時間・品質・コスト効率を上げるために業務改善に取り組んだ事がある方は多いのではないでしょうか?通常業務をこなしながら、改善活動を進めていくのはエネルギーを必要とします。今回の記事では、業務改善の進め方やポイントについて実際の導入事例も含めて紹介します。
事務の業務改善の手順
業務を可視化する
まず 各部門や各人の業務内容・量を見える化をすることからスタートしましょう。誰が、どのような仕事を、何時間をかけているか詳細の把握ができるとともに、部門・個人間の業務の偏りを認識する事ができます。
やり方としては、ある週、ある期間を切り取って実績ベースで報告してもらうのがいいでしょう。さらにここで無駄だと思われる作業については、思い切ってやめることも検討しましょう。
分析と問題提起を行う
業務を把握したら、次は分析と問題提起です。効率的に行えていない真因の追求と、削減対象を決める作業となります。洗い出しをしてみると、似たような業務であっても部門や個人間によって、かけている時間が大きく異なることがあります。
日々の仕事の中で小さな改善を積み重ね、効率的に行う方法を導いている結果でしょう。このような暗黙知を共有し合うことだけでも、業務改善に直結します。
業務改善の計画を立てて実行する
削減対象を決めたら、どのように、どのくらいの期間で行うか大まかな計画を立てましょう。やり方を変える、割り振りを変えるなど自社内で完結する場合もありますが、外からのリソースを必要とする場合はコストが発生します。業務改善により削減できるコスト(人件費など)と比較して費用対効果があるのかということも検討しましょう。
業務改善を成功させるポイント
ターゲットと大まかな計画を立てた後は、成功に導くためにより具体的な計画を立てることが重要です。また実行に際し意識するべきポイントをご紹介します。
明確なゴールと計画を設定する
具体的に何を・いつまでに・どのように(+いくら投資して)改善するのかという具体的なゴールを設定しましょう。例えば、3日かかっている業務を1日に短縮する、などです。立てたゴールをもとに、誰が・何を・いつまでにといった具体的な計画も合わせて立てていきます。やるべきことと日にちが一目でわかる大日程表のようなものを作成するのもオススメです。
現場が主体的に取り組めるようにする
業務改善の最も難しいポイントと言えるのが、改善チームと現場の温度感です。もちろん現場から発案される場合は別ですが、改善チームが入って見直しを行う場合は「改善活動をやっている暇なんてない」「やり方を変えたくない」など反対意見が出ることもあるでしょう。
業務改善を行う目的、現場におけるメリットなどを共有することが重要です。また現場が一丸となって取り組めるように、一定の裁量を与えるといった工夫も有効です。
業務改善の具体例
では、どのような方法が業務改善として効果があるのか具体的にご紹介いたします。
無駄な業務をやめる
洗い出しをした業務の中でやめても困る人がいない業務があれば、やめる決断を行いましょう。例を挙げると、使われることがない補足資料の作成、定例化しているミーティングなどです。
ミーティングは一度定例化するとなかなかやめる事が難しいです。やめる判断基準として『決定事項があるかどうか』を見極めましょう。決める事がなく、進捗報告だけのミーティングならわざわざ集まる必要はありません。
重要度に応じて作業する
時間は有限です。優先度や重要度に応じて完成度の調整を行いましょう。例えば社外用の資料は、色やデザインなど見やすさを含めダブルチェックするが、社内報告用の資料はシンプルなデザインでわかりやすさと正確さだけを求めるなどです。
業務の回数を見直す
バラバラに行なっていた業務をまとめたり、回数を分けたり、頻度を見直すことを意味します。例えば新規顧客の管理をその都度ではなく1週間分まとめてある曜日に行う、月1回の報告会を2ヶ月に1回する、などです。その際に業務回数や頻度を変えることによる影響度合いをあらかじめ想定しておく事が重要です。影響が少なそうなら実行しましょう。
業務マニュアルを整える
頻度は高くないけれども定期的に発生する仕事の場合、やり方を思い出すのにも時間がかかる事がありますよね。マニュアルを整えておく事で、担当者が変わったとしてもスムーズに業務に取り掛かる事が可能です。また効率の良い人のやり方を共有できる、標準化できると言ったメリットもあります。
エクセルマクロVBAで自動化する
マクロと聞くと難しそうと思われる方も多いかもしれませんが、一度作ってしまえば後の作業が非常に楽になります。データの自動集計だけでなく、メールの送信、フローチャートの作成、PDFのテキスト情報を転記するなど様々な用途があります。
書類のフォーマットを統一する
様々なフォーマットを使っている場合、できるだけ統一化することによって作業効率UPが期待できます。作業自体が簡単になるだけでなく、上記のエクセルマクロVBAで自動化する際にも有効です。
クラウドソーシングへ外注
上で紹介したように、作業をひとつひとつ見直して無駄なことはやめたり、重要度や回数を見直すことも大事ですが、どうしても簡略化できない場合は作業そのものを外注してしまう手もあります。
事務作業を外注するのにオススメな方法は「クラウドソーシング」の活用。クラウドソーシングとは、インターネットを介して企業と個人がつながり、仕事を受注したり発注したりできるサービスです。サイト上で直接メッセージのやりとりができ、お互いに一度も会うことなく最初から最後まで完結するのが特徴です。
事務作業には、作業そのものをマニュアル化できたり、単純作業だったりするものも少なくありません。また、自動化することで驚くほど作業効率を上げられるものもあります。このような作業こそ外注のチャンスと言えるでしょう。
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事務の外注には「クラウドワークス」がおすすめ
事務を外注する際は、コストを抑えながらスムーズに依頼できるクラウドソーシングサービスを利用する方法がおすすめです。なかでも日本最大級の「クラウドワークス」は登録者数480万人を超えており、さまざまなスキル・実績を持つ人材が登録しています。
登録ワーカーのプロフィール(実績やスキル、得意ジャンルなど)を事前に確認できるため、事務領域の仕事を幅広く依頼することができます。
【クラウドワークスでの発注事例】
・事務代行(データ入力や資料作成、リサーチ業務など):時給1,000円前後
・営業事務の代行(営業リスト作成、アポ取りなど):時給1,000~2,000円
・秘書業務の代行(スケジュール管理、問い合わせ対応など):月額3~15万円
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業務改善の成功事例とは?
株式会社ロイヤルホテル
ホテルの宴会業務は顧客のニーズに応えるためにオーダーメイドやその場対応になりがちです。繁忙期と閑散期のバラツキもあり、無駄な業務が多いという課題を抱えていました。その課題に対し、5S運動(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)の徹底からスタートしました。何がどこにあるべきかを徹底する事で、作業効率が17%改善しました。
参考元URL:改善実践事例【株式会社ロイヤルホテル】-ビジネスプロセス改革推進室
レディ薬局
地方にも全国規模のチェーンドラッグストアが進出している中で、業務改善により無駄なコストを削減したいという目的でスタートしました。作業ボリュームが多い店舗の業務改善に目をつけ、業務実施に必要な人数と時間をベースに計画を立て、それを実行するという改善活動を1年間行いました。結果的に人件費最大14%の削減に成功しました。
参考元URL:改善実践事例【株式会社レデイ薬局】-ビジネスプロセス改革推進室
株式会社五味八珍
店舗数が増える一方で、味やクオリティのバラツキという問題が発生していました。勤務年数が長いベテランの調理人のスキルやノウハウをマニュアル化し、さらに認定制度の導入により現場まで巻き込んだ改善活動を行いました。その結果スキルの標準化が可能となり、提供する料理の品質が向上しました。
参考元URL:改善実践事例【株式会社五味八珍】-ビジネスプロセス改革推進室
まとめ
今回は業務改善について、具体的な方法、実際の事例を含めてご紹介しました。業務効率を上げる方法としては、現在のやり方を継続しながら効率を上げるということも可能ですが、気付かないうちに非効率な作業が発生している場合もあります。記事の内容や具体的な事例を参考に、普段行っている業務を改善してみましょう。