業務効率化
公開日: 2019.11.08 / 最終更新日: 2024.01.11

【BPO事業とは】意味やメリット、事業者選びのポイントを解説

BPO事業のサービスを活用する企業は増加しています。BPOという単語は耳にするものの詳細は分からない方や、概要は知っているものの効果や導入のメリットまでは分からない方などに向けて、BPO事業に関する基礎情報と、事業者を選ぶポイントなどを紹介します。

そもそもBPOとはなにか?


まずはBPOの基本的な情報について確認しましょう。

業務プロセスを外部企業に委託すること

BPOとは「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」の頭文字をとった略語です。BPOとは何かを簡単に言えば、自社の業務を外部企業に委託すること。BPOが一般的な業務委託と異なる部分は、自社のリソースが不足している一部の業務のみを委託するのではなく、企画・立案からオペレーションまでの事業全体をトータルで依頼するところです。トータルで委託することで業務プロセスを最適化し、効率的な運営を図ります。

BPOを活用できる業務

BPOを実際に活用できる業務は実にさまざまです。たとえば、イメージしやすいのはコールセンターです。顧客からの問い合わせをそのままコールセンター業務としてBPO活用してしまえば、自社におけるコールセンターの運営自体を切り離すことができます。ほかにも、IT系、事務系、デザイン系などもBPOを活用できる業務です。

BPOなどのアウトソーシングの効果とメリット


BPOを活用することでどのような効果やメリットがあるのでしょうか。代表的な3つを紹介します。

コア業務に集中できる

業務を切り出してアウトソーシングすることで、それまで経営資源や人材を割り当てていたノンコア業務をまるごと外部化でき、社員にしかできないコア業務に貴重な人材を集中させることができます。コア業務に集中することで市場での競争力を高め、事業拡大や業績の向上を図ることも可能です。

コスト削減

BPO事業者は、同様の業務をさまざまな企業から請け負うことで経営を行っています。それによって、事業者側にはスケールメリットが生まれます。企業側は当然、BPO事業者に委託をすることで委託費用が発生するものの、全体的に見れば固定費の削減につなげることが可能です。自社で業務を抱えると、倉庫や事業スペース、人件費などの固定費は避けられません。そのため、効率よく運営しているBPOを活用したほうがコスト削減には効果的です。

業務効率化

新たに発生した業務のオペレーションを行ったり、マニュアルを作成したりするのは多大な労力がかかります。それに伴い、自社の社員も教育しなければなりません。さらに、既存事業にも大きな影響を与えるかもしれません。専門業者に任せることで、業務効率化に至るまでの煩雑なプロセスを簡略化することができます。

BPOサービスの導入事例や事業者の選定基準はこちらの記事で紹介しています。
関連記事:BPOサービスを導入するには?信頼できる事業者の選び方と活用事例

BPO事業を活用するかどうかの判断基準


事業をこのまま自社内で抱えたほうが良いのか、BPOの事業者を活用するほうが良いのか。この選択は企業にとって難しい部分ですが、このような判断に困った時の基準を紹介します。

雑務、ルーティン作業

社員ではなくても対応可能な業務、たとえば雑務やルーティン作業などはBPO対応しやすい案件です。社員でなければできないかどうかを判断基準にしましょう。

退職などで人がなかなか定着しない

人材が不足しがちな部署では、常に人材採用を行っている状況というのも珍しくありません。人材採用には大きなコストがかかるので、BPOを活用してしまったほうが、トータルで考えたときにコストを抑えられることもあります。

時期によって業務量が変動する

時期によって、繁忙期だったり閑散期だったりと変化が伴う業務かどうかも判断基準です。業務量が変動するということは、その業務に人材を固定してしまうと閑散期にはコスト過多になり、逆に繁忙期には人手不足に陥ってしまいます。そのため、このように業務量の変動がある場合も、業務量に応じたコストで対応可能なBPOが適しています。

土日や深夜にも作業が発生する

土日や深夜の業務はコストが増大するほか、社員の不満や労務リスクにもつながりかねません。こうしたリスクを回避したいケースにおいても、BPOの活用を検討すると良いでしょう。

BPOサービス企業を選ぶポイント


BPOサービスはたくさん存在しますが、事業の選択肢だけでなく企業自体の選択肢もあります。その中から自社に合ったBPO事業者を選択するポイントとは一体何でしょうか。

業務実績や専門性の高さ

事業者を選択するときにもっとも確認するべき点は、業務実績についてです。また、特定の分野に対する専門性が高い事業者のほうが、総合的にあらゆる業務を対応している事業者よりもノウハウや経験が豊富、という傾向があります。

セキュリティの高さ

外部委託する際の懸念事項のひとつに、リスク面が挙げられます。どの企業においても特に心配な部分は機密情報漏洩でしょう。セキュリティポリシーを持っているかどうかも判断基準のひとつにしてください。

企業規模

業務を受けられるかどうかは事業者の企業規模によります。企業規模が大きければ、資金面や人材確保を含めて、それだけ大きな案件を受けるキャパシティもあるということ。ぜひ企業規模もチェックしておきましょう。

サービスの利用価格

その企業が得意としている業務内容と領域によって、サービスの利用料金は変化します。実際に依頼する事業者を決定する前に、複数の見積もりを取って十分な比較・検討を行うようにしましょう。

BPO事業とクラウドソーシングの違い


BPO以外のアウトソーシングとして、クラウドソーシングがあります。アウトソーシングという点では共通しているものの、混同してしまって違いがよくわからないという方もいるかもしれません。ここでは両者の違いを説明していきます。

BPOは経営戦略の一環として請け負う

アウトソーシングとは、基本的に業務を外注することを指しています。BPOは大きな意味ではアウトソーシングに分類されますが、細かく言えば、ただアウトソーシングするだけではありません。事業を丸ごと外部委託するため、経営戦略の一環として大局的な視点で経営判断が求められます。

ネット完結で個人に委託できるクラウドソーシングがおすすめ

社内業務を外注する際は、比較的安くスピーディーに依頼できるクラウドソーシングサービス(※)を利用する方法がおすすめです。なかでも業界最大手の「クラウドワークス」は登録者数480万人を超えており、さまざまなスキル・実績を持つ人材が多数登録しています。

経理や会計、営業事務や秘書業務、カスタマーサポートなどの事務領域の仕事を幅広く依頼でき、税理士や公認会計士などの有資格者を探すことも可能です。NDA(秘密保持契約)を締結できるため、売上・従業員の出退勤データといった社外秘の情報を渡す必要がある場合も安心して利用できます。

【クラウドワークスの発注事例】
・事務代行(データ入力や書類整理、電話対応など):時給1,000円前後
・経理代行(仕訳や記帳、領収書の整理、月次決算など):時給1,000~1,500円
・秘書代行(テレアポやスケジュール管理、資料作成など):月額5~20万円

(※)クラウドソーシングサービスとは、仕事を外注したい人・受注したい人をインターネット上でマッチングするサービスのこと

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まとめ

BPOは、事業全体をトータルで外部委託する、経営戦略の一環として行うアウトソーシングです。コスト削減や業務効率化などのメリットがあり、雑務や人が固定しづらい業務などであっても経営の安定化が目指せます。委託する際には自社の事業に合った事業者を選び、BPO効果を高めましょう。

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伊藤孝介
セールスプロモーション会社を経て独立し、フリーランスで地方自治体や中小企業のマーケティングリサーチ、販促企画などに携わる。 業務拡大のため2017年に合同会社を設立し、現在経営中。 マーケティング系ライター歴5年。マーケティング用語の解説や、事例紹介、WEBマーケティングなどが得意。

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