たな人材獲得によって調整します。インハウスはこのようなコントロールがしやすい点や、アウトソーシングと比べて経費を安く抑えられる点がメリットです。

営業アウトソーシングとは?費用は?


具体的に営業アウトソーシングの概要や費用などを紹介します。

営業活動や販売活動を外注するサービス

営業活動が会社の売上を決める重要なポジションであることはご存じのとおりです。しかし、起業してから間もない場合などは営業活動に時間をかけることができない、あるいは従来の営業活動では手が届かない顧客がいるなど、企業によってさまざまな事情があるものです。このような営業活動や販売活動を外注することによって、企業の売上を高めるサービスが「営業アウトソーシング」です。

営業アウトソーシングの費用相場

営業アウトソーシングを依頼する場合、どのくらいの経費がかかるのでしょうか。多くの場合、固定報酬型、成果報酬型、複合型のいずれかに該当します。

固定報酬型は一定の月額料金を支払うパターンで、1人あたり50~60万円(日当2.5~3万円)が相場です。成果報酬型は実績に応じて報酬が支払われるシステムで、売上の30~50%が報酬として支払われることになります。そして、複合型は固定報酬型と成果報酬型を合わせた料金システムとなり、月額25~30万円の固定報酬に成果報酬が上乗せされるしくみです。

委託する側からすると、できるだけリスクの少ない成果報酬型を選びたいと考えるかもしれませんが、外注業者によっては固定報酬型もしくは複合型しか選択できない場合もあります。委託できる業務内容も業者によって異なりますので、条件に加えて内容も吟味した上で業者を選択することが重要です。

営業アウトソーシングのメリット


営業アウトソーシングを利用することで得られるメリットは大きく3つあります。

コスト削減ができる

アウトソーシングを活用する最大のメリットはコスト削減です。営業職員を一人雇い入れるよりも、アウトソーシングしたほうが育成費用などを含めると低コストで済む場合がほとんどです。さらに、帳簿上では固定費ではなく変動費として計算ができる点も大きなメリットです。

プロの力を借りられる

営業アウトソーシングは、営業活動のプロフェッショナルに依頼ができるという点も大きなメリットです。営業とひと口に言ってもさまざまな業種の営業活動がありますので、あらゆる業種の営業ノウハウがあるというのは、利用する側からみれば大きなアドバンテージとなるはずです。このような豊富なノウハウを身近で知れることに加え、今までとは違う視点でのアドバイスが得られる可能性も高くなります。

時間の節約につながる

スピーディな結果が求められる時にアウトソーシングは向いています。通常の人員増加をする場合、採用にかかる時間や教育の時間が必要になります。しかし、営業アウトソーシングを活用することで、短期間で高スキルな人材を活用できるのもメリットです。

また、一部の営業活動の代行はクラウドソーシングで個人に依頼することができます。出社が必要ない場合、居住地は関係なくなるため全国の登録者から選べるうえ、事前にプロフィールやスキルを確認することも可能です。依頼する期間なども相談して自由に決められるため、融通が利きやすい点もメリットです。

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営業アウトソーシングのデメリット

高額な商品のほうが向く

上でも紹介しましたが、営業アウトソーシングは大きく分けると固定報酬型と成果報酬型の2つです。商品単価が安い場合、当然ですが売上を上げるためには多くの成約数が必要になります。そのため、固定報酬型の場合は成約数が不足すると会社側が赤字になる可能性がありますし、成果報酬型の場合も営業側が赤字になる可能性が高くなります。このようなリスクがあると双方のメリットも少ないので、高額な商品のほうがアウトソーシングがしやすいと言えます。

すべての活動の管理は不可能

アウトソーシングをすると、基本的な管理は委託した業者が行うことになります。会社側に対してある程度の報告は行われますが、すべての活動の管理は事実上不可能です。また、成果報酬型の場合、結果を出すために多少強引な営業になることがあり、それが後々でクレームにつながってしまうリスクもあるようです。

情報流出のリスクがある

アウトソーシングでは守秘義務契約を結ぶのが通常ですが、契約を結んだからといってもすべての情報が守られるわけではありません。知らない間にライバル企業に流出してしまうリスクは考えられます。秘匿価値の高い情報を含んだ商材などは、アウトソーシングするかどうかを慎重に考える必要があるでしょう。

営業アウトソーシングと営業派遣の違い


営業アウトソーシングと似ているものに営業派遣が挙げられます。この2つにはどのような違いがあるのかご存じですか?

この2つが大きく異なる点はマネジメント部分です。営業アウトソーシングではマネジメントは外注企業が行うことになるため、依頼した企業は直接営業担当者に干渉することができません。一方、営業派遣では企業が希望する人材を派遣してもらうことになるので、マネジメントを行うのは受け入れた企業側になります。

そのため、結果を最優先で求めたい場合は営業のプロフェッショナルである企業にアウトソーシングすることが適当ですし、自社のノウハウを使ってマネジメントしながら進めていきたいならば営業派遣のほうが良いと言えるでしょう。

まとめ

営業アウトソーシングはコスト削減やプロの力を借りられるというメリットが挙げられますが、その一方で情報漏洩のリスクやマネジメントの限界というデメリットも抱えています。自社の商材や体制などを踏まえた上で、営業アウトソーシングを利用するかどうかを検討しましょう。

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伊藤孝介
セールスプロモーション会社を経て独立し、フリーランスで地方自治体や中小企業のマーケティングリサーチ、販促企画などに携わる。 業務拡大のため2017年に合同会社を設立し、現在経営中。 マーケティング系ライター歴5年。マーケティング用語の解説や、事例紹介、WEBマーケティングなどが得意。

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