マーケティング
公開日: 2019.01.23 / 最終更新日: 2020.11.10

マーケティングコミュニケーションとは?戦略の立て方と事例を紹介!

「認知率UPやブランドイメージ向上にはマーケティングコミュニケーションが大事」と、なんとなく耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。また、どのようにコミュニケーション戦略を組み立てていったら良いのか分からない人もいることでしょう。この記事では、マーケティングコミュニケーションについて実際の企業事例もふまえて紹介します。

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マーケティングコミュニケーションとは


マーケティングコミュニケーションという言葉はよく耳にするが具体的に何かは説明できない…という人に向けて、言葉の持つ意味を詳しく説明します。

マーケティングミックスの「コミュニケーション」

マーケティングコミュニケーションは、マーケティングにおける4C(Consumer、Cost、Convenience、Communication)のCommunicationを指し、4P(Product、Price、Place、Promotion)ではPromotionにあたる言葉です。

企業が顧客に商品やサービスなどを知ってもらう、イメージを持ってもらう、購買してもらうなどの目的で顧客との接点を作り、コミュニケーションしていく活動全般のことを「マーケティングコミュニケーション」と言います。たとえば、商品を売り出すために行う広告、SNSでの告知、キャンペーンや実際の接客などは、すべてマーケティングコミュニケーションの一環です。

マーケティングコミュニケーションの手法


マーケティングコミュニケーションという言葉が何をさすのか、というところは上述のとおりです。端的に言えば「消費者に触れるものすべて」とも言えます。では、マーケティングコミュニケーションの手法としてはどのようなものが当てはまるのでしょうか。ここではそれぞれの手法と特徴を紹介します。

広告

テレビや雑誌、新聞や公共交通機関などの媒体を通じてコミュニケーションを行っていく手法が「広告」です。近年では従来型のマス媒体に加え、SNSを活用したコミュニケーションも重視されてきています。広告は、規模や広げたい範囲によって変わりますが、比較的まとまったコストをかけて行います。良い点は、広くメッセージを伝えられること、画像・動画・音声などのビジュアルを活用して表現が可能だということです。

販売促進

上で紹介した「広告」の目的が「広く商品やサービスを認知してもらうこと」とであれば、販売促進の目的は「購買の動機付けをすること」です。具体的な方法としてイメージしやすいものは、店頭POP、クーポン、〇〇円引きという値引きプロモーション、試食、サンプリングなどが挙げられます。また、ダイレクトメールやポスティングなどによって購入意欲をかき立てることも、販売促進のひとつです。

イベント

消費者との接点として、商品認知や特徴理解などを目的にイベントを開催することも、マーケティングコミュニケーションのひとつです。イベントを行う最大のメリットは「リアルな体験」を提供できること。実際に商品を見て・触れて・使ってみることによって、特徴理解の促進に加え、商品やサービス自体への親和性も高めることができます。

目的とイベントの内容次第ですが、その場で認知、特徴理解、そして購買まで完結できる場合も少なくありません。人件費を含めたコストや準備期間、費用対効果が見えにくい点は難点と言えますが、露骨な「営業感」を消費者が感じにくいのも特徴です。展覧会、展示会、フェスティバル、街頭活動などが該当します。

広報・PR

Public Relations(パブリックリレーションズ)の略称であるPRや広報という手法ですが、いわゆる広告宣伝とはまったく異なる概念を持ちます。広告とは、コストをかけて広告主の主観で商品やサービスを周知させていくもの。従ってコントロールすることができます。

一方、PRはコストをかけることが必須ではなく、目的も「ステークホルダーの信頼関係の構築」となるため広告とは異なります。さらに、企業から発信された情報が第三者の目を通して消費者に伝えられるため、コントロールが難しいことも特徴です。メディアを通じて情報発信することも広い意味ではPRと捉えることができるでしょう。

先ほど紹介したイベントを例に挙げると、開催自体は商品認知・購買促進目的(広告)であったとしても、コンテンツが面白くメディアで取り上げられて話題になった場合、これは立派なPR事例と言えます。

ダイレクト・マーケティング

ダイレクトマーケティングは、その言葉のとおり直接顧客に対してコミュニケーションを取る手法です。たとえば、電話、カタログ、メールマガジンなどが該当します。広告のように一方的なメッセージではなく、対話や相手によってメッセージを変えられる特徴があります。すぐにその場で購買に結びつけられること、商品やサービスの反応性が高まることもダイレクト・マーケティングの特徴です。

人的販売

ダイレクトマーケティングの一種ですが、直接対面でコミュニケーションを行う手法を人的販売と言います。たとえば、家電量販店やスーパーマーケットなどで商品説明やサンプリングなどを行なうのを見かけたことがある人もいるのではないでしょうか。推奨販売だけではなく、訪問販売やイベントでの推奨販売、電話での販売などが該当します。顧客との対話を通じて深いコミュニケーションが可能となるので、反応性が高まりやすい傾向があります。

マーケティングコミュニケーションの戦略とは


上記に挙げたような手法(戦術)を決めていくためにも、マーケティングコミュニケーションの戦略を立てることが重要です。立てた戦略をもとにして、どのような手段が最適なのか、予算と目標と照らし合わせながら全体の実行計画を立てていきましょう。

戦略は以下の順番で行うことがおすすめです。

1)目的・目標・予算の設定(何のためにやるのか、何をもって成功とするか、いくら使えるか)
2)コミュニケーション内容(何を伝えるのか)
3)手法やチャネルの決定(どのように、どこで伝えるか)
4)実行と効果検証(詳細の決定と、目的に対して成果はどうだったのか)

 
ここで重要なのは「手段から入らない」ことです。たとえば「SNSが流行っているから、Instagramを使ってプロモーションしたい」などはNG。手段先行で決めずに、まず戦略を立てましょう。

戦略を立てる上でSNSでコンテンツがシェアされる心理を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
関連記事:なぜSNS拡散が発生するの?シェアする心理をわかりやすく解説!

マーケティングコミュニケーション戦略の事例


最後に、マーケティングコミュニケーションの実際の事例を2つ紹介します。どちらも、しっかりした戦略をもとに話題になるユニークなコンテンツを開発して成功した事例です。

YouTube:コンテンツへの理解を促進

2014年に「好きなことで、生きていく」というテレビCMと広告がありました。新鮮な内容だったため、鮮明に記憶に残っている人もいるかもしれません。これはYoutubeが打ち出したもので、動画を視聴するためのメディアとしてそれまで捉えられていたものの、このキャンペーンを機に「Youtuber」という職業が世間で認知されることとなりました。

動画投稿自体への心理ハードルも下がり、結果的にさまざまな分野の動画が蓄積されてコミュニケーションが活発になった事例です。

出典元:好きなことで、生きていく – YouTube

YouTube動画広告の効果を知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
参考記事:YouTube動画広告の効果は?種類別の料金や出稿方法を解説!

ロッテ:広告だけでなくイベントも実施

「噛むとフニャン」のサウンドとゆるいダンスが印象的だったロッテのガム「Fit’s」は、テレビ×インターネット×イベントの実体験をうまく組み合わせた事例のひとつです。最大のポイントは、ターゲットや目的、伝えるべき内容が明確で、しっかりと裏付けされた消費者データをもとに戦略が立てられていたところ。ターゲットは「噛むのが面倒」という理由でガム離れしてきている若者です。

商品の特長である「やわらかい噛みごこち」を、ユニークなダンスのテレビCM、Youtubeとコラボしたダンスコンテストでターゲットに伝達しました。さらに、若者が集まるイベントの施設近くでの常設ブースでダンスコンテスト、投稿キャンペーンなどを行い、実体験を通してファン増加に成功しました。

出典元:Fit’s 公式ホームページ

まとめ

マーケティングコミュニケーションについての概念や具体的な手法、戦略の重要性について解説しました。マーケティングコミュニケーションの事例として、話題になった具体的なコンテンツやプロモーションが取り上げられることも多いですが、そのコンテンツが作られるまでには綿密な戦略(目的・目標・予算)が練られていることが理解できたのではないでしょうか。ぜひ記事内容を参考に、マーケティングコミュニケーションに挑戦してみてください。

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消費財メーカーでマーケティングを担当。消費者調査、コンセプト・商品開発、ブランディング、メディア戦略立案、販売戦略立案などブランドマーケティング全般、WEBマーケティングについてはオウンドメディア管理、SNSマーケティング、SEOなどを実務として経験。

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