アプリやサービスなどのリリースを考える際に重要となるのが開発手段です。従来のウォーターフォール開発に代わる新たな手法として主流になっているアジャイル開発は、開発期間を大幅に短縮できるということで2000年以降から定着しています。アジャイル開発におけるメリット・デメリット、成功させるコツをまとめていきます。
目次
アジャイル開発とは
最初に、アジャイル開発とはどのような開発なのか、概要などを説明していきます。
小さな単位で実装できるのが特徴
アジャイル開発の大きな特徴は、要件定義(計画)→設計→開発→実装→テスト→運用というサイクルを、細かい単位で機能ごとに回していくことです。これを繰り返すことによって従来のウォーターフォール開発方法よりも素早いリリースが可能となり、たとえばトレンド事項のキャッチアップに対応がしやすいなど、なるべく早くリリースを行いたい場合にも向いています。「アジャイル」という言葉には「素早い」「機敏」という意味があるため、まさにこの特徴を捉えたネーミングといえます。
主な開発方法
アジャイル開発の主な方法として、スクラム、エクストリーム・プログラミング(XP)、ユーザー機能駆動開発(FDD)の3つがあります。
中でも、もっともポピュラーなアジャイル開発方法はスクラムです。ラグビーの試合で選手同士が肩を組んで押し合うときのフォーメーションを「スクラム」ということから、チームが一丸となって同一方向に進み続けることをスクラム開発と呼んでいます。
エクストリーム・プログラミングは、プログラマーが中心となって行う開発方法です。事前に立てていた計画よりも、途中の変更などにおいての柔軟性をより重視した手法で、コミュニケーション・シンプル・フィードバック・勇気の4つの価値をチームで重視することが特徴です。
ユーザー機能駆動開発とは、事前にユーザーのビジネスモデルを「見える化」して必要となる機能を挙げ、機能価値という観点から開発を行う手法です。実際に動作するソフトウェアを適切な間隔で繰り返し作動させるのが特徴です。
開発を行うにあたって必要なポジション
アジャイル開発を進める場合、プロダクトオーナー・スクラムマスター・開発チーム・エンドユーザーという4つのポジションが必要になります。
プロダクトオーナーとは、プロジェクトを推進するにあたり、先陣を切って方向性を示す役割を担っています。最終決定権を持っているため、責任が重大なポジションでもあります。スクラムマスターは、チームのスクラムを円滑に進めていく役割を担っており、チームとして協力した開発ができているのかを管理するポジションです。
開発チームは、エンジニアやプログラマ、デザイナーなど、実際に開発の核になって構築するメンバーが含まれます。そして、エンドユーザーとはソフトやアプリを実際に利用する人のことを指します。
アジャイル開発のメリット
アジャイル開発はどのような点が優れているのか、メリットを見ていきましょう。
修正時の工数が少ない
アジャイル開発は、開発途中での変更、工程を戻すなどということが必要になった場合、修正時の工数が少なくて済むというメリットがあります。はじめに設計した計画を重視するウォーターフォール開発とは違い、アジャイル開発は機能単位で小さく工数を分けているため、修正が発生しても迅速な対応が可能になります。
少人数でも開発できる
開発に関わる人員が多いほど意見がまとまらないというケースがありますが、アジャイル開発はスピード感を重視する開発方法となるため、少人数でも開発を行うことできるのはメリットです。少人数での開発は活発に意見の交換ができるので、成果が早く上がりやすくなることもあります。
柔軟性が高い
機能ごとに開発を進めるため、従来のウォーターフォール開発のような設計を重視する開発方法とは違い、途中変更や追加などが発生しても臨機応変な対応がしやすいこともメリットです。急なクライアントからの要望もすぐに受けることができるため、顧客満足度が高くなりやすい傾向があります。
アジャイル開発のデメリット
メリットがある一方で、アジャイル開発のデメリットも知っておきましょう。
開発のスケジュールを管理しにくい
柔軟な開発ができる反面、開発の方向性が変わりやすい点は大きなデメリットです。最初のスケジューリングに十分な時間をかけないこと、工数が機能ごとに細かく分けられていることなどは、スケジュール管理を難しくする要因でもあります。
大人数の環境には向いていない
アジャイル開発を大人数で進めていく場合、アジャイル開発のメリットといえる「意見交換や意思決定に時間がかけられる」という点は逆にデメリットとなり、スピードが遅くなることがあります。また、チームに多くの人的リソースがあっても、それを開発に注ぎ込むことができないというジレンマが発生しやすくなります。
アジャイル開発が失敗しやすいケース
アジャイル開発を成功させるためには、失敗しやすいケースから学ぶことが重要です。主な失敗例を確認しましょう。
チーム内のコミュニケーションが不足している
アジャイル開発では、エンジニア・プログラマなどの開発者やユーザーなどの多くの人がプロジェクトに関わっています。コミュニケーション不足が発生すると、開発の進行ばかりでなくクオリティにも影響を与えます。機能ごとに合理的な期限や目標を決め、コミュニケーション不足が起こりづらい環境を作ることが重要です。
スクラムマスターが役割を果たしていない
上で紹介したスクラムマスターはスクラムで開発を行う時のリーダーですが、スクラムマスターが適切なリーダーシップをとらない・ユーザーと開発者の上手な橋渡し役として機能しない場合、チームの士気が下がって失敗に終わってしまうケースがあります。スクラムマスターはチームの問題を即座に認識し、積極的に指揮をとることが必要です。
アジャイル開発に成功するチームを目指すには
アジャイル開発を成功させるコツは、チームを少人数にして積極的にコミュニケーションを図ることが重要ですが、少人数だからこそメンバーには優秀な人材が不可欠となります。
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まとめ
約20年ほどで開発手法の主流となっているアジャイル開発は、少数精鋭で柔軟に進められることが大きなメリットです。アジャイル開発にはメリット・デメリットがありますが、スピード感をもって進めるには優秀なメンバーが必須です。ぜひフリーランスの活用なども視野に入れてみてはいかがでしょうか。