マーケティング
2019.10.31
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データ分析で使える手法とは?代表的な5つと企業の活用事例を紹介

データ分析はマーケティングでのさまざまな場面で必要になる工程です。マーケティングデータやアンケートデータ、商品開発におけるデータも、正しい分析をしないと最大限の情報を引き出せません。では、データ分析はどのように行えば良いのでしょうか。主な5つの手法と企業の活用事例について紹介します。

データ分析とは?


データ分析とは、何らかの目的で集められた膨大なデータの中から、目的に合う形で必要な内容を抽出することです。ITの発達で取得できるデータは膨大にあるものの、収集された段階ではどのデータも関連性をもちません。蓄えられたデータは「分析」されることで初めて意味を持ちます。また、分析の過程で雑多なデータを決まった形に分類したり、整理したりすることもデータ分析の一部です。

なお、データ分析をする背景には必ず目的があるため、目的から導かれる結果として適切かどうか、分析者が正しく判断できるかどうかも重要です。分析者は、分析の結果に対する判断力をはじめ、分析がなぜ必要なのかの理解や、分析を行う手法についても理解をしている必要があります。

【基本】データ分析手法5選


データ分析を行う場合、基本的には以下5つの方法のうちどれかを選択します。

クロス集計

データ分析の中でもっとも基本的な手法となるのは、クロス集計です。複数の質問に対して軸を設け、軸と軸とを掛け合わせて見る手法となります。たとえば、年齢と来店頻度の掛け合わせをして、数量とカテゴリーなど2つ以上の回答をクロスしてまとめることで、見えてくる結果を分析をしていくような手法です。

ロジスティック回帰分析

量的変数から質的変数を予測する分析方法が、ロジスティック回帰分析です。1か0かどのように変化するのかを分析するのではなく、1になる確率がどのくらいかを割り出します。リスク因子による病気の発症確率や、マーケティングの購買率分析などに多く使われる手法です。

アソシエーション分析

ビッグデータを利用して相関関係を分析する手法は、アソシエーション分析と言います。一見関係ないようなデータでも、関係性を分析していくと思いもよらない関連性が見えてくることがあります。ECでよく見かける「この商品を買った方はこんな商品も購入しています」というレコメンドには、アソシエーション分析が活用されています。

クラスター分析

クラスター分析とは、さまざまなデータを関連性のあるグループに分類し、その属性を分析する手法です。分類したグループのことを「クラスター」と呼びます。クラスター分析は、ユーザーのセグメントやブランディングに使われることが多いです。

決定木分析

決定木分析とは、仮説を繰り返し検証して、「あの時どうなったからこうなった」という原因から想定される結果を何パターンも作る手法です。仮説を繰り返して行うプロセスを書き起こすと、樹木のように見えることから「決定木」と呼ばれています。分岐点を起点として整理が可能なため、原因を起点としてどのような対処ができるのかを考えるリスクマネジメントによく使われる手法です。

データ分析手法を使いこなすには


データ分析を行うには、具体的にどのようなツールが必要になるのでしょうか。分析するデータの量によってツールを使い分ける必要があります。

初心者ならエクセルで十分

データ分析は難しいというイメージがありますが、基本は集計する作業です。たとえば、ピボットテーブルや、「&」を使った集計キーを作ることで、複雑な関数などが分からなくても本格的なデータ分析が可能です。

ピボットテーブルでは、大量のデータをもとに分析や集計を自在にできます。「ただデータが集まっているだけ」の状態だとしても、知りたいことや分析したいことがあればそれらをもとに集計が可能です。また、&キーは複数の項目を足して集計キーを作りたい時に便利です。

大量データ分析ならBIツールを活用

BIツールとは、大量のデータ分析・解析に特化したツールです。BIツールとエクセルの違いは、異なる形式のデータや大量データをまとめて分析できる点。同じ形式であればエクセルだけでも問題ありませんが、形式が異なると統合する手間がどうしても発生します。その点、BIツールの中には異なる形式を統合してくれるものもあります。

また、エクセルでは重くなってしないがちなボリュームのデータでも、BIツールを使えばスムーズです。特に、上述のピボットテーブルや関数を使用した分析データは重くなりがち。大量のデータからの抽出が必要、かつ、安全に分析することを考えるならば迷わずBIデータを活用しましょう。

データ分析手法を活用する注意点


データ分析を行ううえでは以下の2点に注意してください。

分析には明確な目的をもつ

明確な目的がないことには、分析をするための手法を選ぶこともできません。ただ何となくデータ分析をしていても意味がありません。「売上を伸ばしたい」「課題を解決したい」など、何のために分析するのかをはっきりと設定しましょう。

分析結果に対する判断が必要

分析した結果に対してどのような戦略にすれば良いのかということまでは、残念ながらデータが教えてくれるわけではありません。当然ですが、ただ分析しただけでは設定した目的が達成されるわけではないので、分析データをもとにどのような戦略を行うのかは、関わる人間や分析者の判断が必要になります。

データマーケティングを成功させるには3つの条件があります。よりデータ分析をマーケティングに生かすために、こちらの記事も参考にしてみてください。
関連記事:データマーケティングとは?やり方から企業事例まで詳しく解説

データ分析手法を活用した事例


最後に、データ分析手法を活用した企業の事例を4つ紹介します。どのようにデータ分析を活かしているのか、ぜひ参考にしてみてください。

スシロー:廃棄量の大幅減少に成功

回転寿司大手のスシローは、各店舗に「回転すし総合管理システム」を導入しました。2002年から全店に導入されたこのシステムは、顧客の需要を予測することはもちろん、供給指示や鮮度管理まで、回転寿司には欠かせない業務を担っています。

たとえば、需要の予測をするために、皿の裏にはICチップを取り付けて寿司のネタごとの売れ筋を把握。また、ネタによってレーンを流れる距離が決められており、距離をオーバーした寿司は自動的に廃棄される仕組みになっています。さらに、1分後と15分後における喫食パワーを予測するシステムも完備。これらによって廃棄量を4分の1にすることに成功しています。

ローソン:POSに加えPontaデータも活用

ローソンでは、「POSデータ」をさらに深めた分析となる「Pontaデータ」を活用することで、決して売れ筋ではない菓子パンの「ほろにがショコラブラン」を販売し続けています。

Pontaデータでもっとも重要にしている指標はリピート率ですが、このパンをPontaデータから分析したところ、一部の女性顧客から頻繁に購入されていることが判明。単純な売れ筋ランキングだけでは見えてこない、「本当に支持されている理由」がデータ分析から分かったのです。複数のデータ分析によって、特定商品を繰り返し購入している貴重なリピーターを失わずに済んだ事例です。

ヤクルト:20%の売上増を実現

ヤクルトのオランダ法人では、商品ごとに社員が表を作って管理しており、どの商品がどれだけ売れているのか一元管理ができない状態だったため、データ分析ソフトを導入しました。そうすると、ヤクルトの15本パックと7本パックは顧客層が違うことが判明。どちらか一方だけを陳列している店舗には、両方を陳列することで売上増加になることが分かったのです。

このように、顧客の購買データを分析することによって、顧客の習慣的購買行動を把握することに成功しました。データをベースにして販売戦略を見直した結果、15~20%の売上増という成果をあげています。

楽天:Eコマースの売上が急増

日本の大手ECである楽天は、自社開発の巨大なデータベース「SuperDB」を持っています。そのデータベース活用の代表的な例が、おすすめ機能(レコメンド機能)です。顧客のデータをベースに、社会的ニュースなどのあらゆる要素も判断材料として分析しています。

また、ロングテール商品による顧客の分析も行い、売れ筋商品のランキングの更新頻度を短縮したり、商品ジャンルをさらに細分化。それに加えて、検索時の入力ミスや省略言葉があっても正しい言葉が提示されるようにし、全体的な売上向上につながっています。

まとめ

データ分析は、企業戦略を行う上では戦略の根拠となる重要なパートです。分析したデータをどのように活用するのかが特に重要となりますが、そのためにはなぜ分析が必要なのか目的を明確化しましょう。抽出したデータに合った分析手法を使ってデータ分析を行い、課題を解決できるような戦略を練ることがおすすめです。

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伊藤孝介
セールスプロモーション会社を経て独立し、フリーランスで地方自治体や中小企業のマーケティングリサーチ、販促企画などに携わる。 業務拡大のため2017年に合同会社を設立し、現在経営中。 マーケティング系ライター歴5年。マーケティング用語の解説や、事例紹介、WEBマーケティングなどが得意。

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