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公開日: 2019.11.20

組織変革のプロセスやフレームワークとは?具体的な事例も紹介!

少子高齢化や労働力人口の減少が進む中では、組織変革を成功させて組織の生産性を高めることが急務です。今回は、組織変革の基礎知識をはじめ、プロセスや進め方、フレームワークなどを具体的な事例も交えながら解説していきます。

組織変革とは?


まず、組織変革の基礎知識について説明します。

組織変革の意味

少子高齢化が進んで労働力人口の減少が加速すれば、企業は限られた人材で成果を最大化させなければなりません。また、経済環境や業界情勢は刻一刻と変化するため、柔軟に対応できる体制は常に整えておく必要があるでしょう。

そのために欠かせないのが「組織改革」です。組織の構造や運営方法をチェックし、抜本的な改革を行うことで課題や問題点を改善していきます。なお、組織変革でゴールにするべき部分は、その組織が持つ課題によって異なります。

組織変革が必要になる時期

組織変革は、いったいどのようなタイミングで必要になるのでしょうか?もちろん企業によってさまざまですが、一般的に組織変革は以下の3つのタイミングで必要になります。

・企業を取り巻く環境の変化に適応するタイミング
・業績が悪化して経営不振になっているタイミング
・変化を見越して予測的に変革するタイミング

組織変革を行うメリット

組織変革を行うと、組織のスリムアップや業務フローの改善が達成されます。そのため、コミュニケーションの円滑化や業務の効率化が進むことでしょう。また、人事評価制度の見直しを行った場合には、従業員のモチベーションが上がり生産性も向上します。ただし、組織変革を実施すれば、組織変革に反対する従業員も少なからず出てくることを覚えておかなくてはなりません。

組織変革のプロセスや進め方とは


組織変革は具体的にどのようにして進めていけばよいのでしょうか。変革の進め方における理解を深めるため、ハーバード大学ビジネススクール教授であるジョン・コッターのプロセスと、アメリカでの著名な心理学者であったクルト・レヴィンのプロセスを紹介していきます。

コッターの8段階プロセス

ジョン・コッターの著書のひとつに「企業変革力」があります。この中では、企業が変革をするために推進するべきプロセスとして、以下の「8段階プロセス」を主張しています。

1段階目:危機意識を高める
企業が変革を成し遂げるための第一歩は、自社にとっての危機や成長の機会をみつけることです。その際、市場の調査分析や競合の成長速度、満足度調査の結果など、危機感を醸成するために十分な根拠となるデータを提示することが必要です。

2段階目:変革推進のためのチームを作る
企業内に危機意識が生まれたあとは、変革を推進するチームを作ります。チームを築く上では、変革推進のために十分なスキルや評判、信頼の厚い人材を集めるようにします。

3段階目:ビジョンと戦略を作る
チームができたあとは、変革のビジョンや戦略を立てていきます。革新的な内容ではなく、有益かつ現実的な内容であることが必要です。また、どのメンバーでも共有できるよう、シンプルな言葉でまとめるのもポイントです。

4段階目:変革のビジョンを周知させる
ビジョンと戦略が決定したあとは、さまざまな手段を用いて企業内に周知・徹底していきます。チームのメンバーは率先して実現するための行動をとっていくことが大切です。

5段階目:従業員の自発的行動を促す
危機意識やビジョンが従業員の間で浸透してくると、自発的に行動する人が増えていきます。このような変革の兆しを阻害するような制度や障害がある場合、随時変更したり取り除いたりしていきましょう。

6段階目:短期的成果を実現する
変革とは往々にして時間がかかるものですが、あまりにも成果がみえてこない場合、意欲低下につながりかねません。このような場合は短期的に計画して規模が小さめな成果を上げるようにし、さらに、成果に貢献した従業員を認知して報奨を与えるようにしましょう。

7段階目:更なる変革を進める
短期的な成果で勢いを維持していき、さらにビジョンに合うプロジェクトを成功させていきます。ビジョンに馴染まない制度や構造などは変革していきます。

8段階目:変革を企業文化に定着させる
変革プロジェクトの達成によって実現した新しい方法と、企業の発展を明確化して、これを企業文化として定着させていきます。コッターはこの8段階については順を追って進めることが大切だとしており、8段階目の企業文化の定着まで行うことで、変革が実現することになります。

レヴィンの3段階プロセス

上で紹介した「コッターの8段階プロセス」の基とされているのが、クルト・レヴィンによる「3段階プロセス」です。レヴィンによると、組織の変革には「解凍」「変革」「再凍結」の3段階のプロセスが必要不可欠だと説きました。それでは、各フェーズの内容を理解していきましょう。

1段階目:解凍
組織を変革していくために必要なことは、既存の考え方や従来の業務プロセス、組織体制を崩す(解凍する)ことで、新しい組織に向けての変化に対する準備をしていくことです。解凍プロセスでは、変革に必要なビジョンを明確化し浸透させるために、有力なメンバーを巻き込むことが重要です。

2段階目:変革
解凍フェーズの次は、新しい業務プロセスや新体制のために具体的に学習していくプロセスとなります。変革の必要性が共有されただけでは「認識しただけ」で終わってしまうため、早めに社員一人ひとりが果たすべき役割を社内勉強会などで学習していきます。

3段階目:再凍結
変革フェーズで学習したことを維持し、従業員が以前の状態に戻ろうとすることを阻止するためにも、再凍結フェーズでは組織内の定着化や習慣化をさせていきます。環境整備や仕組みづくりをして、従業員が新しいやり方による手応えを感じることが重要です。

組織変革のフレームワークは?


世界的コンサルティングファームのマッキンゼー・アンド・カンパニー社が提唱したフレームワーク「7S」も、組織を変革していくには有用です。これを活用することで、組織の全体像と要素の相互関係を捉えることができます。

フレームワーク「7S」の概要

「7S」が表しているのは、組織における要素の7つです。組織変革において使われることの多い基礎的なフレームワークとなり、具体的には以下の経営資源を指しています。

・戦略(Strategy)
・組織(Structure)
・システム(System)
・スキル(Skill)
・人材(Staff)
・社風(Style)
・価値観(Shared Value)

この7つはソフトのSとハードのSに分かれています。

ハードの「3S」

ハードの「3S」とは、組織の「7S」のうち戦略・組織・システムの3つを表しています。ハードの「3S」は組織の構造に関する経営資源であり、経営陣や管理者が比較的容易に変更しやすい、という特徴を持っています。

なお、ハードの「3S」に変更を加える場合は、戦略→組織→システムの順番でアプローチすることが重要です。たとえば、新商品を展開したいのであれば、新商品を展開する戦略を考え、組織を編成し、最適なシステムを構築するようにしましょう。

ソフトの「4S」

ソフトの「4S」とは、組織の「7S」のうちスキル・人材・社風・価値観の4つを表しています。これらは、企業における「人」に関する経営資源なので、経営陣や管理者の意思があっても簡単に変更することはできません。

当然ですが、個人のスキルや価値観を変えたいのであれば、ある程度の時間が必要です。ソフトの「4S」に課題を見つけた場合は、短期的ではなく長期的な解決方法を探してみましょう。

組織変革を進める上でのポイントは?


上述した内容にも重なる部分がありますが、改めて組織変革を進める上でのポイントを紹介していきます。

抵抗勢力に注意する

人間は変化に抵抗する生き物です。組織変革を行えば、抵抗勢力が生じるのも必然と言えるでしょう。組織変革に納得していない従業員が組織変革を受け入れるまでには、それなりの時間が必要です。相手の想いや考えをしっかりと聞きだし、適切なコミュニケーションを取ってください。変化を好まない従業員に対しては、組織変革の具体的なメリットを細かく説明する必要があります。

リーダーシップを発揮する

組織変革を成功させるためにはリーダーシップが欠かせません。リーダーシップとは、設定した目標に向かってチームを率いていく能力のことです。組織のリーダーは、組織全体のゴールを設定してゴールまでの道筋を立てる必要があります。適切なリーダーシップが発揮されなければ、組織変革はうまく進まず、変革後も組織の効率性や生産性はなかなか向上しないでしょう。

IT化、外注化を進める

適切な組織変革を行うためには、ITツールやITシステムの活用も大切です。多様なITツールを導入することでムダな労力や時間が排除され、チームの効率性や生産性を高めることにつながります。

また、ノンコア業務を外注化することも重要です。定型的な業務や事務作業などに時間を割いていると、従業員が企業の利益に直結するようなコア業務に注力することできません。そのため、利益に直結しない業務は仕分けし、ノンコア業務に該当する業務はアウトソーシングすることを検討しましょう。

ガイアックス様は業務をコアとノンコアに分け、ノンコア業務を外注したことで、社員がコア業務に専念できる環境が作れたそうです。ぜひこちらのインタビュー記事もご覧ください。
関連記事:3年で売上10倍にするにはコア業務に集中できる環境が重要。ガイアックスの管さんが語るクラウドソーシングの向き合い方と活用法

組織変革に成功した企業事例は?


最後に、組織変革の成功事例を紹介します。

オリンパス株式会社

2011年の粉飾決算によって、オリンパス株式会社の株価は急落しました。そこで株主らの信頼回復を目的として、組織変革に取り組みました。具体的な施策の内容としては、コーポレートガバナンスの強化、内部統制システムの整備、コンプライアンスの徹底の3つです。

このように、経営陣が積極的に変化を生み出し、従業員一体となって改革に取り組んだ結果、オリンパス株式会社は組織風土を変えることに成功しました。

テルモ株式会社

テルモ株式会社が組織変革を行った目的は、5つの壁を乗り越えることでした。その5つの壁とは以下のとおりです。

・売上1000億円の壁
・製品開発の壁
・財務の壁
・海外発展の壁
・企業体質の壁

「従業員一人ひとりが主体的にチャレンジできる環境」を整えて、経営幹部も根本的に意識を変えることで、テルモ株式会社はこの5つの壁を打ち破ることに成功しました。

まとめ

組織変革のプロセスやフレームワークについて、具体的な事例も交えながら徹底解説しました。組織変革を行う上では、マッキンゼー社の7Sのフレームワークだけでなく、「8段階プロセス」や「3段階プロセス」の考え方なども理解して活用してみてください。ぜひ組織変革を成功させ、組織の生産性を高めてみてはいかがでしょうか。

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にしすん
早稲田大学商学部卒業後、コンサルティング会社で人事業務を担当。新卒・中途採用全般に携わる。その後、フリーランスとして独立。WebマーケティングやWeb広告の分野で活躍中。マーケティング・金融・会計・人事労務など、幅広い知識を持つ。

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