マーケティング
公開日: 2019.12.03 / 最終更新日: 2020.11.09

DMの効果とは?効果測定方法や効果的な文章のコツを徹底解説!

インターネットメディアが普及する中でも、DMなどのプリントメディアはサイトへの誘引ツールとして効果が高く、多く活用されています。そこで、DMとは何かをはじめ、DMの実際の開封率やレスポンス率の紹介、自社でDMを発送する場合の効果測定方法、より効果が出るDMの制作方法などをまとめて紹介します。

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DM(ダイレクトメール)とは?


DMとはダイレクトメールを略した言葉ですが、具体的にはどのようなもので、どの程度の効果が見込めるものなのでしょうか。DMの概要とDMの効果が高い理由を紹介します。

宣伝や販促のために特定顧客に郵送する印刷物

ダイレクトメールとは、自社商品やサービスの宣伝、販促をするために特定の顧客に郵送する印刷物のことです。不特定に向けた折込チラシなどとは異なり、あらかじめターゲットを絞り込み、その顧客に向けて送る宣伝物であることが特徴です。DMは新規客の獲得だけでなく、過去に資料請求などがあった見込み客への接触、リピート率の向上などにも効果があり、反応を把握しやすいメリットがあります。

DMの効果は数字で分かる

DMの効果を説明するために、一般社団法人日本ダイレクトメール協会の調査データを紹介します。同協会が首都圏在住の20代~50代の男女200名に行った「DMメディア実態調査2018」によると、自分宛・家族宛含め届いた全DM2,432通の開封・閲読率は、66.0%(61.1%)という結果でした。また、自分宛のDM1,305通に限ると、その率は79.4%(74.3%)にのぼり、約8割の人がDMを見ていることが浮き彫りになりました。

さらに、自分宛DMを閲読した人のうち、その後になんらかの行動を起こした人は、全体の1/4となる24.0%(22.4%)でした。特に、「ネットで調べた(8.7%)」「家族・友人等との話題にした(4.9%)」「店に出かけた(3.0%)」などが上位となり、レスポンス率が低いとされていたDMが、実際にはリーチやレスポンスも含めて高い効果を期待できることが証明されているのです。

出典元:「DMメディア実態調査2018」報告(要約版)
※( )内数字は2017年調査

DM効果測定前に大切になる数値


DMは、実際に発送したあとの効果の確認も大切ですが、発送の準備段階で下記の数値を把握しておくことも重要です。

総DM費

総DM費とは、DM制作や発送にかかる全体コストのことです。通常の広告とは異なり、DMには封入や発送作業などが含まれ、送付物の大きさや重さによっては予想外のコストがかかることもあります。なお、制作から発送までのすべてを請け負う代行業者もあります。必要に応じてこうしたサービスを活用し、コストを抑えながら費用対効果の最大化を図るようにしましょう。

※総DM費の計算式
総DM費=制作費+印刷費+発送準備作業費+配送費

LTV

LTVとはLife Time Valueの略称で、日本語で「顧客生涯価値」と訳されます。ひとりの顧客が、一生涯でうみ出してくれる利益や売上などの価値のことで、一般的には数カ月~年単位で数字を把握します。LTVを算出することで受注1件あたりの獲得コストの把握ができるため、その数字を基準に対策を組むことが可能です。

※LTV費の計算式(1年の利益を確認する場合)
LTV(円)=1年間の総粗利益÷1年間の総新規顧客数

BEP

BEPとはBreak Even Pointの略称で、いわゆる「損益分岐点」のことです。DM施策の場合のBEPは、DM施策にかかったコストを回収するために最低限必要な受注件数のことをさします。たとえば、DMコスト200万円、粗利単価5,000円を下の計算式に当てはめると、BEPは400件です。DMを発送した顧客から400件の受注があると、ペイする=コストを回収できるということです。

※BEPの計算式
BEP(件)=総DM費÷粗利単価

DMの効果測定方法とは?


それでは、実際にDM施策を行った後の効果を図る指標にはどのようなものがあるのでしょうか。

レスポンス率

レスポンス率とはDMを発送したときの反応率のことで、送ったDMが開封されて、狙った目的がどのくらい達成したかの率をさします。たとえば、通信販売のサンプル商品の案内を送った場合、その注文数が「レスポンス」となります。

コンバージョン率

コンバージョンとは最終的な成果のことで、施策のゴールを指します。たとえば、DMの最終成果目標を「資料請求」とした場合、DM発送数に対する資料請求の割合が「コンバージョン率」となります。

CPR

CPRとはCost Per Responseの略で、1件のレスポンスを得るために費やしたコストのことです。CPRが低いほど効果的な施策といえます。

※CPRの計算式
CPR(円)=総DM費÷レスポンス件数

CPO

CPOとはCost per Orderの略で、1件の受注を得るために費やしたコストのことです。顧客獲得単価ともいわれ、通常は初回の購入のみをカウントします。

※CPOの計算式
CPO(円)=総DM費÷受注件数

WEBサイトのアクセス

インターネットの普及により、DMからwebに誘導するwebマーケティングはいまや必須となっています。上で紹介した「DMメディア実態調査2018」でも、URLや検索窓、QRコードが記載されているwebアクセスDM」の受け取り経験は63.5%と出ており、その多さがうかがえます。さらに、実際にアクセス経験をした率も38.0%で、受け取った人の実に4割が自社商品サイトをチェックしたことになります。

こうした専用URLやQRコードの記載でコンバージョンやレスポンスを計測できるほか、Googleアナリティクスなどを使うと、興味や関心の度合いなども確認することができます。

DMの効果を高める3条件


DMの効果を高めるためには以下のようなポイントも意識しましょう。

適切なターゲットに送る

DM施策で重要なのは、効果が期待できる正しいターゲットに発送することです。そのためにも、優良な見込み客のリスト整備が大切です。リストには次の3種類があります。

1)「コールドリスト」自社やサービスのことを全く知らない
⇒このリストに送っても効果が期待できないため、使わないようにします。

2)「ホットリスト」以前資料請求をしてくれたことがある/メルマガ会員になっているなど
⇒自社商品やサービスに少なからず興味があります。DMは最低でもこのホットリストのターゲットに送るようにします。

3)「既存客」すでに自社のファンである
⇒すでに受注実績がある、あるいはリピーターなどの既存客は次も反応してくれる可能性が高いため、必ず送るようにします。

テストを重ねる

DM効果を高めるには、必ずテストを繰り返すようにします。特に「A/Bテスト」といわれる比較テストが有効で、結果が良かったほうを残して確認していく手法です。比較する要素は、商品価格やサービス内容、キャッチコピー、広告のビジュアルなどをAとBで変え、どちらが効果が高いかを確認します。

効果の指標は、どちらが売上が高いか、どちらが反応があったかなど、自社商品やサービスのコンバージョンに合わせて設定していくようにしましょう。

LTVから効果計測をする

DMを発送した顧客から1度だけ反応があったとしても、費用を掛けた分の利益は見込めないことが多いものです。しかし、これを数カ月~1年のスパンで考えた場合、その間に何度も受注があればLTVは高くなります。費用対効果を正確に把握するには、このLTVをベースに判断することが重要です。

効果が高くなるDMを作るコツ


DMの効果を上げるための制作時のポイントを紹介します。

興味を強く引き付けるデザイン

DMの最初の目的は「開封させる」ことです。そのためには、ほかの郵便物に紛れていても目をひくデザインや、開けてみたくなるような仕掛けが施されていることが重要です。たとえば、常識外れであることもひとつのポイントといわれています。具体的には、靴下の片方がDMに付いていて、「もう片方は会場でお渡しします。」とメッセージが書かれているクリスマスのDMが来たらどうでしょうか?このようなDMは強く印象に残る上、保存性も期待できます。

捨てたくないと思わせるDMにする

DMは、開封させるのと同様に「捨てたくない」と思わせることも重要です。たとえば、届いたDMがカレンダーになっていたり、クーポンや抽選券が付いてたりするなどの場合、保存性が高まります。また、高級感があるDMもなかなか捨てられないという心理に結び付くようです。

経験者やプロに外注する方法も

DMづくりのノウハウが無い場合は、プロに外注するほか、クラウドソーシングサービスなどを活用する方法もあります。クラウドワークスにはDM制作の経験者が多数登録しており、業者への依頼よりもコストを抑えた発注ができることがあります。

また、プロフィール登録をしている個人やフリーランスにフィルタをかけて抽出することで、より自社の条件に見合った個人をピックアップすることも可能です。自社内にDM制作のノウハウがない・コストを抑えたい・今までとは全く違う雰囲気のDMを作りたいなどで外注を考える場合、選択肢のひとつとしてぜひ検討してみましょう。

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まとめ

近年ではwebサイトへの誘引を目的としたDMがトレンドとなっていますが、その開封率や閲読率は非常に高く、依然としてDMの効果の高さは証明されています。一層効果を上げる手法や、効果を測定する指標もたくさんあります。効果の高いDMづくりを目指しているならば、ぜひ記事内容を参考にしてみてください。

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