商品・サービスのパッケージデザインは、そのブランドを印象づける重要な役割を果たします。デザイン費の内訳や相場はどうなっているのでしょうか。デザイン費を構成する要素と大まかな料金、費用を抑えるためのコツなどを紹介します。
目次
パッケージデザインにかかる費用の種類や相場は?
パッケージデザインとは、企画を立てた後にラフのスケッチで方向性を決め、具体的なデザインに落とし込んでいく作業です。ここでは、それぞれの工程でかかる費用の内訳と相場料金を説明します。
プランニング費用
パッケージデザインの最初のステップで発生するのは、企画・プランニング費用です。パッケージする商品のコンセプト・ターゲット、大きさ・内容量、競合商品の状況などを考慮して、デザインの方向性や形状、サイズなどを決めていく費用が該当します。
パッケージデザインを制作する会社や、形状・大きさ・素材などによっても差はありますが、仮に食品・日用品の箱型パッケージデザインの場合、5万円~15万円前後が相場といえます。
デザイン費用
企画・プランニングに続いて発生するのはデザイン費用です。ラフスケッチを作成して依頼主への確認をとり、了承を得た段階でマスターデザインを進めていきます。具体的には、平面もしくは立体でグラフィックを興し、全体的なレイアウトや配色イメージなどを精査します。
このデザイン費用もサイズ・形状によって幅があり、3万円~20万円前後が相場といえます。ただし、著名なデザイナーなどを起用する場合はこの限りではありません。
商品のパッケージデザインを内製する場合、こちらの記事で作り方のコツ・注意点などをまとめていますので、あわせてご覧ください。
関連記事:商品パッケージデザインの作り方のコツ!基本ポイントや注意点は?
ダミー試作費用
デザインが了承されると、実際に立体パッケージのダミーを試作していきます。素材・大きさ・デザインなど、実物とまったく同じものを作ったうえで視認性やデザインのゆがみなどを細かく確認します。微調整を繰り返して最終デザインへと進み、依頼主の許可が下りた段階で印刷・加工などの量産体制に移ります。
こういった試作品の作成費用は一般的にはデザイン費用に含まれることが多いですが、何度も作り直しが発生した場合は別途費用が発生することもあります。
人件費
上記のほか、各工程では人件費も発生します。企画料+人件費、デザイン技術料+人件費などのように、技術・ノウハウ料にくわえ、それを手がける担当者の人件費を別途加算するケースも存在します。そのほか、進行管理費、ディレクション費、諸経費などが発生することもあります。
パッケージデザインの料金はどう決まる?
パッケージデザインの料金は、以下の基準や要素で決まる傾向にあります。
JADGA(日本グラフィックデザイナー協会)による基準
グラフィックデザイナーによる団体の『JAGDA(日本グラフィックデザイナー協会)』は、パッケージデザインの制作料金の基準をホームページ上で公開しています。個装箱・缶・ガラス容器などの項目ごとにクリエイティブディレクション費、デザイン費、スケッチ費、ダミー費などを定めており、たとえば個装箱ならばクリエイティブディレクション費・デザイン費ともに137,000円、スケッチ1点16,000円、ダミー1点55,000円としています。
あくまでもJAGDAが定めた基準となり、必ずしもどの依頼先もこの基準と近い料金設定であるとはかぎりませんが、これをおおよその料金の目安ととらえることができます。
依頼工程の範囲
パッケージデザインの料金は、デザインを制作する会社へどこまでの範囲・工程を依頼するのかによっても異なります。企画やプランニングを自社で行うならば外注するのはそれ以降の工程のみとなりますが、デザインやディレクションからすべてを依頼する場合は料金も高額になります。
デザイン対象物の大きさ
対象物の大きさによってパッケージデザインの費用は大きく変わります。たとえば、小さめの箱に比べると、大きな段ボール箱はデザインする面積・素材による発色・場合によっては防水処理などが含まれることがあり、およそ倍程度のデザイン料金が発生するケースもあります。
提案デザイン数
デザインの制作側から提案を受けるデザイン数、あるいは試作してもらう数によっても料金は異なります。また、制作会社によっては基本料金に含まれる提案数・試作品数を決めている場合もあるため、あらかじめ希望するデザインの色味・テイストなどが決まっていないときは注意が必要です。
パッケージデザインの費用を抑えるコツは?
次に、パッケージデザインの費用を抑えたい場合の方法を紹介します。
商品のコンセプトや方向性を明確にしておく
繰り返しとなりますが、パッケージデザインは、事前に依頼したいデザインの方向性・イメージを明確にしておくことによって依頼する工程を少なくできるため、費用を大きく抑えられることがあります。
ディレクションを自社サイドで行う
パッケージデザインの最初の工程となる「ディレクション」には、課題の抽出、クオリティやスケジュール管理、進行管理などが含まれますが、この工程を自社で行うことによってその分の人件費を削減できます。ただし、専門的な知識を要する工程といえるため、自社内に適任者やリソースが不足している場合は外注することがおすすめです。
複数の外注先から見積もりをとる
パッケージデザインの費用を抑えるテクニックとして、複数の外注先から見積もりをとることも挙げられます。パッケージデザイン費は依頼先によって大きく異なり、外注先によっては、オプションになるもの・ならないもの、修正回数の制限があるところ・修正回数の制限がないところなどさまざまです。また、見積もりの項目に大きな違いがないようにみえても技術料・人件費などが異なる場合もあります。
費用対効果に優れたパッケージデザインは「クラウドワークス」へ
パッケージデザインは、デザインの制作会社・業者へ依頼するほか、Web上で依頼者と受注者をマッチングしてくれるクラウドソーシングサービスを利用して依頼することも可能です。
数あるサービスの中でも、クラウドワークスにはパッケージデザインの実績をもつ人材が多く揃っており、デザインだけでなくディレクション・進行管理・デザイン資料作成などをあわせて依頼できる人物を探せることが大きな特徴です。個人やフリーランスへ支払う報酬のみで依頼できるため、場合によっては制作会社への依頼に比べ費用を抑えられることもあります。
また、特定の人物へ指名してお仕事を依頼することもできますが、デザイナーを絞り込めない・まずは広く案を募集したいなどの場合には「コンペ形式」で不特定多数のデザイナーから案を募集することも可能です。
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まとめ
パッケージデザインの費用は、基本的なデザイン料のほか、人件費・進行管理費・ディレクション費・ダミー試作費などを合計で請求されることが一般的です。デザインの制作費用を抑える場合には、できるだけデザインのテイスト・色味・イメージなどを明確にしておき、外注する工程は最小限にすることがポイントといえます。