コンテンツマーケティングとは、ユーザーに何らかのメリットがあるコンテンツを通じ、商品の購買に繋げていくマーケティング手法です。SNSの発達をきっかけに急速に広がってきた新しい手法だと思われがちですが、コンテンツマーケティングの歴史は意外に古く、最古のものは紀元前4200年前にまで遡ると言われています。
ここでは、知っているようで知らないコンテンツマーケティングの歴史について解説していきます。
コンテンツマーケティングの種は紀元前から芽吹いていた
コンテンツマーケティングの起源は紀元前4200年前の壁画にあるかもしれないと考えられています。この壁画には槍で熊から身を守る方法が描かれており、古代の人々がこの壁画を参考にして熊と戦う術を学んでいた可能性は十分にあるでしょう。実際にこの壁画がコンテンツマーケティングの一貫として描かれたかどうかは定かではありません。
しかし、この壁画を作った人物が「槍の製造職人」だった場合、壁画を通じて「槍があれば熊から身を守れる」というアピールが出来たことになり、壁画を見た人が槍を沢山買っていった可能性があります。
想像の域を全く出ないものですが、この事例を見る限りコンテンツマーケティングという発想自体は全く新しいものではないということが分かります。コンテンツマーケティングは経済活動に携わる様々な人々が無意識のうちにやってきたことであり、記録に残っていないものの歴史上広く行われてきたことは想像に難くないでしょう。
雑誌や書籍を使ったコンテンツマーケティングの歴史は非常に古い
コンテンツマーケティングは様々なツールを使って行われてきましたが、中でも歴史が古いのは雑誌や書籍を使った手法です。1895年から始まったアメリカの雑誌「The Furrow」は「John Deere」という農機具メーカーによって刊行されたものですが、内容は農業の技術解説を中心としたもので農機具の宣伝ではありませんでした。読者はあくまで農業の知識を得るために雑誌を読みます。
しかし、技術解説の中で使われている農機具は「John Deere」の製品であり、雑誌で紹介された技術を正確に実践するために同じメーカーの農機具を購入した人が数多くいました。
また、旅行ガイドブックとして知られる「ミシュランガイド」もコンテンツマーケティングによって生まれたものです。ミシュランガイドは1900年から始まったものですが、ガイドブックを刊行しているミシュランはフランスのタイヤメーカーであり、旅行会社などではありません。
実のところ、ミシュランが旅行ガイドブックを作ったのは「読者に自動車で旅行に行ってもらいたいから」です。遠方で旅行する人が増えればタイヤの消費が増え、タイヤ市場が活気づけばミシュランは儲かります。風が吹けば桶屋が儲かる的な発想ですが、コンテンツマーケティングにはこういう発想も大切なことが分かるでしょう。
インターネットで爆発的に広がったコンテンツマーケティング
雑誌や書籍を使ったコンテンツマーケティングの歴史は古いものの、看板広告やテレビCM程の直接的な効果は期待できず、そこまで大きな広がりはありませんでした。
しかし、インターネットの登場で状況は一変します。企業がインターネット上にウェブサイトを作れるようになり、自社メディアを運営できるようになると雑誌や書籍のように印紙代をかけずにコンテンツマーケティングを行うことができるようになります。また、ブログやSNSが一般的になってきたことで消費者に情報を届ける手段が増え、コンテンツマーケティングも様々な方法で行うことができるようになりました。
2001年になるとコンテンツマーケティングという手法が少しずつ認知されるようになり、2004年にはMicrosoftがChannel9というコミュニティサイトを作ります。Channel9によってMicrosoftとユーザーはブログ・動画・掲示板・ラジオなど、様々な手段で情報を発信する事が出来るようになり、ユーザーの問題解決や企業イメージの改善などに役立ちました。
自社サイトを作る以外にもYouTube・Facebook・Twitterなどを使ったコンテンツマーケティングも広がります。ミキサーメーカーのBlentecが自社のミキサーで次々に電子機器を破壊する動画をYouTubeに上げると、それがSNSを通じて一気に拡散され、Blentecの知名度と製品の頑強性が広く知られるようになります。
動画自体は「面白い」「衝撃的」というだけのものですが、動画コンテンツを使って情報発信に成功した良い例と言えるでしょう。
まとめ
コンテンツマーケティングというの発想は自由度が高く、その歴史を見ていくと本当に様々なコンテンツマーケティングが存在した事がわかります。インターネットとSNSが一般的になった現代ではその方法がさらに増え、安価になり、もはや企業のマーケティングに欠かせないツールになりました。この歴史を知ることで新しいコンテンツマーケティングを一面に気づければ幸いです。