企業インタビュー
2013.11.14
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【前編】起業後の人材不足はクラウドワークスを活用した:株式会社スマートエデュケーション

「世界の子ども達の“いきる力”を育てたい」という想いで、学習教材の企画や制作販売を手がける株式会社スマートエデュケーション。その事業の一環として提供するのが、乳幼児をターゲットとしたタブレットやスマートフォン向けの「知育」アプリケーションです。

累計ダウンロード数は420万件に上り(2013年9月6日現在)、月間のアクティブユーザ数は80万人を誇ります。そんなアプリ開発で、継続的に使っていただいているのがクラウドソーシングのクラウドワークス。

今回は、弊社代表の吉田浩一郎がスマートエデュケーション様のオフィスにお邪魔し、代表の池谷大吾様と対談させていただきました。クラウドワークスの活用方法から、教育や働き方の未来、世界一を目指したサービス展開まで、たっぷりお話を伺ってきました。前編と後編にわけてお届けします。

正社員にこだわらない、知育アプリに共感するエンジニアが集う

吉田:オフィスが広いですね。今ってどれくらい人数がいらっしゃるんですか。

池谷:従業員は20人で、うちエンジニアが7人です。他にも、外注のエンジニアさんに自由に来てもらって、オフィスの一角を貸してるんです。うちの案件を受けてくれていれば、他社の案件をやってもいいというルールにしています。

吉田:以前に、会社はプロが集まる場所にしたいってことをおっしゃってましたね。

池谷:その気づきを与えてくれたのがクラウドワークスだったんですよ。スマートエデュケーションは5人で起業しましたが、そのうちエンジニアはCTOの1人だけ。だから当時はエンジニア集めに必死でした。

もともとサイバーエージェントグループにいて、その経験から採用もできるだろうと思っていたら、まったく採れない。知育といってもモノもないし、成功事例もない。大手IT企業と比べると多額の給料も出せない。

吉田:そうですね。最初は知名度もないわけですから。

池谷:そんな時に、クラウドワークスというサービスがあるらしいと聞いて、知育アプリ開発の案件を投稿したら募集がきたんです。

実際会ってみると優秀なエンジニアで。小さい案件からお願いしてみるようになりました。今でも、困るとクラウドワークスを利用して人材を見つけています。そこで、無理に正社員を採ろうとしない方がいいと気づかされました。

9時、10時に出社するとか、企業に属するという働き方が嫌だという人がいる。そういう時代なんだと。吉田さんも世の中のそんな動きを感じられた結果がクラウドワークスになっているところはあると思うんですが。

吉田:はい、それはありますね。具体的にどういう方が集まってきますか?

池谷:僕たちの場合はモノづくりなので、スマートエデュケーションがどういった想いでアプリをつくっているのか、その辺に共感してくれる人が多いですね。

エンジニアさんにはパパが多いです。つくってる最中のアプリを子どもに見せてもいいですか?とかって聞かれたり。機密事項なんで本当はダメなんですけど、全然オッケーですよって。

今までは、お父さんが何をつくってるかわからないって感じだったのが、うちのアプリって娘や息子も遊べるから喜んでもらえて。それがモチベーションにもつながる部分があるようです。

吉田:必ずしもオフィスに常駐して開発するということではないんですよね?

池谷:外注のエンジニアは、ほとんどが自宅で開発されています。ただ必要に応じて週に1回、2回会ったり、SkypeやRedmineを使ってコミュニケーションしています。

開発の最後のフェーズになると細かい擦り合わせも出てくるので来社してもらったり。正社員もそうですけれど、オフィスに来ることを義務にはしていなくて、それより結果を残すことを重視しています。

知育アプリの一本一本がメディア

吉田:だいぶ核心から入ってしまったんですけど、改めてスマートエデュケーションのサービスについて聞かせてもらえますか。

池谷:スマートフォンやタブレット向けの子ども用玩具(アプリ)の企画や開発、販売をしています。日本国内で、知育アプリっていわれるところの専業者って未だにうちしかいなくて。

とはいえ、この半年くらいで何社か参入されると思います。グローバルで見ると、僕らより全然大きいプレイヤーがいます。子どもたちがこういうもので遊んだり学ぶことは決して不思議ではないんですが、専業者がいなくて、僕たちはそこへの参入を決めました。

池谷:例えば「おやこでリズムオンステージ」というアプリ(2013年10月14日にリリース済み)があって。色んな楽器や声から成る音楽を、オーケストラをつくるみたいな感覚で自分で組み合わせられるんです。

うちが目指してるのは、子どもを子ども扱いしないことで、大人でも楽しめるくらいのものを子どもに使ってもらおうと思っています。アプリの中の楽曲を幅広く用意していたり、あとは絵本アプリをつくったりもしてますね。

吉田:今は何本くらいのアプリを出してるんですか。

池谷:9本です(2013年9月6日現在)。ただ、あまり小さなアプリをたくさん出していく気はなくて、一本一本がメディアだと思っているので、「おやこでリズムオンステージ」も2曲は無料で、他は使い放題の月額制で販売するモデルです。だから、アプリ数を増やすより、一本のアプリの中でたくさん更新していくっていうことを考えています。

吉田:なるほど。曲は何曲くらい提供していますか?

池谷:今で300曲くらいです。最初にアプリをリリースした頃は20曲くらいでした。「アンパンマンのマーチ」とか、「となりのトトロ」とか定番ばかり。それを毎月どんどん増やしていって、今では子どもの歌で入っていないものがないくらいだと思います。例えばプリキュアなら1年に1回曲が変わるので、そうするとすぐにそれを入れたり。最近だと、ジブリの「風立ちぬ」とか。

吉田:へー。そういう手配ってすごく大変なんじゃないですか。ライセンスとか。

池谷:オリジナルの原盤は、レーベルさんに原盤権という利用料を支払うんですが、これが一般的に高額です。それは大変なので、原盤を全部自分たちでつくっています。歌い手さんがいて、それを提携先の専用スタジオでレコーディングして配信しているので、実際のコストは著作権のみです。着メロみたいなもんですね。このやり方で、1ヶ月に10曲くらい制作しています。

吉田:そういう意味では、前職のシーエー・モバイル時代のコンテンツ制作のノウハウがけっこう活きてるんですか?

池谷:活きてますね。「マルマルモリモリ」とか、昔なら「だんご3兄弟」みたいな子どものヒット曲がハマると、どーんと売り上がるモデルですよね。

吉田:生活にひもづいたサービスをつくってるっていうモチベーションもあるし、社内は楽しそうですね。

池谷:そうですね。非常にわかりやすいビジネスですからね。歌をつくって歌を売るとか、本をつくって本を売るみたいな。最初だったので堅実にビジネスになるもの、スタンダードなものをつくっていったって感じですけどね。

2社の共通点は、社長の遅咲き起業?!

吉田:ちなみに会社としての中長期ビジョンというか、最終的なミッションみたいなものって掲げられてますか。

池谷:ありますよ。僕らの社是は、「いきる力を育てたい」というものです。いきる力って何かというと、これからの時代はITがすごく大きいと思っていて、小さい子どもたちが早くからそれに触れた方がいい。社会に出たら当たり前に使うものだし、幼稚園や保育園、小学校で使っていても悪くないと思っています。タイピングを教えるかどうかは別ですけど、触れているのと触れていないので距離感が違う。スマートデバイスを使いこなすITリテラシーが、これからの世を生きるための重要な力の一つだと思っています。だから、距離感を縮めるためにも早めに安全に触れて欲しいという気持ちでつくっていますね。

吉田:そもそも、起業する時に教育を選んだ理由ってありました?

池谷: 子どもも居ますし、最初は「金儲けしなくては」という部分もあったんですけども。僕ら、吉田さんもそうですけど起業が遅いじゃないですか。

吉田:そうですね。我々の共通点としてありますね。僕は37歳で起業しています。

池谷:僕は35歳。もちろん大先輩から言えば若いんですけど、インターネット業界だと、そこで起業するの?みたいな感じなんですよね。もっと早く気づけたら、もっと早く起業できてたかもしれないけど。もし、デバイスや環境が揃っていて、今の学生さんみたいに情報収集ができていたら、大学を卒業して起業という道を選んでいたかもしれないかなとは思います。そういう点からも教育というテーマに興味を持ちました。

ー今の若い人の中には、社会に出ることなく起業する方も増えていますが、お2人は振り返ってみてどうですか。

吉田:ビジネス的なオペレーションに関しては、かなり見える中でできる感じはありますね。

池谷:そうですね。ベテランにはベテランなりの良さがあるというか。決して、絶対若くして起業した方がいいとは言い切らないですね。ただ、選択肢は平等にあるべきだと思っているので、選択肢があるのはいいことだと思います。起業のタイミングがすごく早かったから成功も早かった人もいるだろうし。

吉田:ゼロイチのところは、けっこうビジネス経験とは関係なくて。イチが立ち上がった後にどう回していくかっていうところは得意だし、できるというか。ゼロイチのところは、もしかすると若い人でもいきなりピッと当たる可能性はあるかなと思いますね。

ーお2人は、そもそもなぜそのタイミングで起業しようと思われたんでしょうか。

吉田:私はドリコムの役員で上場してみて、正直、当時は自分に自信があって。役員で上場したんだから俺だってできるだろうと思って独立したのが2008年くらいです。会社としては儲かっていましたけど、ちゃんとしたサービスや事業をつくれずに受託とかコンサルで食べる期間が3年くらい続いて。

この毎日って自分が望んでいたものだろうか?って思うようになった頃、ナンバー2の役員が離反して取引先を持って独立をしたことがありました。それをきっかけに、自分の何がいけなかったんだろうって考えると、やっぱり大きな夢をひとつ掲げてそれに集中していなかったことだと。要はお金儲けになっていたんですね。

池谷:なるほど。

吉田:それがきっかけになりました。前職の流れでいくと自分自身の強みはBtoBのシステム開発の営業だったので、そういったシステム開発の営業の延長戦の大きなパラダイムシフトはなんだろうって考えて。

そこでクラウドソーシングというものが思い浮かんだというストーリーですね。池谷さんは、シーエー・モバイルからすぐ独立でしたっけ。

池谷:そうですね。シーエー・モバイルの子会社、サイバーエージェントの孫会社の社長をやってから起業ですね。それが会社員時代の最後なので、34歳くらい。ソーシャルアプリなんかをやっていて儲かってはいたんですが、自ら起業して新しい価値を世の中に生み出さないとという想いがあって。

三木谷さんや孫さん、堀江さんもそうですけど、皆さんゼロイチで市場をつくっていますよね。そういうことに、人生でいっぺんくらいはチャレンジしてみるべきだなって思って起業しました。ちょっとしたロマンというか。教育をやろうと決めたのは、起業を決意した後の話ですね。

吉田:シーエー・モバイルってけっこう長かったです?

池谷:8年いましたね。平社員で入って、最後は取締役までなったのでけっこう出世はしたんだと思うんですけど。30代半ばになると、2つ道があると考えました。サイバーエージェント本体に入っていく、もしくは起業のどちらか。僕は後者を選びました。会社員としてすごくいい給料をもらっていたので経済的な不満はまったくなかったですけれど、やっぱり人ってそこだけじゃないですよね。儲けることはいくらでもできるかもしれないけれど、新しい価値を生み出したいっていう野望がある。それは吉田さんも一緒ですよね。

吉田:それはそうですね。ただのお金儲けじゃなくて、社会の役に立ちたいというか。そういう意味では、まさに今の知育アプリっていうのはリアルに子どもたちの役に立てますよね。

池谷:ありがとうございます、そうありたいですね。クラウドワークスさんは何を目指してらっしゃるんですか。

吉田クラウドワークスの目的は、21世紀の新しいワークスタイルを提供することです。企業の側から個人を最適化するのではなくて、個人の働き方の最適化を考えるというか。大枠でいうと、20世紀に国とか企業っていう枠組みができた。

今はインターネットによって、個人と個人が直接つながる世の中なので、そこで新しいワークスタイルをつくっていこうというのはひとつの試みですね。クライアントも、日本全国の個人に対してダイレクトに仕事が出せて、リーズナブルかつ迅速に色んなものが発注できる世の中になると思っています。

(後編につづく)

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掲載企業

株式会社スマートエデュケーション
会社名:株式会社スマートエデュケーション(SMARTEDUCATION,LTD.)
所在地:〒141-0031 東京都品川区西五反田2-4-2 東海ビル
連絡先:03-6431-8910 / info@smarteducation.jp
設立:2011年6月7日
資本金:469,258千円
代表取締役:池谷 大吾
事業内容:学習教材の企画、制作、販売
企業URL:http://smarteducation.jp/
クラウドワークス:プロフィール

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