近年スマホの普及などにより動画広告市場が成長する中で、企業側もYouTubeなどの動画プラットフォームを用いてプロモーションをする機会は増えてきています。
一方で実際にYouTube広告を実施する上で効果があるのか、そもそもどう運用を開始するのか等を懸念しているマーケティング担当の方も多くいるかと思います。
今回はYouTube動画広告を検討している企業のマーケティング担当者向けに、YouTube動画広告の特徴や実際運用する上での流れを中心に解説していきます。検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
そもそもYouTubeの動画広告とは?
YouTube上の動画広告の特徴
YouTubeとは、世界中で10億人程度のユーザーを抱えている動画のプラットフォームです。YouTube上に動画広告を掲載することで、視聴者が動画を開始する前や見ている途中に広告が再生される仕組みになっています。
YouTubeを視聴しているユーザーは様々な属性がいるため、企業がリーチしたいと考えているターゲットに対して直接動画広告にて訴求できるという特徴があります。
YouTube広告が注目される理由
YouTube上の動画広告が注目されている理由は、動画広告の効果の高さと動画広告で世界最大規模のユーザー数です。
米国の動画に関するマーケティングを専門とする企業「adform」が発表した調査「Degital advertising benchmark report」によって、動画広告は通常のバナー広告よりも約四倍のクリック率があることが報告されました。
他にも、静止画よりもイメージとして残りやすく、目と耳両方に対して働きかけができる動画のため 通常のテキストや画像のみの広告よりも多くの情報を伝えられることも注目される要因になっています。
これらによって、YouTubeの動画広告は2016年からの二年間で中小企業のYouTube上の動画広告掲載数が二倍増え、大企業からも注目を集めているのです。
YouTubeの動画広告のメリットとは?
見込み顧客の獲得
商品やサービスに関して、視聴者が憧れを抱くような動画広告を流すことによって、商品やサービスに対するイメージを顧客に向上させることができます。動画を通して実際に商品、サービスを使っている様子を想像しやすくなるので、商品、サービスのファンになってもらうことで、将来的な購入につながります。
ブランドの認知度をあげる
YouTubeの動画広告に対するユーザーの興味を引くことで、商品、サービスのブランドを視聴者に知ってもらうことができます。
テキスト広告よりも動画のほうが人間にとって記憶に残りやすいので、他のネット広告よりも多くの人に認知を広げることができます。大きなインパクトを与えるためには、視聴者の印象に残る斬新なアイデアが必要となります。
ブランドの商品の購入促進
動画広告を閲覧してより詳しく知りたいユーザーは、動画内のリンクを通して商品のサイトにすぐアクセスすることができます。テレビCMと比べて興味・関心を持ったユーザーに即座にリーチすることができるので、自社ブランドの商品・サービスの購入を促すことができます。
YouTube動画広告の種類は?
TureViewインストリーム広告
TureViewインストリーム広告とは、動画が再生される前、再生中、そして再生後に動画広告が表示される形式の動画広告のことを指します。また、この形式は動画広告が再生し始めてから5秒後に 視聴者はスキップできる仕様もあります。
主なメリットとして、多くの視聴者に対してアプローチできるので、商品・サービスに対して潜在的なニーズを持つユーザーにリーチですることができます。
TureViewディスカバリー広告
TureViewディスカバリー広告とは、ユーザーが見たい動画をYouTube上で調べているときに、動画広告が表示される広告形式です。
この広告はYouTubeの検索結果やYouTubeの関連動画の横や、スマートフォン版のトップページに貼られており、テキストと動画のサムネイル画像で表示されます。広告をクリックされることで動画が再生するので、動画自体を作りこむことが重要です。
YouTubeの動画再生ページやチャンネルページで動画再生が行われます。動画広告を見る前に広告自体をクリックする必要があるため、商品やブランドに対して購入を検討している視聴者にアプローチすることができます。
バンパー広告
バンパー広告は、三つの広告形式の中で最も新しい広告です。6秒以内の動画でスキップできないことを特徴としていて、YouTubeに投稿されている動画の再生前 、再生中、そして再生後に再生されます。
短い動画ですが、スキップされることなく視聴者に対して商品やサービスの訴求ができるので、幅広いユーザーに対してブランドの認知を高めることができます。ユーザー側の意思に関わらず、訴求したい内容をすべて伝えられることがインストリーム広告との違いです。
YouTubeに動画広告を出す方法は?
1.広告の目標とターゲットを設定する
あらかじめYouTube動画広告の目的を設定することで注力すべき広告の指標が大きく変わってきます。例えば、動画広告で自社への問い合わせ、申し込みにつなげるという目的であれば、動画広告を流した後にみるべき指標は、CTR(クリック率)や獲得単価となるでしょう。
また、設定した目的に合わせてどのようなユーザー層なのかというターゲットのイメージが必要になります。YouTubeの動画広告では、セグメント機能をうまく活用することが成功のカギとなるので、できるだけ詳細なターゲット設定を行ってください。
2.効果をイメージして広告の種類を選ぶ
YouTubeの動画広告には、三種類の広告形式があり、それぞれに期待できる効果が違うので、設定した目的に合った種類の動画広告を選びましょう。
例えば、TureViewインストリーム広告ならば、見込み顧客の獲得やブランド認知度を上げるために顧客にリーチすることができるや、TureViewディスカバリー広告は、ブランドや商品に対して購入を促していくことができるでしょう。他にも、バンパー広告であればブランドに対する認知度を上げることが見込めます。
3.視聴者を意識して広告動画を作成する
動画作成にはいくつか抑えておくべきコツがあります。例えば、インストリーム広告の重要なポイントは、5秒後にスキップされて動画の効果が失われないように、5秒以内にユーザーの関心を惹けるかです。
ディスカバリー広告は、クリックしてもらわないと動画広告が流れないので、まず動画タイトル、サムネイル画像と説明文で確実に視聴者の興味を引く必要があります 。これらのコツを意識して動画制作しましょう。
YouTube動画広告の料金はどれくらい?
クリック単価ではなく、視聴単価
リスティング広告と大きく異なることは、YouTubeの動画広告がクリックで広告費が発生するわけではないという点です。YouTubeの動画広告は視聴単価といわれるものによって、広告費が計上されています。
具体的には30秒以上(30秒未満なら最後まで)視聴した場合や視聴者がリンクにアクセスした場合に、広告費用が発生するということです。しかし、バンパー広告はスキップができないという特徴をもっているので、視聴単価ではなく、CPM課金(Cost per Mille)となっているので注意してください。
※CPMとは、インターネット上での広告掲載料金の費用対効果を示すために用いられる代表的な指標。掲載回数1000回(1000インプレッション)あたりの料金。参照:日立ソリューションズIT辞典
YouTube広告の種類別・料金の目安
YouTube動画広告で共通している点は、入札によって広告費が決定することですね。しかし、三種類のYouTubeの動画広告は入札価格にばらつきがあるので、注意が必要です。
TureViewインストリーム広告は、配信を始めたときは、1再生当たり数十円くらいで入札するのが良いとされていますが、多くの視聴者を確保したい場合は、入札金額を吊り上げることが必要です。
TureViewディスカバリー広告の目安は1再生当たり10円前後 とされており広告を運用しながら単価を上げていくべきだとされています。またバンパー広告は、範囲がひろいので一概にこの金額であるということ言い切ることはできません が、目安としては、1000回表示で400円程度です。
YouTube関連の費用や仕組みについてさらに詳しく知りたい方は、以下の動画もぜひご覧ください。
まとめ
YouTubeの動画広告は、他のネット広告と比較すると、より高いクリック率や多くの情報が得られる効果が見込めますが、TureViewインストリーム広告、TureViewディスカバリー広告やバンパー広告の三つの種類があるので、それぞれの特徴をつかみ運用することが大切です。
なんのためにYouTubeに動画広告を出すのかは常に意識して、動画広告の作成に当たりましょう。