福利厚生も充実!フリーランス協会の「ベネフィットプラン」とは?

 「働き方の多様化」が注目されている昨今。正社員の終身雇用は今や当たり前ではなく、契約社員、派遣社員、パート、アルバイトなど、多彩な雇用体系が存在しています。

 他方では、本業とは別に「副業」を持っている人、あるいは複数の業務を掛け持つ「複業」をこなしている人の姿も。さらにはクラウドソーシングサイトなどの普及もあり、現役世代はもちろん、クラウドワーカーとして働くシニア層も増えつつあるそう。

 また、フリーランスの数も増えています。「フリーランス実態調査2017」によると、2017年の日本国内における広義のフリーランスの数は1,122万人。前年よりも40万人近く増加しており、ひとつの会社に縛られない働き方が広がっていることがわかりますね((参考:「Lancer of the Year 2017」を開催 | ランサーズ株式会社))。

 十人十色の働き方が広がるなか、フリーランスを支援する動きも広がりを見せている今日この頃。そのひとつに昨年、任意団体として発足し、一般社団法人として活動を開始した「プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会」があります。

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一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会より

 フリーランスの認知向上のための啓発活動、キャリア形成支援、労働環境改善に向けた提言などに取り組んでいるフリーランス協会。なかでも、その当事者であるフリーランスからも注目を集めているのが、協会が提供する「ベネフィットプラン」です。

 これは、年会費を払って協会の一般会員になることで、フリーランス向けの保険や福利厚生サービスが自動付帯されるプラン。フリーランスはもちろん、二足のわらじを履きこなすパラレルワーカーも入会できるということで話題になりました。

 今回はこのプランについて簡単にご紹介しつつ、一部の福利厚生サービスを利用してみた感想をまとめました。入会を検討している方の参考になりましたら幸いです。

 

「ベネフィットプラン」とは

 冒頭でもご紹介したように、「ベネフィットプラン」は、フリーランスのための支援サービスです。

 フリーランス協会の一般会員となることで、各種福利厚生サービスのほか、賠償責任補償が付帯。その他さまざまなサービスを任意で利用できるなど、フリーランスの痒いところに手が届く支援制度となっています。年会費は1万円。

 

フリーランス賠償責任補償

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フリーランス賠償責任補償のご案内(PDF)より

 本プランの中核を成すのが、「フリーランス賠償責任補償」

 これは大手保険会社4社による共同保険であり、情報漏えいや著作権侵害などのフリーランス特有の賠償リスクにも備えた、幅広い補償を提供しています。

 補償対象の例としては、情報漏えい、著作権侵害、納品物の瑕疵、事故による納期遅延など。損害賠償が必要になったときに保険金を支払ってもらえます。

 会社に守られているわけではないフリーランスは、思いがけないトラブルや己の過失にも自ら責任を持って対処しなければなりません。「いざという時」がないに越したことはありませんが、やはりこうした備えがあったほうが安心できるように思います。

 

福利厚生サービス

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ベネフィットプランメンバーズサイトより

 また、ベネフィットプランでは、福利厚生サービス「WELBOX」も自動で付帯されます。普段使いとしては、こちらのほうがお世話になる機会は多いかもしれませんね。

 たとえば、健康診断の割引のほか、リラクゼーション施設を会員価格で利用できたり、子育て支援やスキルアップ支援があったり、各種相談ダイヤルが使えたり。語学学習の副教材として利用してもいいですし、銭湯・スパを会員料金で使い倒すのもありかと。

 WELBOXについては、後ほどもう少し詳しく説明します。

 

任意加入できるサービスと、「WELBOX」の魅力

 ベネフィットプランの基本となるのは以上の2点ですが、それ以外にも、任意で加入して利用できるサービスが数多く取り揃えられています。

 具体的にはどういったサービスがあるのか、またWELBOXではどのような福利厚生が利用できるのか、簡単に見ていきましょう。

 

所得補償制度

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所得補償制度のご案内(PDF)より

 保険としては、先ほど挙げた「フリーランス賠償責任補償」に加えて、「所得補償制度」にも任意で加入することができます。これは、フリーランスが病気やケガなどで働けなくなった場合に備えた制度。

 就業不能になったことで喪失する所得を、最長1年間にわたって保険金として受け取ることができる保険です。ベネフィットプラン利用者であれば、47.5%オフの保険料で加入することが可能。制度の特徴としては、以下の5点が挙げられています。

  1. ケガや病気による就業不能を補償
  2. 医師の検査が不要で加入手続きが簡単
  3. 団体割引等適用のため保険料が割安
  4. 手間がかからない便利な自動更新方式
  5. 健康・介護相談サービスを無料提供

 

各種サービスを優待価格で利用可能

 福利厚生とは別に、多種多様なサービスを優待価格で利用できるのもベネフィットプランの魅力。

 顧客との連絡に欠かせないコミュニケーションツールや、日々の損益を記録する会計サービス、全国展開するコワーキングスペース・バーチャルオフィスに加え、さらにはカウンセリング・コンサルティングサービスなど、使えるサービスは多岐にわたります。

 具体的には、以下のサービスなどが参画中。これ以外にも数多くのサービスが優待利用できますので、詳しくはベネフィットプランの紹介ページでチェックしてみてください。

  • ChatWork(コミュニケーション)
  • freee(会計)
  • やよいの青色申告オンライン(会計)
  • MFクラウド確定申告(会計)
  • ジャパンネット銀行(金融)
  • コジサポLINE(税務相談)
  • リージャス(バーチャルオフィス)
  • geechs job(ジョブマッチング)

 

「WELBOX」の魅力

 ここまでにご紹介した内容だけでも、特典が盛りだくさんのベネフィットプラン。保険制度と各種優待があるだけでも大満足ですが、「WELBOX」の存在も見逃せません。

 850社以上の企業で導入されている福利厚生サービスというだけあって、内容は非常に充実。健康サポート、スキルアップ支援、リラクゼーション優待、各種相談ダイヤルなどを取りそろえており、ショッピングやレジャーをお得に楽しむこともできます。

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 たとえば、健康診断・人間ドック。一般企業では従業員の定期健康診断が義務付けられていますが、個人事業主にはその義務がないため、自発的に受診する必要があります。

 しかしそこは、ただでさえ忙しいフリーランス。業務以外の雑務もすべて自分ひとりでこなすため、仕事と直に関係のない事柄は後回しにしてしまいがち。「そういえば、もう何年も健康診断を受けていないや……」という人もいるのではないでしょうか。

 僕自身のことを振り返ってみても、前職を辞めて以来、実に5年も健康診断を受診していませんでした。「さすがにそろそろ行かないとヤバいんじゃないか……」と思いつつも実行に至っていなかったため、先日、ついにWELBOXを介して健康診断へ行くことに。

 ベネフィットプランに登録したことが、良いきっかけとなりました。健診に行った感想は、次の項目で簡単に紹介させていただきます。

 また、スキルアップ支援としては、TOEIC対策・ビジネス交渉力・コミュニケーション力が鍛えられる「無料eラーニング100選」や、ビジネス誌の定期購読が割引になるといった特典も。

 リラクゼーション優待としては、フィットネスクラブやマッサージ施設が会員価格で利用できます。一部のフリーランスのあいだで作業場所として人気のスーパー銭湯・スパなども優待券を提供しており、助かるという人もいるのではないでしょうか。

 かく言う僕も先日、WELBOXを利用して、都内のスパで作業をしてきました。電源・Wi-Fi完備の机があり、疲れたらサウナに入ってリフレッシュできるというすばらしさ。実質的なコワーキングスペースとも言える充実の設備であり、作業がはかどりました。

 

実際に「WELBOX基本健診」を受診してみた

 さて、ここからは、先ほどご紹介した健康診断について、自分が実際に受診するまでの流れと感想を簡単にまとめていきます。

 今回、WELBOXを介して申しこんだのは、「WELBOX基本健診」身体測定・胸部検査・胸部X線撮影・聴力・尿検査・血液検査・心電図検査・便潜血検査・問診の、基本項目を網羅した健診となっており、13,500円の会員特別料金で受診できます。

 流れとしては、まずWELBOXのサイト上で全国の医療機関を検索。受診を希望する近所の病院を選び、希望日時を入力したら、利用者情報を送信します。すると、しばらく後に確認の連絡が来るので、日時を確定。健診の注意事項が書かれた封筒が送付されます。

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 検査項目にもよりますが、封筒には「問診票」「質問票」「検便キット」などが同封されています。問診票と質問票にはあらかじめ必要事項を記入したうえで、当日は忘れずに持っていくようにしましょう。

 また、過去に健康診断を受けてこなかった人ほど忘れそうなのが、「検便」の存在。小中学校時代に尿検査は受けてきたかと思いますが、便検査は「やったことがない!」という人もなかにはいるのではないでしょうか。……というか、僕がそうでした。

 キット自体は問題なく使えたのですが……うっかり、「採便は2日分」ということを失念しておりまして。健診当日の朝にも慌てて採便することになり、慌ただしく病院へ向かうことに。こうはならないよう、健診内容はしっかりと確認しておきましょう。

 当日は、封筒に記載された時間に遅れないように病院へ。先ほどの「問診票」と「質問票」「検便キット」、そして「健康保険証」を持参し、窓口で提出します。

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 診断の進め方は病院によって異なるかと思いますが、今回利用した検診センターは、受付で番号札を受け取り、呼ばれた順に検査していく流れでした。待合スペースの近くにいくつかの診察室が並んでおり、それぞれの部屋で検査を行う格好。

 事前予約制ということもあってか、健診は非常にスムーズに進行。待合スペースで数十分も待たされるようなことはなく、次々と検査項目をこなしていきます。身体測定に始まり、尿検査、視力・聴力検査、胸部検査、X線撮影、血液検査――といった流れですね。

 また、健診センターの待合スペースにいたのは全員が健康診断の受診者だと思うのですが、思いのほか女性が多かったのが印象的でした。少し離れたところでは企業向けの健診をしているエリアもあり、そちらは男性ばかりでしたが。

 健診自体は特に問題もなく、1時間ちょっとで終了。結果は3〜4週間後に送られてくるとのことです。いやー、当日の健診よりも、待っているこの期間のほうがドキドキしますね、これ。……で、忘れたころに結果の封筒が送られてくるんですよ。怖い怖い。

 WELBOXでは、「WELBOX基本健診」以外にも、人間ドック・がん検診・生活習慣病健診・女性向けのレディース健診なども会員価格で提供中。普段なかなか健診に行くモチベーションがわいてこないという人は、これを機に受診してみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

 このほかにも、通信教育、オープンカレッジ、各種カウンセリング、子供の出産・入園・入学お祝い制度など、WELBOXではさまざまな福利厚生を利用できます。

 また、ベネフィットプラン自体にも前述の保険制度があり、各種サービスの優待もあり、非常に幅広い分野で恩恵を受けられるプランとなっています。これだけ充実していて年1万円という価格は、いちフリーランスとしてありがたく感じました。

 今後もプラン内容の拡充を図っていくそうなので、興味のある方は、無料のメルマガ登録だけでもしておくと良いかもしれません。フリーランス・パラレルワーカーに関わりのあるニュースや、話題のトピックをまとめたメールが、月に何度か送られてきます。

 なかには会員向けのセミナー情報もあり、働き方をテーマにしたイベントがしばしば開催されています。プラン未登録者向けの説明会も不定期で行われているようなので、サイトの情報だけではピンとこないという人は、参加してみてはいかがでしょうか。

 

参考リンク

 

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【執筆者】
けいろー

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フリーライター。インターネット大好きゆとり世代。新卒入社したメーカーで営業職として働くも、身体を壊して退職。無職期間にブログを書いていたら仕事をもらえるようになり、ノリで独立して今に至る。創作同人誌を読むのがマイブーム。

執筆ジャンルは、書評、アニメ、旅行、グルメ等、なんでもござれ。記事校正やメディア運営の手伝いなども承っています。

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