企業インタビュー
公開日: 2019.01.29 / 最終更新日: 2020.01.06

専門性の高い人材も見つかる。電子回路の「アートワーク設計」の領域でクラウドソーシングを活用:株式会社ソリトンウェーブ

クラウドソーシングでエンジニアに依頼する業務というと、SEなどITエンジニアへ委託する領域を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。今回取材した株式会社ソリトンウェーブ様は、プリント基板の電子回路の「アートワーク設計」の領域で、クラウドワークスを活用いただいています。今回は、代表取締役の芹井さんに、実際に委託されている業務やクラウドソーシングのメリットなどについて伺いました。

アートワーク設計の委託先を探す手段としてクラウドソーシングを活用

─ソリトンウェーブが手掛けられている事業内容について教えてください。
IoT関係の組み込み系の開発を手掛けることが多く、たとえば、工場で製品を作るときに使用する装置といったモノを開発しています。最近は少ないですが、WebデザインやWebアプリケーションもやっており、ハードウェアからソフトウェアまですべてを手掛けています。ハードウェアは基本的に受注生産で、回路設計までを自社でやり、基板などの製造は外部に委託している形です。

─クラウドソーシングでは、どういった領域の業務を発注されていますか。
プリント基板の電子回路の回路設計までを自社内で手掛け、後工程のアートワーク設計の部分をクラウドソーシングで委託しています。アートワーク設計は、実装に必要な部品同士をつなぐ配線のパターン図のことで、通常、基板業者、あるいはアートワーク設計屋といった専門の人がやっています。

─納品物としては設計図になるのでしょうか。
ガーバーデータという形式のCADの図面ファイルを納品してもらっています。これがあれば、プリント基板の製造を行うことができます。

─アートワーク設計という業務は知り合いの業者に頼むという手段もあったかと思いますが、なぜ、クラウドソーシングを活用しようと考えられたのでしょうか。
業界の事情も絡むのですが、国内のプリント基板メーカーは、大手でも中小でも、アートワーク設計から基板の製造までを一貫して手掛けているところが大半を占めています。実際にはアートワーク設計と基板の製造をやる人は別なので、アートワーク代がいくら、基板代いくらといった形で仕事があるのですが。

最近は海外の業者に頼むと、製造方法にも違いがあるものの、国内のプリント基板メーカーよりも価格が大幅に安く、当社では海外の業者に委託することを考えました。しかし、海外の業者は製造しかやらないところがほとんどで、アートワーク設計も依頼しようとすると価格が高い、英語で細かいやり取りまでするのが難しいといった問題が生じます。

一方、国内のプリント基板メーカーには、アートワーク設計だけを切り分けて頼みにくいことが課題でした。そこで、アートワーク設計だけを日本で(安く)頼めるところを探していたところ、引き受けていただける方がクラウドワークスで見つかりました。

クラウドワークスの名前はもともと知っていて、知り合いの会社でも使っているという話を聞いたことがあったので、探したみたという感じです。

専門性の高いスキルを必要とする領域だからこそプロフィールで判断

─クラウドワークスに登録するエンジニアはITエンジニアが中心ですが、依頼するワーカーをどのようにして選定されたのでしょうか。
一斉に募集をかけたのではなく、キーワードなどでワーカーを検索して、プロフィール画面をもとにアートワーク設計ができそうな方にお願いしました。4~5人程度の候補の中から、今回はデジタル回路とアナログ回路が混在する案件でしたので、その辺が得意そうな人に依頼した形です。

分野によって得手不得手があり、ある程度の知識がないと、(プリント基板が)上手く動かなくなってしまいますので。メールで依頼したい内容を伝えて、お願いできる案件か確認し、報酬の希望条件も合ったので依頼しました。

─クラウドワークスで依頼するにあたって、納品物のクオリティへの不安はありませんでしたか。
特に不安はなかったですね。アートワーク設計は専門性が高い分野ですので、プロフィール画面にできますと書くのは、ある程度の経験年数がある人でないと難しいと思うので、信頼できると判断しました。

クラウドソーシングは人材を確保する手段としても有効

─クラウドソーシングを活用されて、メリットやデメリットだと感じていることはありますか。
今は人材難ですので、クラウドソーシングなどの活用は今後、増えていくのではと感じています。新たに人材を雇用しようとして募集をかけても、全然応募がないこともあります。その点、アートワーク設計などは社員のように出社しなくても、連絡さえとれる方であればよいので、クラウドソーシングを活用して委託するのに向いた業務だと思っています。仕事が発生したときにだけ依頼できることもメリットですね。

デメリットは、ワーカーさんと連絡がとれなくなることへの不安ですね。ワーカーさんとは実際に会ったことがなく、ネット上でのやり取りのみですので、連絡がとれなくなったときに、文句も言ったり、呼びつけたりできないことを不安に感じることがあります。

─実際に、これまでにワーカーと連絡がとれなくなったことはありますか。
クラウドワークスでは、連絡がとれなくなったことはないです。今のところ、よいワーカーさんと巡り合えています。クラウドソーシング以外で、委託先と連絡がとれなくなったことはあります。

─品質を巡るトラブルが起こらないように、要件定義書を作るなど工夫されている点はありますか。
アートワーク設計の場合、回路図と部品表を出すものだと決まっているので、要件定義書で作業範囲を細かく指示しなくても大丈夫です。後は経験によって、どこまでの細かい資料が必要とされるかが変わってきますね。もちろんワーカーから質問されたら答えたり、細かいデータを全部渡したりしますので、依頼のしにくさはないです。

─納品物はどのように検品されていますか。
(ワーカーと)双方でチェックしています。アートワーク設計は、配線が正しいかどうかは機械的には全部チェックできます。ただし、実際それで動くかどうかは別問題になりますが、そこはチェックできませんので。目視でだいたい良さそうかどうか判断をするだけです。

─アートワーク設計以外に、今後、クラウドソーシングの活用を検討されている領域があれば教えてください。
今、自社内でやっているプリント基板の回路設計やWebのデザイン、あるいは組み込み系の開発などでも、人手が足りなくなったら利用しようと思っています。単発業務が発生したときや、社員として人材が雇用できないときに活用するイメージです。派遣の場合、週5日分の仕事を用意しなければならず、その分のコストもかかることに使いにくさを感じています。また、反対に当社で仕事をとりたいときにも、クラウドソーシングを活用することも検討中です。

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掲載企業

株式会社ソリトンウェーブ
組み込み機器のハードウェア/ソフトウェア開発で25年の実績。 組み込み系の開発のほか、FPGA開発や各種開発用機材のWeb販売も行っている。 最近では、IoT関係の他、AI開発ボードなども多数取り扱っている。

Webサイト:
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