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公開日: 2022.05.23

VR・AR・MRとは?違いや活用事例、展望などをわかりやすく解説

VR・AR・MRは、現実と異なる世界(仮想的なデジタル空間)を作り出すテクノロジーです。今回は、VR・AR・MRのそれぞれの意味や違い、ビジネスシーンの活用事例、今後の見通しなどを紹介します。

VR・AR・MRの意味や違いとは?

はじめに、VR・AR・MRそれぞれの意味や違いについて紹介します。

VR(Virtual Reality)とは

VRは、「仮想現実」を意味します。ヘッドマウントディスプレイを通して、コンピューターが作り出した仮想デジタル空間を見ることで、あたかもその空間へ入り込んだかのような体験ができます。ヘッドマウントディスプレイの装着によって視界から現実の風景が消える点、自分の動きに連動して映像も動く点などから、AR・MRよりも高い没入度を得られることが特徴です。

AR(Augmented Reality)とは

「拡張現実」と訳されるARは、仮想的なデジタル空間が反映(拡張)された映像を、スマートフォンやスマートグラスで視聴する技術です。ヘッドマウントディスプレイを使用するVRでは現実の風景が視界から消滅しますが、ARで使用するのはスマートフォンやスマートグラスであり、「現実の風景にデジタル情報(CG・文字など)を重ねて表示する」というスタイルを取ります。そのため、ARに用いられる映像は現実世界を主体としたものとなります。

MR(Mixed Reality)とは

MRは、「複合現実」を意味します。シースルー型のヘッドマウントディスプレイを使用し、現実そっくりの仮想デジタル空間でオブジェクトを自由に操作することができます。現実の風景を三次元空間としてデジタル情報化するため、MRの映像は仮想世界が主体です。また、ARのように投影されたCGを眺めるだけではなく、実際に操作できることが大きな特徴といえます。

SR(Substitutional Reality)とは

VR・AR・MRのほかにSR(代価現実)という技術もあります。SRでは、VRと同様に没入型のヘッドマウントディスプレイを使用し、事前に作成・編集した映像(存在しない過去、未来の世界の映像など)を現実世界で起きているかのように体験することができます。
娯楽やビジネスシーンなど多くの場で使われているVR・AR・MRと比べると、SRの活用事例は少ない傾向にあります。

VR・AR・MRの活用事例を紹介 

次に、VR・AR・MRそれぞれの活用事例を紹介します。

VRの活用事例

建設業の事例

目的:VRを用いて勤務中の事故を仮想体験し、労働災害を減少させる

株式会社 積木製作では「安全体感VRトレーニング」というバーチャル安全教育システムを開発し、VR映像や関連機器(外部モニター・感電体感装置など)のレンタルサービスを展開しています。建設現場の仮設足場・車両荷台からの転落や挟まれ事故、配線作業の感電、フォークリフトの激突事故など、実際に起こる可能性がある事故をユーザーに仮想体験してもらうことで、事故防止に役立てています。

小売業の事例

目的:VR研修の実施によって現場のオペレーションを円滑化する

スーパーマーケットチェーン大手の「Walmart」では、100万人を超える従業員の研修にVRを活用しています。業務で使用する機材の操作方法トレーニングや、大規模セール時・災害発生時などにおける対応方法のレクチャーなど、その内容は多岐にわたります。
VRによる研修を受けた従業員と受けていない従業員を比較したところ、「VR研修を受けた従業員のほうが業務上のパフォーマンスが向上した」という結果を得られたということです。

ARの活用事例

卸売業の事例

目的:AR映像によって、部屋のレイアウトをシミュレーションする

家具・インテリアのオンライン通販サイト「LOWYA」では、iPhoneのカメラで部屋を映すと欲しい家具の3Dデータを実物大で表示してくれる「シミュレーションAR」を提供しています。机やソファー、ベッドなどを部屋へ設置した際の空間イメージやサイズ感、他の家具とのバランスなどを確認できるため、購入前のシミュレーションに役立ちます。

アパレル業の事例

目的:通販における「試着・試用できない」という不安を払拭する

ファッションブランドの「GUCCI」では、ECサイトのユーザーへ向けて試着体験ができるアプリを配信しています。スマートフォンで自分を撮影してから商品を選ぶことで、実際に試着するとどうなるかシミュレーションができるARアプリで、スニーカー、マスク、リップスティック、ハットなどさまざまな商品の疑似試着・試用ができます。

MRの活用事例

歯科業界×モバイルソリューション企業の事例

目的:安全に治療トレーニングを行う

歯科業界(株式会社モリタ)とモバイルソリューション企業(リアライズ・モバイル・コミュニケーションズ株式会社)がコラボレートしてMRを活用した事例もあります。
両社が提携して開発した歯科治療シミュレーションシステムでは、MRの技術によって実習模型へ患者のCG映像を合成できるようになっており、リアルな治療トレーニングを行うことができます。従来のように患者の口腔内とレントゲン写真を見比べる必要がなくなり、削るべき歯の範囲や深さを細かく表示できるため、より安全な治療トレーニングの実施が期待されています。

空調・電気設備会社の事例

目的:気流を見える化して、室内環境のシミュレーションをする

空調や電気設備などの開発・施工を手掛ける新菱冷熱工業株式会社では、室内の気流を可視化するシステムを開発し、エアコン施行後の室内環境のシミュレーションを行っています。空気の流れや速度、温度、塵埃の有無などを色別に表示できるため、目で見て空調製品の効果を判断することが可能です。
また、エアロゾル粒子の濃度分布をシミュレーションすることで空気中における病原体の移動状態を再現し、換気や感染対策に生かすという取り組みも行っています。

VR・AR・MRの今後の見通しは?

続いて、VR・AR・MRの今後の見通しを紹介します。

市場は成長・拡大傾向 

VR・AR・MR全体にいえることとして、ヘッドマウントディスプレイやスマートグラスの性能向上、さらなる普及などによって、BtoB・BtoC向けの市場は成長・拡大を続けると予測されています。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響でハードウェア市場の成長は停滞傾向にあるものの、外出自粛を受けて動画・ゲームコンテンツの分野におけるVR・AR・MRの需要は高まりを見せています。
2025年~2030年には、スマートフォンの代替品となるような製品(MRスマートグラスなど)も一般販売されることが予測されており、デバイスとあわせて開発が進められています。

5Gとの親和性にも注目

5G(5th Generation)とは第5世代の移動通信システムのことで、従来の通信システムよりも容量や速度、接続の継続性が優れている点が特徴です。
VR・AR・MRは使用時に大きなデータ容量を必要とするため、これまでの通信環境では十分なパフォーマンスを発揮できないケースがありました。しかしスマートフォンの普及により、通信技術も急速な発展を遂げ、近年は5Gの導入も進んでいます。高速で大容量の通信が可能な5GはVR・AR・MRとの親和性が高いことから、さらに快適な使用環境が実現すると考えられます。

導入企業・自治体の増加 

何らかの課題を抱える企業や自治体がVR・AR・MRの技術を導入する事例も増加傾向にあります。導入が先行しているのは建築や製造、医療などの分野ですが、教育や小売などの分野においても追随が見られます。
ユニークな例として、歴史上の人物と記念撮影ができたり、歴史的名所のかつての状況を再現した映像を視聴できたりなど、観光PRを目的としてARアプリを開発する自治体も登場しています。

VR・AR・MRの導入サポートには「クラウドワークス」

自社でVR・AR・MRの導入を検討している場合、知見を持った人材のアドバイスやサポートを受けると良いでしょう。適した人材を探したい場合は、クラウドソーシングサービス(※)を利用する方法がおすすめです。業界最大手の「クラウドワークス」はワーカー数が400万人を超えており、VR・AR・MRに詳しい人材も多数登録しています。

職種や仕事カテゴリでの絞込検索や、「VR・AR・MR」などのキーワードによる検索ができるため、求める経歴・スキルに合致したクラウドワーカーがスムーズに見つかります。VR・AR・MRの活用方法を相談できるITコンサルタントや、VR・AR・MRの導入経験が豊富なエンジニアなどを探してスカウトを行うほか、依頼したい仕事を提示してワーカーからの応募を待つこともできます。

例えば、「VRクリエイター」で検索すれば以下のような人材がヒットします。

仕事を依頼できるVRクリエイター一覧

(※)クラウドソーシングサービスとは、仕事を外注したい人・受注したい人をインターネット上でマッチングするサービスのこと

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