あなたの値段は、おいくら?3年目のフリーライター「トイアンナ」が語る価格交渉の裏側

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こんにちは、トイアンナです。私は会社員を約4年経験したのち、フリーライターとして活動しています。

といってもきっかけは「独立して名を上げたるぜ」と決心したからではなく、夫の海外赴任に伴う失職という笑えないものでした。

 

「このままだと、イギリス赴任になりそう」と聞かされたのは2015年の秋。

一生正社員で安穏と暮らすつもりだった私のキャリアプランが、ガラガラと崩れました。夫についていかない道もありましたが、当時の私は子どもが欲しかったのです。

時給5,000円から、私のキャリアは始まった

そこで考えたのがフリーランスの道。

当時から私は趣味でブログをやっており、ときおり寄稿のご相談をいただいておりました。

その際にいただいていた謝礼の額は、平均5,000円/原稿1本。文字数にもよりますが、私はだいたい1時間で1本の原稿を書くため「時給5,000円か、いけるかもな」と安直な試算でフリーランスの相場を決めてしまいました。

 

が、この試算は穴だらけでした。実際に月何十本もの原稿を受注すると、メールのやりとりだけで1日2時間は潰れます。

原稿依頼は単に「原稿書いて♪」「書いたよ★」「ありがとう♪」の3ステップじゃ済みません。著者プロフィールの送付、掲載前チェック、請求書送付は最低でも発生します。特定の商品をお勧めするPR記事ならば景品表示法、ものによっては薬機法とのすり合わせも必要です。

 

それまで大企業で総務・事務を人様へまかせっきりにしていたダボハゼの私。慣れない事務作業ではミスを連発し、先方へ謝罪しつつ再送なんてことも多々ありました。

気づけば私の時給は1,000円台へと近づき、バイトしたほうがマシなんじゃねーの水準に劣化していたのです。

自分が発注していた額から逆算する

そこで私が参考にしたのは、かつて私が発注していた金額でした。

会社員時代はもともとマーケティングの仕事をしていたため、ブロガー・ライターさんへ広告記事を発注していた私。

当時の水準ではありますが、その価格を参考にしてお見積り額を設定し直したのです。

 

当時、私が発注者としてブロガーさんへ支払っていた広告記事の報酬は1記事10万円~20万円ほど。とはいえ私は場末のライターで、しかも広告記事を自分のブログへは受け付けていません。

ある程度好き勝手に書かせていただくとなれば価格が下がるのは当たり前として、上記の数割引きでお受けしていました。(※)

 

それから数年、他のWebライターさんと交流させていただく機会もいただき、Webライターという狭い世界には限定されますが、依頼額の相場感が身についてきたかな……とは思います。というわけで最後に、単価が跳ねる要素をお伝えします。

価格変動のカギ1 書籍

Webライターをする中で「価格がガツンと上がる事情」は2つ。ひとつは書籍を出すこと、もう一つはSNSのフォロワー数が増えることです。

 

書籍を出すと「きちんと仕事している感」が出るためか、世間でも知られている媒体さんからのお仕事が増えます。世間で知られている媒体に掲載されると、他の媒体さんからの単価も上がり全体的に年収アップへつながります。

 

私も編集者側の立場でライターさんへ執筆を依頼したことが何度もありますが、世間の常識をおさえているライターは少数派。

普通に敬語が使える、普通に待ち合わせに現れる、普通に納期通り納品できる。この3点を守るだけでも信頼度が高まるのです。

しかし初めて仕事を依頼する側は信頼度をチェックする方法がありません。そこで書籍の有無が信頼度チェックに使われるのです。

 

書籍を出すのは「単に10万文字書く」以上の重労働です。何度ボツになっても企画会議に通す資料を作らねばなりませんし、顔出しの打ち合わせも多くあります。

数回にわたって原稿チェックを求められ、しかも納期をずらすことはできません。これらを潜り抜けたライターであれば安心できるとみなされるのは、当然と言えるでしょう。

価格変動のカギ2 SNSのフォロワー数

もうひとつの要素であるSNSに関しては、単純にフォロワー数が多ければ多いほど単価が上がります。といっても「煽りまくってアンチが多い人」は避けられますので、ファンの数がどれだけいるか……という話になります。

たとえばライターのヨッピーさん(https://twitter.com/yoppymodel)は、フォロワー11万人の数字もさることながらアンチがほとんどいないため現存するWebライターの中でも最高単価になると予想できます。

 

フォロワーの数だけを手に入れようとわざと炎上させようとしたり、ましてやフォロワーの購買をしても依頼は増えませんので、あくまで「認知度や人気の指標としてのフォロワー数」が参考にされることはご容赦ください。

 

ここで強調したいのは「いくら名文を書いていても、月に10人しか読まれないブログには依頼が来ない」という点です。

Webに書くならSNSでの告知、そしてファン獲得は欠かせないパートとなりました。もしあなたがWebライターとしてフリーの道を目指すなら、最初にすべきことはTwitter/instagramアカウントの開設かもしれません。全世界のフリーランスを目指すみなさま、健闘を祈ります。

 

※ 現在は上述価格より値上げさせていただいています。納期や文字数などによって変動いたしますので、お気軽にご連絡ください(宣伝)

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【執筆者】
トイアンナ

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外資系企業で約4年勤務したのち、ライターとして独立。ブログ『トイアンナのぐだぐだ』は月間最大50万PVを記録した。現在はキャリアと恋愛をメインテーマに、複数媒体で連載中。

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