
海外のテック系ベンチャー企業の日本進出の支援だけでなく、フィンテックや投資関係のメディア運営も手掛ける株式会社レタドール。リストの作成や記事作成の領域などでクラウドソーシングを活用いただいています。
代表取締役の土居さんに、クラウドソーシングを活用している領域や応募者の選定のポイントなど、利用にあたって工夫していることを中心に伺いました。
目次
海外のテックベンチャーの日本進出の支援とメディア運営が柱
─レタドールが手掛けている事業について教えてください。
当社の事業は、クラウドワークスを利用している領域では大きく分けて2つあります。ひとつは、海外のテック系ベンチャー企業の日本進出の支援です。日本進出をするかどうかまだ決めかねている、あるいは日本進出に興味があって進出することを決めた企業に対して、日本で法人を設立する前の段階からゼロイチの部分の立ち上げまでを支援をしています。
もうひとつは、フィンテックや投資に関するメディアの運営を行っています。
─海外のテック系のベンチャー企業の日本進出の支援では、具体的にどのようなことをされているのでしょうか。
ご依頼いただくフェーズにもよりますが、基本的にはご依頼内容に応じて何でもやっています。たとえば、日本市場に進出するか決めていない段階では、マーケットリサーチや関連する法規制の調査をするなど、そもそも市場があるのか調査して立ち上げるまでのマイルストーンを作っていくことなどが中心です。
私自身がマーケティングやリクルーティング、法律への対応や官公庁(との折衝)などすべてができるわけではないので、バーチャルブランチという立ち位置で、関係各所との調整や差配を行っています。
─海外のテック系ベンチャー企業の日本進出の支援の事業に紐づく形で、メディア運営も始められたのでしょうか。
そうですね。日本への進出を支援する事業にフィンテック関連のお客様がいらっしゃったことと、フィンテック自体がこれから日本で盛り上がっていくということ。それに加えて、フィンテック関連のサービスや用語は初めての人からすると取っ付きにくいところがあるようです。自分の興味と関わるところでメディア作っていけたらと考えて始めました。
リストの作成や記事作成などでクラウドソーシングを活用
─クラウドソーシングはどのような領域で活用されていますか。
クラウドワークスで依頼しているのは、海外のテック企業のリスト作成です。たとえば、資金調達額が多い企業のリストの作成や各企業の関連情報の調査を行っていただいてます。実際に案件がスタートした後は、英語文献の日本語への翻訳を依頼することもあります。
─リストの作成はクラウドソーシングを活用いただいているとのことですが、どのような形で発注されているのでしょうか。
1件いくらという形で、1人の方にプロジェクト形式で依頼するパターンと、タスク形式で依頼するパターンがあります。
1人の方にプロジェクト形式で依頼しているのは、リストのここを見てコピーをするといったアクションが明確な作業です。一方でタスク形式を活用をする場合は人によってブレが生じるケースです。たとえば、海外のサービスを取り上げた記事を調査する作業は、人によってブレが出ますので、そういった作業はタスクで依頼しています。
─クラウドワークスをご利用いただいたきっかけやメリットを教えてください。
登録しているワーカー数が多いことや、タスクで依頼したときに応募が集まるのが圧倒的に早いことから、クラウドワークスを使い続けています。
メリットに関しては必要な人材がすぐに集まり、依頼したいときにスピーディーに外注できるすぐ依頼できることですね。
良いワーカーを確保するにはトライアルが不可欠
─リストをプロジェクト形式で依頼する場合は、何人かの応募者がいらっしゃるかと思いますが、どのようにして依頼するワーカーさんを見極めていますか。
基本的には、実績とプロフィールを見ています。評価が悪い人は除外していますが、登録し始めの初心者の人で、プロフィールを見て引っかかるものがある場合はお願いすることもあります。
管理コストがかかるので最終的には1人の方にお願いするのですが、大体3人の方に絞り込み、まずトライアルとして10~15分で済む作業をやっていただいています。その中から、成果物がきちんと上がって来るか、あるいはレスポンスの早さなどコミュニケーションはどうか、などの点から1人を見極めています。
─記事作成を依頼する場合はどのようにして応募者を見極めていらっしゃいますか。
記事作成もトライアルを行っています。3行や5行分の文章をお渡しして、スキルチェックをしています。記事作成は、スキルだけではなく(文体の)タイプもありますので、趣味嗜好が合う人を見つけるには実際にやってもらうしかないですね。
トライアルを実施するようになってからは、納期の遅延もなくなりました。こちらの提示している納期と依頼テーマの難易度を見て、応募者の側の想定との違いがなくなっていると思います。トライアルでは納期を守れるか、レスポンスが早いかという点も見ています。
─トライアル以外にも良いクラウドワーカーさんを確保するために工夫されているポイントはありますか。
クラウドワーカーさんを検索して条件に合った方をリストアップし、「この案件をぜひやっていただけませんか」とダイレクトメッセージを送っていますね。それから、特殊な業務でなければほかの仕事もできると思いますので、良いクラウドワーカーさんを確保できたら、別の仕事もお願いしています。
単純に忙しくなってお仕事をお引き受けいただけなくなった方には、復活していただくこともあります。たとえば、出産や資格試験の受験などのご都合で一度お付き合いがなくなった方でも、しばらくしてから「最近どうですか?」とお声がけをしています。
自分ができない業務にも活用を広げたい
─今後クラウドソーシングの活用を検討している領域はありますか。
クラウドソーシングを活用したいと思いつつ、活用できてないのはちょっとしたWebの改修やクリエイティブの制作ですね。自分ができない業務を発注するには課題があると感じています。リストの作成、ライティングなどは自分でもできるので、どのようにやったら上手くいくのかわかったり、納品物がクリアだったりします。クリエイティブ領域は、そもそもの品質の見極めや、納品物の軌道修正ができる範囲なのかどうかがわからないことが課題ですね。
─最近では、自社でチェックできないものや判断できないものは、クラウドワークスでディレクターを置くという企業様も増えていますよ。
それは良いですね!