マーケティング
公開日: 2019.09.25 / 最終更新日: 2020.01.06

カスタマーサクセスとは?設定すべきKPIや企業事例などを紹介!

カスタマーサクセスという言葉をご存知でしょうか。SaaS業界を中心に日本でも注目されてきているのがカスタマーサクセスですが、その概要やカスタマーサポートとの違い、具体的な仕事内容などを成功事例と合わせて紹介します。

カスタマーサクセスとは?


最初に、カスタマーサクセスの意味と、カスタマーサポートとの違いについて説明します。

直訳すると「顧客の成功」

「カスタマーサクセス」とは、直訳すると「顧客の成功」という意味です。顧客が成し遂げようとしている業績アップなどの「成功」に向けて、能動的に問題や課題解決を支援する機能や戦略、組織、オペレーションなどをさします。

顧客からの要望がなくても顧客がアクションできるように積極的に働きかけ、継続的な関係性を築きながら、顧客の満足度向上を図ることを目的としています。

カスタマーサポートとの違い

「カスタマーサクセス」と似た言葉に、「カスタマーサポート」があります。両者の違いは、カスタマーサポートの目的が「顧客の問題や課題解決のサポートをする」ことであるのに対し、カスタマーサクセスの目的は「顧客を業績アップ・目標達成などの成功に導く」ことです。

前者が「顧客の問合せやクレームなど、起きてしまった案件に対応するサポート」であれば、後者は「顧客に発生しうる問題や課題も先読みして、防止策や対策も含めたサポート」となります。顧客が知り得ていないことも含めて支援しながら成功に導くのが、カスタマーサクセスの特徴です。

SaaS(サース)との関係が深い

カスタマーサクセスは「SaaS」との関係が深いといわれます。SaaSとはSoftware as a Serviceの略で、クラウドで提供されるソフトウェアのことをさします。わかりやすくいうと、ユーザーが今までパッケージ製品を購入していたものが、インターネット経由で利用できるようになったサービスのことです。GmailやDropbox、ブログサービス、Salesforceなどがこれにあたります。

カスタマーサクセスが注目されるようになった背景には、「SaaS」のようなサブスクリプション型のビジネスモデルが普及したことがあります。

なぜカスタマーサクセスが注目されているのか?


カスタマーサクセスが注目されるようになったのは、以下の理由によります。

営業スタイルの変化

従来の営業スタイルの多くが、「売ってしまえば終わり」「契約を取れば終わり」の売り切り型商品の営業でした。しかし、「SaaS」のように契約後に使い続けて利用料を支払うサブスクリプション型のサービスは、「契約がスタート」でもあり、その後にさまざまな顧客フォローが必要です。

そのため、何か問題が起きると顧客がすぐに離れてしまうリスクがあり、常に問題を事前に食い止めて課題を見つけ出しながら、より顧客のビジネスを向上させる提案を継続させる必要があります。こうした営業スタイルの変化により、カスタマーサクセスが脚光を浴びるようになりました。

ビジネスモデルの変化

「モノを買って所有する」のではなく、「利用期間に応じて支払う」サブスクリプション型のサービスが主流になったことで、ビジネスモデルが大きく変化してきています。

今やBtoCだけではなくBtoB業界においても、DropboxやSalesforceなど、ベンダーやプロバイダーによる月額課金方式が浸透しています。SaaS市場は平均10%の成長率で伸び続けており、2020年には約3,800億円もの市場規模になるという予測もされているため、今後もこのモデルがますます拡大すると考えられます。

カスタマーサクセスの仕事内容とは


カスタマーサクセスの仕事とは具体的にどのようなものかを説明します。

自社サービスのサポート

自社商品やサービスの利用で、顧客側の問題としてもっとも多い声が「使い方がわからない」「有効活用できない」です。これらは、カスタマーサクセスによって事前に対処策を用意しておくことができます。購入前の資料提供やセミナー開催による支援、導入時のトレーニングや研修、導入後に活用事例や役立つ情報を提供するなどのフォローを行うことで、顧客の満足度を向上させます。

顧客に価値を提供

カスタマーサクセスの概念は積極的に顧客の成功を促す支援となるため、「顧客に価値を提供する」ということは「顧客自らが価値をうみだすように仕向ける」ことになります。顧客が間違った方向に進みそうなときは、反対をするのではなく、訂正案を提案しながら本来の道へと軌道修正していきます。

業務の改善/向上

カスタマーサクセスは事業のみの成功へと導くのではなく、連動している組織内のオペレーションも含めて業務改善・向上を目指した課題解決を行います。これにより、組織全体でうみ出される利益=業績の向上へとつなげていきます。

カスタマーサクセスで設定すべきKPIとは


カスタマーサクセスのKPIはどのように設定するのでしょうか。

継続率

カスタマーサクセスのKPIとして重要なのが、サービスを継続して利用してもらう「継続率」でしょう。顧客の新規獲得よりも、現在利用している既存客をいかに解約させないかが重要で、継続利用客が増えれば増えるほど売上が積み上げられて安定収入につながります。

アップセル/クロスセル

サブスクリプション方式のサービスでは、アップセル・クロスセルも重要な手法です。サービスに対する満足度が高い顧客は、上位のアップセルやクロスセルの製品を購入する傾向があり、顧客単価向上につながります。つまり、顧客単価向上の指標であるアップセル・クロスセルの成約数を上げると顧客満足度も上がることになり、長期的な利用継続につながっていきます。

カスタマーサポートとはKPI値が異なる

カスタマーサポートのKPIは、問合せやクレームなどに対する処理が対象となります。問合せにいかにスピーディに対応できたか、何人の問題を解決できたかという、いわゆる「事後」の結果が基準となります。

一方、カスタマーサクセスは、顧客の体験をよりよいものにしてくことが基準となります。問合せにいかにスピーディに対応するか、問題がおきたらどう対処するかという、サービスに対する契約や更新の「事前」にKPIを設定することが重要となります。これが、カスタマーサクセスとカスタマーサポートのKPI値の違いです。

カスタマーサクセスの成功事例5選


最後に、カスタマーサクセスを上手に活かしている成功事例を紹介しましょう。

Freee

個人事業主・中小企業向けの会計ソフト「freee」を提供しているFreeeは、顧客のログイン状況や取引登録、入力の頻度などで、顧客がどれだけつまずいているかを点数化。つまずきの多い高得点者には直接連絡をして障壁を解決するようにしています。

その結果、同社がKPIのひとつとして掲げる顧客満足度が、2015年調査では前年の66%から86%へ飛躍的に向上しました。今ではチャーン率や既存顧客の契約金向上なども組み入れて、カスタマーサクセスに積極的に取り組んでいます。

Salesforce(セールスフォース)

クラウド上で顧客管理・営業管理サービスを提供しているSalesforceは、KPIを「契約更新率」としています。契約更新の半年~数カ月前に活用度調査を行い、そのスコアに応じて、それぞれの顧客に応じたカスタマーサクセスを施しています。また、営業によるヒアリングで継続の意志を確認しながら、顧客満足度向上も目指しています。

Sansan

名刺管理サービスを提供しているSansanは、顧客の契約維持を重要な指標と捉え、カスタマーサクセスによりチャーン管理や顧客満足度の向上対策を行っています。そのため、恒常的な顧客の利用状況のモニタリングや、「契約規模」と「導入フェーズ」の2軸で顧客をセグメントして対応指針を決めるなどを積極的に進めています。

Adobe

IllustratorやPhotoshopなどを提供するAdobeでは、顧客がソフトウェアを購入してバージョンアップするごとに新しいパッケージ購入が必要だった従来型から、クラウド上でソフトウェアを提供できる「Creative Cloud」をスタートさせました。これにより、何世代も前のバージョンを利用していたユーザーも月額で新バージョンを利用できるようになり、顧客満足度の向上につながっています。

マネーフォワード

個人向け資産管理・家計管理ツール「マネーフォワード ME」を提供しているマネーフォワードも、カスタマーサクセスを導入して成功した企業のひとつです。同社ではテスターを使ってサイト内でのユーザーの動きを計測したところ、ヘルプページをさまようユーザーが続出していることを発見しました。その結果をもとにユーザビリティを向上させてリリースしたところ、ネガティブなフィードバックやヘルプページ利用が激減しました。

まとめ

最近SaaS業界を中心に注目されているカスタマーサクセスですが、サブスクリプション型のサービスやSaaS市場の拡大に伴い、ますます必要となる機能といえます。カスタマーサクセス導入を考えている場合は、ぜひ今回の記事を参考に導入を検討してみてください。

マーケティング担当者が
実施を検討したい25コの施策リストとは?

プロモーション施策や体制等で悩む担当者へ、25個の施策リストや実現可能な体制構築のカギを紹介します。

【こんな方におすすめ】
・施策リストをまとめて確認したい
・施策を決定する際の基準を知りたい
・施策が実行できる体制を作りたい

coolpolaris
広告代理店でマーケティングやストラティジックプランナー、ライター等を長年担当。専門は統合マーケティングコミュニケーションで、リサーチ実施・分析及びWEBも含めたトータルコミュニケーションプランやの構築やブランディングを得意とする。WEBマーケティング経験も多数。         

コメントは受け付けていません。