アフィリエイトといっても個人のお小遣い稼ぎであって、企業担当者には関係ないと思っていませんか? しかし、アフィリエイトが成立するならば、企業にとって必ずメリットになるといっても過言ではありません。
では、メリットとしてはどんなものがあるのか。SEOに効果があるのか、儲かるのか。この記事では企業がアフィリエイトを依頼するメリットをご紹介します。
目次
アフィリエイトの仕組み
まず、メリットをご紹介する前にアフィリエイトの仕組みを簡単に説明します。
【アフィリエイトの仕組み・流れ】
企業は、自社サービスの宣伝の為、仲介業者(=ASP)に広告掲載を依頼します。
※ASP=Affiliate Service Provider
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依頼されたASPはアフィリエイター(個人や企業)に当該企業の広告を紹介。
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アフィリエイターが掲載を希望すれば、その企業の広告を自身のサイト(ブログなど)に掲載します。
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そしてあらかじめ決められた基準を達成すると、アフィリエイターは企業より報酬を得る。
アフィリエイトはざっと、このような仕組みになっています。
実際にはASPを介し、企業はアフィリエイターに報酬を支払います。支払いなどの管理工数が省けるため、企業はASPを介して依頼するのが一般的です。
報酬の基準は資料請求の数・サービスの申し込み数・製品の購入数など多岐にわたります。どれだけ細かく設定できるかはASPによって異なる部分もあるようです。
アフィリエイトのメリット
個人にとってアフィリエイトを行うメリットは、費用がかからない・(うまく回せれば)何もしなくても報酬が手に入るなどが挙げられます。また、企業側のメリットも多数あります。その中でも主な3点を下記に挙げます。
人件費などの節約
企業がWebサイト上で販売促進しようとすると、多くの手間がかかります。ペルソナの設定に始まり・市場調査・KPI設定・キーワード設定・コンテンツ作成・効果測定・コンテンツの改善などなど。
また、運営前の手間もそうですが、運営にも定期的に人員が必要です。しかも、中途半端なクオリティではSEO的に逆効果になることもあるため、かなりの時間とエネルギーを持っていかれます。
一方アフィリエイトでは、その作業をアフィリエイターが自身のサイトで実行してくれます。そのサイトにリンクを置いてもらうので、うまくいくと企業はほとんど手間をかけず、利益を出せるのです。
もちろんアフィリエイトに任せたとしても、ASPとの対応などやることはあります。しかし、自社でコンテンツを増やすことに比べると、かなりコストは削減できるでしょう。
成果が上がらない場合は報酬を支払わなくて良い
通常の広告と異なる大きなメリットは、成果が出なければ、報酬の支払いが不要ということです。通常は、広告の枠を先に購入して表示させます。この場合は広告の掲載時に費用が発生するため、効果の是非に関わらず費用が発生してしまいます。
しかし、アフィリエイトの場合は成果が出なければ報酬は支払いません。そのため、効果は出なかったけど費用だけかかった・・・というリスクは避けることができます。費用面では企業にとって都合の良い広告だといえるでしょう。
思わぬターゲット層への訴求も可能
アフィリエイターが運営するサイトでターゲットにしている層に見てもらえるため、想定していなかった顧客ニーズの把握にもつながります。
また、自分たちがターゲットに考えているけど、うまく集客できていない場合にも活用できるでしょう。アフィリエイターがその層をターゲットにしたサイトを作成していれば、リンクから自社サイトに来てもらえるからです。
この他にもアフィリエイトにはメリットが複数あります。しかし、アフィリエイトが直接SEOに効果があるとは言いがたいでしょう。
ただ、リンク設置による導線確保により、PV数を稼ぐことはできるため、SEO対策がうまく発揮した時の効果に近いものが短期的に得られます。さらにリンクから来たユーザーにとって価値の高いものを作ると、それだけ多くの反響を得ることも可能です。
上記は検索流入を増やすか、リンクからの流入を増やすかの違いでしかないので、どちらの方がよいということではありません。
普段はSEOなどを意識していなかった企業が、リンクからの流入から成果を出すため、コンテンツを見直し、改善していくとサイトの価値が上がっていきます。
サイトの価値を上げることは長期的なSEO対策につながります。よって、自然とSEO対策ができていることになるため、アフィリエイトがSEO対策につながるといえなくもないというのが実際のところです。
アフィリエイトの注意点
もちろんアフィリエイトは全てが良いわけではありません。注意点もあります。特に気をつけるべきは下記に挙げるブランドイメージです。一度悪いイメージが定着してしまうと、払拭することが難しいので細心の注意を払いましょう。
ブランドイメージの低下
良質なサイトにリンクを貼ると、良い効果が期待できることを紹介しました。つまり、その逆が注意点です。万が一悪質なサイトにリンクを貼ってしまうと、自社のブランドイメージにとっては悪影響でしょう。
例えば、「飲むだけで病気が絶対治るお茶」など、薬事法に抵触する表記のあるサイト。そのサイトにリンクを貼ってしまえば、あたかもリンク先の企業(つまりあなたの企業)も賛同しているように見えてしまいます。
さらに自身がお茶を販売していたら、その影響は大きいものとなります。そうなれば、販売促進できないだけでなく、売上が落ちることも考えられます。
悪質ではないまでも、サイト管理やクオリティが杜撰なサイトにリンクを貼られるのも同様です。アフィリエイターのサイトは自分たちのサイトというくらい意識を持ちましょう。むやみやたらとリンクの貼付を依頼してはいけません。
このリスクを減らすためは、ASPとのコミュニケーションがとても重要になります。
Googleからのイメージダウン
場合にもよりますが、直接リンクになっている場合。クオリティの低いサイトにリンクがたくさん貼られると、自社のサイトの価値まで低いと見なされることがあります。アフィリエイトに限った話ではないですが、やはり注意すべきポイントでしょう。
オウンドメディア活用の意識が薄れる可能性
Webページの作成・運用は効果が見えづらい上に労力がかかるため、できるだけ減らしたい方が多いでしょう。
現在コンテンツマーケティングをオウンドメディアで行い、Webページを自社の「資産」として考える企業が増えてきています。潜在顧客から購買直前の顧客まで、段階に応じて自社サイトのコンテンツで対応することができれば、外部に支払う費用がかからず、絶大な効果を得られます。
しかし、アフィリエイトで最初に結果が出てしまうと、自社サイトを拡充しようという意識が薄れる場合があります。もちろんアフィリエイトで結果を出すためにも、サイトの拡充が必須です。
しかし、一旦はPV数が増え、場合によっては結果も出るため、勘違いを起こしてしまうことも多いでしょう。アフィリエイトだけの効果がなくなった時に気が付き、慌てて動き出すことになりかねません。
さらにアフィリエイトはいつリンクを貼ってもらえなくなるか、アフィリエイターのサイトがなくなるか分かりません。そういったことも念頭に置いて、自社サイトの拡充も怠らないようしてください。
まとめ
何事においても結果を出すためには積み重ねが大切です。Webにおいてもそれは例外ではありません。アフィリエイトはうまく使うことができれば、積み重ねの1つになります。
しかしそれだけで良い魔法の手段ではないことを忘れないようにしてください。企業によって合う合わないもあるため、注意が必要です。