■「サラリーマンの欠点・起業家のメリット」について 　その前に。 　通常、物事の長短やメリット・デメリットは表裏を成しており、どちらの方向に影響が出るかは、状況に因ります。 　サラリーマンと起業した人を比較するならば、メリット同士でどちらが自身にとって有利かを検討する方が効果的かと思います。 　ここでは、脱サラして起業する後押しを目的として話を進めます。 　起業した人が先ず嬉しく感じることは、自分が雇われから（たとえ自分しかいなくても）組織の代表となることです。 　（コネがないかぎり難しいことですが）サラリーマンの時と同じような仕事をし同じぐらいの収入を得ていたとしても、比較にならないほど自由です。遊んでいても働き過ぎても誰にも文句は言われません。そして仕事の成果は基本すべて自分のものです。成果も権限も自由も責任も全て自分のものです。個人事業主であれば接待費が経費となるので、コネづくりもサラリーマン時代よりも円滑になるでしょう。 　仕事も、自身が全体像を把握できる立場にある為、無用な混乱やノーマルアクシデントを防ぐことが容易になります。 　無駄だと判断したものを即座に改善することのできるフットワークの軽さや取引相手に臨機応変に対応できることで、ストレスを大幅に減らすことができます。 　これらは、どれもサラリーマンである限り死ぬまで縁のないことです。 　サラリーマンの僅かな強みと云えば安定感かもしれませんが、今の社会情勢では安定した生活が保証されていると主張するのは難しいでしょう。 　会社に依存した状態は、自身の経済感覚を鈍らせたり、云われたことをこなすだけの慢性的な思考停止状態をつくりだす要因にもなります。 　そんな状態でリストラ対象になったならば、社会で生き残ることは難しいでしょう。 　そこに半ば無意識的に気がついているサラリーマン達は、怯えながら日々を過ごし却ってパフォーマンスが落ちるストレスを溜め込んでいるのです。　 ■「自分で作業をする欠点・自分でやらないことの重要性」について 　※これは、自身がある程度管理する仕事をしなければならない人を対象にしています。 　先ずここでいう「自分で作業をする欠点」とは、「他の人に任せても問題のない作業を、わざわざ自分でやっている」ということです。 　「自分でやらない」、「人を雇って任せる」というのは、自分にしかできない作業にリソースを集中させてより効果的に仕事を進める為だということです。あらゆる雑用まで全て自分でやっていたら、身体が幾つあっても足りません。 　会社には稀に、部下を無能呼ばわりして仕事を横取りした挙げ句「忙しい、時間がない」とほざく中間管理職がいますが、例外なく「自他共に認めるデキない人」です。 　より重要な仕事をこなす為には、ちょうどババ抜きのように重要性の低い仕事を他の人に引かせる必要が出てくるのです。 　人に仕事を振るのも仕事のうちです。 　但し、デキない人に仕事を頼んでも出来上がるのは問題だけですので、その仕事をこなせる相手かどうか知っておくことは忘れないで下さい。 　それと、重要性の低い（低くてもキチっとできてないと困る）仕事を任せられるように、相手に教育や訓練を施す手間も必要です。 採用！