フリーランスでは知名度を上げることが信用への近道になる:増井雄一郎さん

高校時代に会計システムを作ったことがきっかけでフリーランスに

最初にフリーランスとして仕事をしたのは実は高校時代です。工業高校に入学後、高校2年時に父にPCを買ってもらい、それ以来PC漬けの毎日になりました。地元で始めたアルバイトでPCを触れる人がいなかったので、データ入力ができる簡単なツールを作っていたら、たまたま会計事務所の人と知り合い、会計システムを作らないかと誘われて、作ることになりました。会計システム作成の仕事は、その会社に通勤するのではなくリモートワークで、フリーランスのような働き方でした。

大学時代も学部は理系ではなく文系でしたが、ゼミの教授がPC好きな人で、システム制作の需要がある働き口を紹介もらい、個人で仕事を請けていました。卒業する前あたりにi-modeが登場し、i-mode関連の仕事もしていましたが、個人では賄いきれなくなり、法人化しました。docomo北海道様などのいくつかの大手様から仕事をいただいていました。

大学時代に会社を創業し、6年くらい経営しましたが、その後再びフリーランスになりました。人づてで仕事を探し、いろいろな仕事をさせていただきました。人と話すが好きでフットワークが軽く、面白そうな話はどんどん聞きにいっていたため、多くのつながりができていたため、仕事に困ったことは今までありません。

積極的な情報発信で知名度を上げることが仕事の獲得に繋がる

今は主に3つの仕事を手掛けています。appceleratorのプラットフォームエバンジェリストとして、週末は地方を含む様々な会場で講演をしています。平日はフード系ソーシャルアプリのmiilのCTOとしてコードを書いていますが、オフィスに毎日出社はせず、リモートワークをベースとした働き方をしています。また、個人プロジェクトでMobiRubyという製品も作っています。

MobiRubyの狙いは、製品としての成功もありますが、英語圏で自分の知名度を向上させたいとも思っています。海外からも仕事をいただけるようになりたいからです。フリーランスだと法人よりも相対的に信用されないため、知名度を上げる努力は必要だと思います。Google検索で1件もヒットしない無名の人よりも、100件ヒットする人の方が信頼できると思います。以前、海外の仕事で採用された際に「なぜ自分を採用したのか?」と聞くと、英語力ではなく技術力に期待しており、Git Hubでのフォロワー数が多いなど、知名度が多少あったことが理由であったと聞きました。

私はブログでの積極的な情報発信もしています。自分がやりたいアイディアリストを公開しており、それを見てオファーをいただけることもありましたし、渡米して仕事をしていましたが、帰国する際に日本で就職しようと思い、ブログで職探しをしている旨を伝えると、CTOクラスの待遇で10社強からオファーをいただいたこともありました。

仕事のスタイルは、平均的には半年、長くて1年のプロジェクトに携わることが多いです。ある日突然やっていた仕事をなくしてしまっても、明日からある程度の給料で仕事ができる会社を何社かストックしています。起きている時間は仕事以外のことをしてる時間はほとんどなく、コードを書かなかった日はここ20年間では1日もないです。

世界のどこにいても仕事ができるエンジニアを目指したい

クラウドワークスのようなフリーランスが仕事を得られるオンラインプラットフォームができたことは私にとっても望ましいことです。今まで自分がリーチでできる範囲でしか仕事をしてきていないので、自分がどう見られているかを客観的に知りたいという意味でも、クラウドワークス経由で仕事をすることに意義があると思っています。

今後は、個人プロジェクトであるMobiRubyを出して海外での知名度を上げ、海外かも仕事をいただけるようになりたいです。究極的には、世界のどこにいても仕事ができるよう状態にしたいです。ワードプレスの創設者は、世界中を講演しながら旅行しているようで、講演で行った場所が気に入れば数ヶ月その街に住み、別の街から講演に呼ばれたらまた別の街に行くというスタイルのようです。それに近い状態を目指したいです。