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公開日: 2023.07.04 / 最終更新日: 2023.11.29

【初心者向け】Access(Microsoft Office Access)とは?機能や基本の使い方を紹介

Microsoft Office Access(マイクロソフト・オフィス・アクセス)は、プログラミング言語の高度な知識がなくても自社用のデータベースを構築・管理できるツールです。今回は、Microsoft Office Accessの特徴やExcelとの違い、Accessでできることや基本操作の手順、Accessでシステム開発を行うメリットなどを紹介します。

Microsoft Office Accessとはどういうものか?

Microsoft Office Accessとはどういうものか?はじめに、Microsoft Office Accessとは何かを紹介します。

そもそもデータベースとは

データベースとは、大量のデータを効率的に蓄積・管理できるように「指定した条件に合わせて整理されたデータの集合体」のことです。表(テーブル)形式でデータを表示でき、条件を指定してデータを検索したい場合・データの特定項目のみを更新したい場合などに閲覧・操作しやすい点が特徴です。また、蓄積したデータのスムーズな管理にも向いています。

企業がデータベースを活用するケースとしては、商品情報や在庫情報をリストアップして売上管理システムを構築・運用する事例などが見られます。

個々のデータベースには、データベースを管理するためのシステム(RDBMS=関係データベース管理システム)が存在し、Accessもそのひとつです。そのため、Accessによってデータベースの構築・管理をまとめて行うことも可能です。

Microsoft Office Accessとは

Microsoft Office Accessは、マイクロソフト社が提供する「データベース管理を行うためのソフトウェア」です。パソコンにソフトウェアをダウンロードするだけで利用でき、直感的な操作でデータベースを構築・管理できるように工夫されています。複雑なコードの記述は不要で、プログラマ・エンジニア以外の人でも扱いやすいことが特徴です。
また、Excelと互換性があり、蓄積・抽出したデータのインポート・エクスポートを行うこともできます。

ただし、Accessは2GBを超えるデータには非対応(1つのファイル内に保存できない仕様)であるため、大規模なデータベース構築には不向きです。扱いたいデータが2GBを超える場合は、本格的なデータベース管理システム(Microsoft SQL Serverなど)の利用を検討しましょう。

AccessとExcelの違い

AccessとExcelの違いどちらもマイクロソフト社の製品である「Access」と「Excel」には、以下のような違いがあります。

データ量

Excelでもデータベースを作成・管理できますが、Excelはあくまで表計算ソフトです。行・列の最大数やセルの最大入力文字数(約3万文字)があらかじめ決まっており、扱えるデータ量に制限があるため、大量のデータを処理する場合には向いていません。

Accessの場合、原則として2GB以内であれば、数十万件以上のデータを扱うことが可能です。
また、Accessはデータベースの構築・管理に役立つ機能(他のツール・アプリとデータを連携できる機能など)も多数搭載しています。

そのため、Excelはデータ量が少なめかつ簡易的なデータ管理(並べ替え・整理・抽出など)に使用し、大量のデータを管理したい場合はAccessを利用するなど、用途に合わせて使い分けを行うとよいでしょう。

セルの入力方法

Excelは、セル内へ文字や数値を記入することができます。ただし、セルに直接入力するため、誤った文字列を入力してしまうと数式エラーが発生する可能性があります。

一方、Accessでは列ごとに文字列・数値・日付などを指定し、基本的にはフォーム(※)を操作してテーブル内にデータを入力するため、人為的なミスによるエラーを防止しやすく、より厳密にデータを管理することが可能です。

(※)フォームとは、Accessのデータ入力画面のことです。フォームなどの基本操作については、記事後半で紹介しています。

Accessでできること【初心者向け】

Accessでできること【初心者向け】続いて、Accessでできることをいくつか紹介します。

基本機能でデータベースを構築できる

Accessの基本機能を組み合わせるだけで、データベースを構築できます。
例えば、顧客リストから住所データを抽出し、住所管理システムを構築すれば、ダイレクトメールを郵送する際などに活用できるでしょう。
そのほか、販売管理システム・在庫管理システムなども構築できるため、目的に合わせてデータベースを活用することが可能です。

用途に合わせて格納したデータを出力できる

Accessで蓄積・抽出したデータを出力する際には、用途に応じてレイアウトや形式の調整ができます。さまざまな資料作成に活用できるだけでなく、テーブル内の数値・文字に直接触れずにデータを入力したり、蓄積したデータを見やすい表示方法に変更したりなど、用途に合わせた「フォーム」を作成することも可能です。

データベースの操作性が向上するだけではなく、手動入力によって起こるデータ破損のトラブルも回避できる点がAccessの特徴といえます。

データベースの操作を自動化できる

Accessの「マクロ」「VBA」などの機能を利用すれば、データベースの操作を自動化できます。また、他ツール(Office製品・BIツールなど)とも連携できるため、データベース運用に関する業務を効率化することも可能です。

【マクロ】
Accessでは画面上でマクロ(※1)を編集しますが、コードを手動で入力する必要はありません。直感的なマウス操作(クリック・ドラッグなど)のみでプログラムを作成できます。

(※1)記録された操作(繰り返し使う操作・命令など)を自動化するプログラム

【VBA/Visual Basic for Applications】
VBA(※2)は、マクロと比べてより高度な自動化処理を行えることが特徴です。Accessは、データベースで用いる関数などを格納する「モジュール機能」も搭載しています。

(※2)VBAとは、複雑な処理を自動化するためのプログラミング機能(または言語)のこと

Accessの基本操作【入門編】

Accessの基本操作【入門編】Excelの場合、1枚のシート上で数値の入力・編集を行いますが、Accessでは各オブジェクト(※)を操作して入力・編集します。以下では、オブジェクトごとの特徴や役割、基本操作などを紹介します。

(※)オブジェクトとは、データベースを構成するツールやパーツの総称のこと

テーブル

テーブル(表)とは、データを蓄積・保存するためのオブジェクトです。Accessの場合、テーブルの列を「フィールド」、行を「レコード」と呼び、フィールドやレコードの追加・変更によってデータベースを構築していきます。

例えば、社員情報をデータベース化する場合、フィールドには社員の名前・年齢・役職・IDなどの項目を設定し、1つのレコードごとに社員1名分のデータが整理されるように入力します。

名前

年齢

役職

ID

A

22

新入社員

123

B

31

課長

456

C

43

係長

789

Accessでテーブルを作成する手順は、以下のとおりです。

①上部メニューの「作成」を選択
②「テーブル」を選択
③「SharePointリスト」からテーブルを作成

フォーム

フォームは、Accessの入力画面(テーブルを操作するオブジェクト)のことで、テーブルにデータの追加・編集・削除・表示などを行う際に使います。
フォームの表示を「レイアウトビュー」へ切り替えると、フォームの作成に使うさまざまな部品を選択できます。部品ごとのサイズなどは、部品を左クリックして「プロパティ」を選択すれば変更可能です。

フォームの作成手順は、以下のとおりです。

①上部メニューの「作成」を選択
②「フォーム」を選択して作成

また、Accessはフォームウィザード(設問に回答していくだけでフォームを作成できるサポート機能)が用意されています。適用するレイアウト(単票形式・表形式・帳票形式など)を選択すれば、簡単にデータベースを構築することもできます。

クエリ

クエリは、テーブルのデータを並べ替える場合や、テーブルから必要な情報(特定の条件を設定したデータ)を抽出する場合に使うオブジェクトです。複数のテーブルを結合したり計算したりでき、クエリのデータをExcelにエクスポートすることもできます。
一般的に、データベースを操作する場合は「SQL言語」を使いますが、Accessは専門的な言語を使う必要がなく、視覚的にわかりやすい操作でクエリを作成できます。

クエリを作成する手順は、以下のとおりです。

①上部メニューの「作成」を選択
②「クエリデザイン」を選択
③「テーブル」を選択
④「追加」を選択してクエリを作成

テーブルのフィールド名をダブルクリックする(あるいは下部の項目を選択する)と、さまざまな条件を設定したクエリを作成できます。

レポート

レポートは、テーブルやクエリのデータを印刷形式で表示する機能です。テーブルなどから取得した情報をもとに、レイアウトやデザインを変更すれば、用途に合ったレポート(帳票・伝票など)に仕上げられます。

①上部メニューの「作成」を選択
②「レポート」を選択して作成

レポートを作成する場合、まずは作成したいテーブルやクエリを「データシートビュー形式」で表示します。レイアウトや書式、枠線のデザインなどを変更したら、印刷するデータ(蓄積したデータの集計結果など)を印刷形式で表示し、印刷を実行するという流れです。

Accessでシステム開発を行うメリット

Accessでシステム開発を行うメリットAccessにはデータベースのテンプレートが用意されているため、一からシステム開発を行うよりも工数を大幅に抑えられることがメリットです。開発に携わる人数や開発期間、システム開発にかかるコストなどの削減も可能です。
また、データベースの操作を自動化する機能もあるため、Access導入後の運用コスト(データベースの更新作業などにかかる人件費)をカットすることもできます。

Accessで効率化できる業務例

Accessで効率化できる業務例Accessは複数のデータを組み合わせて抽出でき、他のOffice製品(Excel・Outlookなど)と連携した計算処理もできます。そのため、以下のような業務の効率化につながります。

・複数のデータベース(商品の売上や在庫、顧客リストなどのデータ)を一括管理できる
・データベースから必要な情報を抽出し、見積書・納品書・請求書などを作成できる
・見積書などの作成だけでなく、レイアウト調整したうえで出力・印刷も同時に行える

効果的なAccessの勉強方法

効果的なAccessの勉強方法高度なスキルや知識がなくてもデータベースを構築できるのがAccessの利点といえますが、Access独自の用語やデータベースに関する基礎知識は必要です。
これからAccessを学習する場合、まずはデータベースの基本操作(テーブルの作成、データの追加・変更・削除など)から習得しましょう。
基本操作を覚えたら、Accessのオブジェクト(クエリ・フォームなど)の使い方について学習を進めると効果的に学習できます。

なお、Accessの参考書や解説動画は多数ありますが、本を読んだだけ・動画を見ただけでスキルを習得することは困難です。実際にAccessを操作し、使い方や操作の手順を体験しながら学ぶようにしましょう。

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まとめ

Accessは、マイクロソフト社が提供するOffice製品のひとつです。直感的な操作でデータベースを構築・管理できることから、多くの企業に利用されています。目的に合わせてデータベースを構築したい場合、Excelでのデータ管理に限界を感じている場合などは、Accessを導入して社内業務の効率化・自動化を実現しましょう。

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