マーケティング
公開日: 2019.01.28 / 最終更新日: 2020.11.18

広告に効果はないのか?おすすめの測定方法と成功事例を紹介!

自社商品やサービスを知らせる手段として最もメジャーな方法が広告です。しかし、広告を制作しリリースするのにはコストがかかります。企業として気になる点は広告の費用対効果なのではないでしょうか。今回は広告の効果とその測定方法についてご紹介していきます。

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なぜ広告を打つのか

広告を打つ目的は主に集客と売り上げアップですが、なぜ広告を打つのかについてもう少し掘り下げてみましょう。

広告に期待できる三つの効果

広告を打つ目的として主なものは先述したように集客効果です。「こんなサービスが欲しかった」と思っている新規顧客を開拓したり、離れてしまっていた顧客を戻したりという狙いがあります。

また、ブランドやサービスの認知度を高めることによって「購買につなげる」「潜在顧客を獲得する」という効果も期待できるでしょう。広告に印象的なキャッチコピーを用いることも、話題性を作り、ブランドやサービスについて広く知られるためのきっかけ作りのひとつです。

既に認知度も高く、集客も順調なのにも関わらず繰り返し広告を打っている例も少なくありません。この場合、ブランドとしての認知を高め、既存顧客をロイヤルカスタマー化したいという狙いがあるため、積極的な広告投下を行うのです。

効果を上げるために分析が大切

広告の効果として、集客、潜在顧客の獲得、ブランド認知と三つ挙げました。広告を打つのは、効果を上げるためですが、その効果が本当にあるのか確認してみないことにはわかりません。

効果を測るには広告を見た消費者の反応を知ることが必要です。消費者の反応をリサーチし、どんな人に広告が伝わりやすかったのか、掲載期間中の売り上げの推移はどうか分析することが重要になります。

効果の高い広告を選ぶコツとは?


テレビ、新聞、インターネットと世の中には様々な広告が溢れています。その中から最適な媒体を選ばなければコストばかりかさんでしまい、費用対効果が低くなってしまいます。効果の高い広告を選ぶコツを紹介しましょう。

1.目的とターゲットを決める

まずは目的を決めます。集客なのか、認知度アップなのか、何のための広告なのかをはっきりさせたら、次はターゲットです。どんな人に何を伝えたいですか?ターゲットを具体的にイメージできると、広告を選びやすくなります。

2.目的に沿った広告の候補を選ぶ

広告はコミュニケーションと言えます。まずは広告を打つ側の目的が大切です。認知度を高めることが目的であれば、広く伝わりやすいマス媒体を選びましょう。集客が目的であれば伝えたいターゲットの生活導線に合った広告媒体を選ぶことが重要です。

3.検討している広告の費用対効果を計算する

広告の候補がいくつかピックアップできれば、次に費用対効果の測定です。広告の費用対効果を測る指標には次の三つが挙げられます。

  • CPA(Cost Per Acquisition)
  • 広告に対してどの程度の成果(コンバージョン)があったかを測定する方法です。「CPA=広告費用÷CV数」という計算式で割り出せます。

  • ROAS(Return On Advertising Spend)
  • 広告を通じて出た売上の割合を算出する方法です。計算式は「ROAS=広告経由の売上÷広告費用×100(%)」。効果の高さはパーセンテージの高さになります。ただし、売上の中には経費も含まれているので、利益についても割り出す必要があるでしょう。

  • ROI(Return on Investment)
  • かけた広告費に対する利益で割合を算出する方法です。「ROI=広告経由の利益÷広告費用×100(%)」で計算します。ROASで広告の費用対効果が高かったとしても、ROIで費やした広告費を下回ることは十分に考えられるので、ROASとROI両方の指標でチェックすることをお勧めします。

広告の効果測定の基本とは?


広告をリリースした後、広告がどれだけの効果があったのか、様々な側面から測定する必要があります。以下の三つのポイントを押さえた効果測定を行ってください。

1.目標に対する「結果」を見る

どんなに広告の費用対効果が良かったとしても、売上への影響が少なかったというのでは意味がありません。広告戦略を練る際、集客であれば「新規顧客◯人」、認知度向上であれば「アンケート結果が◯%以上」など目標を設定します。その目標に対して結果がどうだったのかを測定します。目標未達だった場合、広告自体に問題があるのか、それとも他に要因があるのか分析しましょう。

2.広告をチャネルごとに分析する

あるキャンペーンを開催したとします。広告予算はそのキャンペーン全体で設定されていますが、複数の広告を使った場合、キャンペーン全体での広告効果を分析してもさほど意味はありません。

広告効果は、どの広告がどれだけ効果があったのかをチャネルごとに測定する必要があります。効果が高かった広告は次回も継続を、効果が低かった広告は改善するという次への対応策を検討しましょう。

3.すべての広告データを測定ツールで一元管理

広告効果測定において、問題となるのがデータの分散です。今回の効果測定を行ったものの、前回データがどこかへ行ってしまい前回との比較ができないということは少なくありません。広告データは測定ツールで一元管理すると便利です。

ケースごとの広告効果測定ツールの選定方法とは?

1.リスティング広告がメインのケース

リスティング広告の測定はGoogle Analyticsがおすすめです。ユーザーが広告経由でサイトに訪問した際に、流入から離脱までの行動を観測できるので、ユーザー行動のヒントとなる情報を数多く入手できるメリットがあります。また、Google Analyticsで設定されている各指標が自動でまとめられているため、分析がとても簡単です。

リスティング広告で効果的に成果を出したい場合は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:リスティング広告は少額予算から。月数万円からでも成果が出せる!

2.様々な広告施策を打っているケース

一つの広告だけでなく、様々な広告を打っている場合、それぞれ専用の分析ツールを使いましょう。広告によって測定できる指標が異なり、単純に比較できないデータもあります。それを混同してしまうと正しい分析結果になりません。

広告施策ごとに分析を行えば、どの媒体が効果的でどの媒体がそうでないのかがわかり、効果が高い広告に予算を集中させるという方針への転換が可能です。

3.運用を自動化したいケース

広告の出稿が増えてくると、効果測定を行うことも一苦労になります。そのような場合、効果測定運用をツールで一元管理するととても便利になります。ツールのコストは高くなりますが、マンパワーを使って分析するよりも正確で早いため、人件費をかけるよりも効率的で費用対効果は良くなるかもしれません。

広告測定を活用し効果をあげた事例とは

サントリー

大手飲料メーカー・サントリーではかつて広告測定に1ヶ月かけて行っていましたが、広告測定ツールを導入することで測定期間を1週間に大幅削減することに成功しました。

さらに何時間もかけて作成していたレポートが数分で確認できるようになったため、社内での情報共有と課題の抽出も効率的に行えるようになり、次々と施策を敢行。WEBへの顧客流入を増やし、ハイボールブームを生み出すなどの結果につながりました。

サイバーエージェント

WEB広告代理店サイバーエージェントでは、広告測定ツールを効果的に活用した顧客事例があります。まずYahoo!プレミアム広告を使って良質なユーザーを集客。ランディングページでYahoo!タグマネージャーを利用し、ユーザーをセグメントします。Yahoo!プロモーション広告のリターゲティングで期待値の高いユーザーに再リーチをかけるという手法です。

ポイントは広告出稿から効果測定、そして再リーチまで共通したツールを使ったことで効率化できたという点です。サイバーエージェント担当者はこの施策の結果、顧客獲得を10%効率化したと報告しています。

まとめ

広告はただ打つのではなく、目的とターゲットを明確にすることが重要です。そして広告の効果測定が欠かせません。効果の高い広告を出稿している企業に共通しているポイントは、測定ツールを使った上手な広告運用です。測定ツールを適切に活用し、定期的に測定を行いながら広告の効果を高めていきましょう。

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伊藤孝介
セールスプロモーション会社を経て独立し、フリーランスで地方自治体や中小企業のマーケティングリサーチ、販促企画などに携わる。 業務拡大のため2017年に合同会社を設立し、現在経営中。 マーケティング系ライター歴5年。マーケティング用語の解説や、事例紹介、WEBマーケティングなどが得意。

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