今回は、C言語について紹介します。C言語の特徴や学ぶメリット、C言語で実現できることなどを初心者にもわかりやすく説明しているため、入門編としてぜひ参考にしてください。
目次
C言語とは
C言語は、1972年にアメリカで開発されたプログラミング言語です。プログラミング言語の基礎・基幹といわれており、C++やC#などといった言語の元にもなっています。人間が理解しやすい構文を用いた「高水準言語(高級言語)」と、機械への命令を直接的に記述する「低水準言語(低級言語)」の特性をあわせ持つため、汎用性の高い開発を実現することができます。
C言語のさらに詳しい特徴については、次の項で紹介します。
C言語の主な特徴
C言語の持つ主な特徴を4つピックアップして紹介します。
手続き型言語である
手続き型言語とは、プログラムを手順(手続き)単位で記述する言語のことです。手続き型言語では原則として「各手順を記述する順序=処理する順序」であることから、プログラム構成のイメージがしやすいというメリットがあります。
処理速度が速い
C言語は手続き型言語であるとともに、コンパイル型言語(コンパイラ言語)でもあります。コンパイル型言語は一般的に処理速度が速く、その中でもC言語は特にスピーディーに実行できるとされています。
環境を選ばない
C言語は、さまざまなOSで動作が可能なマルチプラットフォーム対応の言語です。そのため、開発・テスト・実装などを行う環境が制限されにくく、汎用性が高い点が特徴です。
ソフトウェア・スマホアプリ・IoT・AIなどの開発にくわえ、開発や組み込みの制約が厳しい分野(ロボットの制御、宇宙技術の開発など)にもC言語が用いられているのは、環境を選びにくいという強みを生かした結果といえるでしょう。
仕事・案件数が多い
C言語はさまざまな分野で使われていることから、仕事数・案件数が多い点も特徴です。ごく小規模な開発・改修依頼から大規模なプロジェクトまで案件の規模も幅広く、必要となる役割やポジションも多岐にわたります(テスト担当・コーディング担当・要件定義担当・プロジェクトマネージャーなど)。
そのため、C言語を習得しておけば仕事を得られる確率も高くなります(C言語の習得方法や適正などについては後半で解説します)。
C言語とC++、Javaの違い
C言語は初期に開発されたプログラミング言語であるため、活用事例や資料、学習書籍などが他の言語より豊富です。技術者の数も多く、学習する際のサポート体制も整っています。さらに、JavaやC++などのプログラム言語はC言語をベースに開発されており、C言語を習得できれば他のプログラミング言語が理解しやすくなるともいわれます。
一方、JavaやC++では自動で行える処理も、C言語では手動でコーディングする必要があります。また、C言語は汎用性の高い言語であることから、要件定義やプログラム設計を行う際には案件に応じた幅広い知識が必要となります。
C言語でできることとその具体例
①OS(オペレーティングシステム)の構築、メモリ確保
処理速度が速く、さまざまな環境での動作が可能なC言語は、OS(オペレーティングシステム)の開発やメモリの動的確保に使われています。
C言語によって開発されたOSとして、WindowsOS・MacOS・Linuxなどが挙げられ、組み込み系のOS開発にも役立てられています。
②IoTやAI、ロボットの開発
IoTやAI、ロボット開発の分野にもC言語が使われています。高速で実行できるC言語は、容量が少ない端末へ組み込む必要があるエッジAIの開発や、ハードウェアの制約が大きいIoT機器の開発などにも適しています。
また、C言語は制御系のプログラムにも適しているため、シチュエーションごとに行動をコントロールする必要があるロボットの開発にも活用されています。
③基幹系システムやソフトウェアの開発
プログラミング言語としての歴史が長いC言語には、多様な実績やケーススタディがあります。さらに、技術者の人数も多いことから、万が一の障害や不測の事態にも備えやすいという強みがあり、基幹系のシステムやソフトウェアの開発に多く使われています。
C言語の習得に向いている人
他のプログラミング言語とは異なる特徴を持つC言語(「C言語とC++、Javaの違い」参照)には、習得の向き・不向きがあるとされます。
ここでは、C言語の習得に向いている人の特徴を紹介します。
プログラミングの基礎・基本を学びたい人
C言語はプログラミング言語の基礎ともいわれており、C言語から派生した言語も数多くあります。そのため、プログラミング言語の基礎をきちんと学びたいと考えている人はC言語から学習を始めるのが良いでしょう。
他の言語では自動で実行できてもC言語ではコーディングが必要な処理などもあるため、習得がやや難しい面もありますが、その分プログラミング言語に対する理解を深めることができます。
IoTやAIの開発で活躍したい人
IoTやAIは今後ますます需要が伸びるジャンルと考えられます。IoT・AI関連の案件が多く、技術者も引き続き必要とされるC言語は、IoTやAIの開発に携わりたい人に適した言語といえるでしょう。C言語の習得とあわせてハードウェアや人工知能に関する知識も得ておくと、より仕事の幅が広がります。
C言語の習得に向いていない人
続いて、C言語の習得にあまり向いていないと思われる人の特徴を紹介します。
個人で開発をやっていきたい人
個人でアプリの開発やプログラミングの仕事を請け負っていきたいという人には、C言語はそれほどおすすめできません。
C言語は他の言語と比べてコーディングの分量が多く、アプリや機能の開発ができるスキルを習得するにも比較的時間がかかる傾向にあります。
また、個人で仕事を請け負うには自分でプログラムを設計しなければならないケースもあります。C言語の特性をきちんと把握してパフォーマンスの良いプログラムを設計するのは、ある程度の上級者でないと難しいかもしれません。
これらの点から、個人で開発をやっていきたい人はC言語以外の言語を選択した方がスムーズでしょう。
Web系の開発に携わりたい人
Web系の開発案件で主に使われるのは、RubyやPHPなどのスクリプト言語です。コンパイル型言語の中ではJavaが多く、C言語が使われる頻度はそれほど高くありません。
そのため、Web系の開発に取り組みたいのであれば、C言語よりもスクリプト言語やJavaなどを習得するのが近道といえるでしょう。
C言語が選ばれる理由や学ぶメリット
人や用途による向き・不向きはあれど、C言語は長い間使われ続けてきたプログラミング言語です。ここでは、C言語を選んで習得する理由や、C言語を学ぶメリットなどを紹介します。
他の言語が学びやすくなる
C言語は初期に開発されたプログラミング言語であり、他の言語の基幹ともいえる言語です。また、やや学習難易度が高いという側面もあることから、C言語を習得しておけば他のプログラミング言語が学びやすくなるといわれています。
プログラミングの概念を理解するにも適しており、最初に学ぶプログラミング言語として多くの人に選ばれています。
学習に役立つ情報やサンプルが多い
C言語は技術者の数が多いため、学習に役立つ書籍やWebサイト、プログラムソースのサンプル、開発事例などが豊富です。プログラミング言語を学習する際は、理論や構造を学ぶだけでなくサンプルや事例をあわせて参照すると理解が深まるため、情報量の多さは大きなメリットといえるでしょう。
C言語が難しいと言われる理由や学ぶデメリット
では、C言語が難しいと言われる理由や、学ぶ際のデメリットはどのようなところにあるのでしょうか?2点ピックアップして紹介します。
記述するコードが長く複雑である
C言語はプログラミング言語のなかでもコードが長く複雑な言語といえます。1つの処理に対して記述すべきコードが長いうえ、他の言語では自動で実施される処理に対してもコーディングを行う必要があるため、コードが複雑になりやすい点がデメリットです。
コードが長く複雑になるということは、エラーやバグの発生リスクが高まるということでもあるため、注意が必要です。
エラーやバグの発見・解析が難しい
コードが長く複雑なC言語のプログラムではエラーやバグが多発しやすいことにくわえ、発生したエラー・バグの発見や解析が難しいという問題もあります。
ようやく原因を突き止めても、長いコードを齟齬なく改修するために多くの工数を必要とするケースもあるため、扱いにくい言語と感じる人も多いようです。
C言語の習得方法
独学による習得が難しいともいわれるC言語には、何通りかの学習方法があります。以下で紹介する方法のなかから自分に合った方法を選ぶことはもちろん、複数の方法を組み合わせることも効果的です。
スクール
C言語はプログラミング言語としての歴史が長く、幅広い分野の開発に使われていることから、扱っているスクールが多く、生徒も一定数います。スクールに入ればカリキュラムが組まれており、テキストも用意されているため、計画的にC言語を習得したい人や、情報交換をしながら学びたい人に向いています。
書籍・Webサイト
C言語の概要や理論を学んだり、開発事例を参照したりするには書籍や学習サイトも便利です。どちらも必要な情報がまとまっており、高額な料金を払わず学習を進めたい際に適しています。書籍のみだと実践面が不十分になりやすいため、実際にプログラムを動かせる学習サイトとの併用もおすすめです。
専用キット
教材のDVDや冊子と、実際にプログラミングによって動かせる基板がセットになったキットを使ってC言語を学ぶこともできます。子どもやプログラミング初心者向けのやさしいものから中級者以上向けの本格的なものまで自分のレベルに合ったキットを選べる点、ゲームのような感覚でC言語を学べる点などがメリットです。
C言語のスキルを活かすなら「クラウドワークス」
C言語のスキルを活かせる仕事を探したい場合、クラウドソーシングが便利です。なかでも日本最大級の「クラウドワークス」には、C言語のレベルや経験に応じた案件があり、自分に合った仕事を選んで応募することができます。
C言語の初心者であれば、まずは仕事の勘をつかむために難易度の低い・納期の長い仕事を選ぶと良いでしょう。C言語の中級者・上級者は、現在のスキルをさらに磨きつつ経験を積めるような仕事や高単価の仕事に挑戦してみるのもおすすめです。
【クラウドワークスで発注されたC言語関連の仕事の例】
・簡単なテスト(シナリオあり)の代行:所要時間1~2時間程度、報酬10,000~20,000円
・計算系のプログラム作成:時間単価2,000円
・ECサイト用BOTの作成:報酬20,000~50,000円(納期に応じて)
・エンジニア向けC言語セミナーの講師:時間単価2,000~3,000円
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まとめ
C言語は初期に開発されたプログラミング言語であり、汎用性の高さや環境を選ばず使える点などが長所といえます。さまざまな開発に用いられており、仕事数・案件数も多いため、習得しておくと有利でしょう。
自分に合った学習方法選び・仕事選びにつながるよう、まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。