今回は、Microsoftのソフトウェアである「GitHub」の料金プランやGitHubの主要機能、無料版と有料版の違い、GitHubを使ってできること、GitHubを活用する際に必要なスキルなどを紹介します。※記事内で紹介しているGitHubの料金は、すべて2023年1月時点のものです。
目次
GitHubに関する最新情報は?
はじめに、GitHubに関する最新情報を紹介します。
①メタバースやXR(クロスリアリティ)技術などの三次元モーションの研究開発を手がける「株式会社バンダイナムコ研究所」が、3DモーションデータセットをGitHubで無料公開しました。
②GitHub公式が、AI技術を活用してコーディングをサポートする機能の「GitHub Copilot」を一般公開しました。月額10ドル、あるいは年額100ドルのサブスクリプションで、60日間の試用期間があります。
③大学の授業や教材で幅広く利用されている「Studio Lab」が、Studio Labですぐに学べるように「Open in Studio Labボタン」をGitHubリポジトリに追加しました。
GitHubの料金プラン
GitHubは無料版・有料版によって利用できるサービスが異なりました。しかし、有料プランのみ利用できた機能が、2020年4月14日から無料プランでも利用可能となっています。
2023年1月時点の料金プランは、以下のとおりです。
【Freeプラン/無料】
内容:無制限のパブリックリポジトリ、プライベートリポジトリなど
GitHub Actionsの利用時間:1カ月あたり2,000分まで
GitHub Packagesの容量:1カ月あたり500MBまで
【Teamプラン/月額4ドル】
内容:Freeプランに含まれる全機能+コードオーナーなどの機能
GitHub Actionsの利用時間:1カ月あたり3,000分まで
GitHub Packagesの容量:1カ月あたり2GBまで
【Enterpriseプラン/月額21ドル】
・Teamプランに含まれる全機能+高度な監査機能など
・GitHub Actionsの利用時間:1カ月あたり50,000分まで
・GitHub Packagesの容量:1カ月あたり50GBまで
GitHubの主要機能(共通)
ここでは、GitHubの主要機能(無料版・有料版で共通する機能)をいくつか紹介します。
①コード管理
GitHubでファイルを保存する場合、全プランでパブリックリポジトリ(公開型)とプライベートリポジトリ(非公開型)を無制限で利用可能です。もともとプライベートリポジトリは有料でしたが、2023年1月現在では無料プランのユーザーでも利用できます。
②コードワークフロー
以下のように、ワークフロー関連の機能は全プランで利用可能です。ただし、プランによって容量などが異なり、無料プランではパブリックリポジトリに限定される機能もあります。
・GitHub Codespaces
・GitHub Actions
・GitHub Packages
・コードレビュー
・Pull requests
・保護されたブランチ
・コード所有者
・Pull requestのドラフト作成
・複数人にPull requestをアサイン
・複数人にPull requestのレビューをアサイン
・リポジトリインサイト
・定期リマインダー
・コードレビューアサインの自動化
③コラボレーション
コラボレーション関連の機能は、全プランで利用可能です。ただし、無料プランの場合はパブリックリポジトリに限定される機能もあります。
・パブリックリポジトリのコラボレータ
・プライベートリポジトリのコラボレータ
・Issues
・プロジェクトテーブル、プロジェクトボード
・マイルストーン
・チームディスカッション
・Organizationとチームの管理
・GitHub PagesとWiki
・Issueを複数人にアサイン
④セキュリティとコンプライアンス
セキュリティとコンプライアンス関連の機能は、無料プランの場合はパブリックリポジトリに限定される機能もあります。また、Enterpriseプラン(企業向けのプラン)のみ、「GitHub Advanced Security」で利用可能な機能もあります。
・GitHub Code Scanning
・シークレットスキャン
・依存関係のレビュー
・Dependabotアラート
・Dependabotセキュリティアップデート
・Dependabotバージョンアップデート
・必須レビュー
・必須ステータスチェック
・GitHub Security Advisories
・ロールベースのアクセス制限
・2要素認証の強制
・監査ログ
⑤サポートなど
GitHubコミュニティによるサポートは、いずれの料金プランでも受けることが可能です。有料プランではGitHubのサポートチームによる対応も受けられます(無料版・有料版でのサポートの違いについては、この後に紹介しています)。
GitHubが注目される理由
GitHubが注目される主な理由として、無料でプライベートリポジトリが利用可能になったことが挙げられます。これにより、他ユーザーから閲覧されないように別ファイルへ作業データを移行する必要がなくなり、効率的に作業できるようになりました。
また、GitHubはユーザー同士がオンライン上でコミュニケーションをとれる場としても活用されています。プログラマ・エンジニアとしての知見や経験、有益な情報などを共有できるほか、作業中の疑問点などを聞くこともできます。
GitHubの無料版と有料版の違い
GitHubの料金プランによっては、パブリックリポジトリのみに制限される機能があります。また、Enterpriseプランのみ利用できる機能もあるので、無料版と有料版の違いを事前に確認しておきましょう。
セキュリティ、コンプライアンス
セキュリティとコンプライアンス関連では、以下のように「Enterpriseプラン」のみ利用できる機能があります。
【監査ログAPI】
・監査ログのデータのコピーを保持することにより、IPを安全に保護し、組織のコンプライアンスを維持する機能
【GitHubコネクト】
・GitHub Enterprise ServerインスタンスとGitHub Enterprise Cloudの間で、機能やワークフローを共有できる機能
【SAMLによるSSO(シングルサインオン)】
・IDプロバイダを使用し、GitHubのユーザーやアプリのIDを管理する機能
【LDAP】
・既存アカウントでGitHub Enterprise Serverにアクセスし、リポジトリへのアクセスを一元管理できる機能
【IP許可リスト】
・許可された通知(既知のIPアドレスのみ)にアクセスを制限する機能
サポート、 その他の機能
無料プランでもサポートを受けられますが、有料プランの場合はスタンダードサポート(GitHubのサポートチームによるメール対応)を利用できます。
また、Enterpriseプランのみ購入できる「プレミアムサポート」もあり、主なサポート内容は以下のとおりです。
【プレミアムサポート】
・30分間のSLA(サービス品質保証)
・24時間365日のWebサポート、電話サポート
※メールや電話、Web上からの問い合わせなどのサポートは、基本的に英語です。Enterpriseプランのみ購入可能な「プレミアムサポートプラス」というサポートの場合は、メールや電話、Web上から問い合わせをを行うと、日本語を話せる担当者が対応してくれます。
GitHubにできること
GitHubを利用すると開発環境を自動で構築できるため、開発に向けての準備やチーム体制を構築する際のコミュニケーションコストを抑えられることがメリットです。また、コードを書いたときにセキュリティ対策が同時に施されるため、より安全な開発環境で作業を進められます。何らかのエラーやシステムトラブルが起きた場合は、開発したシステムの脆弱性を検知してくれる機能もあります。
GitHubの機能や導入事例について、さらに詳しい情報は以下の記事にまとめてあります。
関連記事:GitHubとは?概要や機能、使い方などを徹底解説
GitHubに必要なスキル
GitHubの無料プランは、有料プランと比べると容量やスペックの制限があります。しかし、プログラマ・エンジニアなどの経験があるユーザーの場合、ユーザーのスキル次第では無料プランでも十分に活用できるため、あえて無料プランを利用して運用コストを抑えているケースもあります。ここでは、GitHubを活用するために必要なスキルを紹介します。
プログラミングスキル
プログラミングスキルは、GitHubを活用するために必要なスキルのひとつです。コーディングの技術や扱える言語の種類、言語ごとの理解度によっては無料プランでも有効活用できるでしょう。とくに、システムに何らかの実行を命令する「Gitコマンド」を理解していると、GitHubを効果的に運用・管理できます。
マネジメントスキル
開発プロジェクトなどにおいては、管理者のマネジメントスキルが重要になります。優れたチームメンバーが揃っていても、メンバー1人ひとりが勝手に動いてしまってはプロジェクトを達成できません。プロジェクトの目的や納期を共有し、進捗管理や品質チェックをするなど、チームメンバーを管理する能力があればGitHubをより有効活用できるでしょう。
コミュニケーションスキル
GitHubを活用すると、プロジェクトの管理やチーム開発を効率的に進められます。しかし、円滑なコミュニケーションがとれない場合は、GitHubのような利便性の高いツールを活かしきれないこともあります。メンバー同士で協力して作業すればプロジェクトなどをより遂行しやすいため、GitHubを活用するためにはコミュニケーションスキルも重要です。
GitHubのスキルを活かすならクラウドワークス
GitHub関連の仕事を受注・発注したい場合、クラウドソーシングサービス(※)を利用する方法がおすすめです。なかでも業界最大手の「クラウドワークス」は登録ワーカー数が480万人を超えており、システムエンジニアやプログラマが多数登録しています。
仕事を受注したい場合、自身のプロフィール情報(GitHubに関する実績や得意分野、使用可能なツールやプログラミング言語、目安料金)を記入して発注者(企業や個人)からのスカウトを待ったり、公募されている案件に応募することができます。
仕事を発注したい場合、案件の詳細(必要とするスキル・報酬額・納期など)を掲載してエンジニアからの応募を募ったり、条件に合うエンジニアをスカウトして仕事を依頼したりすることが可能です。
クラウドワークスで実際に発注されているGitHub関連の仕事・職種には以下のようなものがあり、いずれも受注者・発注者がスムーズにマッチングしています。
・GitHubに関するリモート講義を行う講師:時給1,500~2,000円
・GitHubを使って開発・管理されているシステムの運用保守エンジニア:時給2,000〜3,000円(長期希望)
・GitHubでフリマアプリを開発できるエンジニア:月額80~150万円
▶クラウドワークスで発注されているGitHub関連の仕事・案件の一覧を見てみる
受注者・発注者とも登録や案件の閲覧は無料なので、まずは情報収集から始めてみるのも良いかもしれません。
▶クラウドワークスの使い方や事例、発注相場がわかる資料をダウンロードする
(※)クラウドソーシングサービスとは、仕事を外注したい人・受注したい人をインターネット上でマッチングするサービスのこと
まとめ
GitHubは、2020年4月から主な機能を無料で提供しており、プライベートリポジトリも無料で利用できるようになりました。GitHubの有料プランは容量やスペックの面で優れていますが、無料プランでも十分に活用できるでしょう。そのため、GitHubの無料プランをまずは利用してみて、必要な機能が有料プランに含まれる場合は、有料プランへのアップグレードを検討してはいかがでしょうか。