
日々の業務の中で生産性の向上を目指し、頭を悩ませている人も多いでしょう。当記事は、生産性を向上させる方法について徹底解説しています。生産性向上のための施策を説明した上で、具体的な成功事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
生産性に関する基本知識は?
日本の現状の生産性はどのようになっているのでしょうか?基本知識と一緒に確認していきましょう。
生産性の意味
生産性とは、「投入資源からどれくらいの成果・価値が生み出されるか」を表す指標です。一般的に、得られた成果・価値(アウトプット)を投入資源(インプット)で除することで求められます。
生産性=成果・価値(アウトプット)/投入資源(インプット)
生産性を高めること、つまり、より少ない投入資源でより多くの成果を産出することが、経営の効率化や企業のさらなる成長につながると言えるでしょう。
日本の生産性に関する現状
公益財団法人日本生産性本部の「労働生産性の国際比較2017年版」によれば、日本の生産性は以下のような順位にあります。
- 時間あたり労働生産性、OECD加盟35か国中20位
- 1人あたり労働生産性、同21位
主要先進7ヶ国だけを見ると、1970年以降、日本は最下位を脱したことがありません。
少子高齢化が進み労働人口の減少が避けられない日本において、「いかに効率的に成果を上げるか」は重要な問題と言えます。
生産性を向上させた企業に補助金がある
生産性の向上は、一企業の問題にとどまらず、国全体の課題でもあります。日本経済の成長のためには、企業全体の生産性や効率性を底上げしなければなりません。そこで、企業の取り組みに対して国が助成金を支給する仕組みが整えられています。
具体的には、以下のような助成金が支給されます。
- IT導入補助金
- 人材確保等支援助成金
- 両立支援等助成金
- 人材開発支援助成金
- 業務改善助成金
- 人事評価改善等助成金
こうした助成金を利用することも賢い方法と言えるでしょう。
生産性を向上させるための施策は?
以下のような施策から自分の会社に合ったものを選び、組み合わせていくことで生産性の向上を図ることができます。
ノンコア業務を外部化する
定型的な事務作業などに時間を割いていると、企業の利益に直結するようなコア業務に注力できません。そこで、クラウドソーシングなどを利用し、ノンコア業務を外注化しましょう。
ノンコア業務をアウトソーシングすることで、従業員が生産性の高いコア業務に集中できるようになります。さらなる業績アップや企業の拡大にもつながるでしょう。コア業務とノンコア業務の範囲については、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:コア業務の定義とは?コア業務に集中するメリットや方法も徹底解説!
ツールをうまく活用する
生産性向上のためには、ツールの活用も欠かせません。例えば、スケジュール調整ツール。会議の招集や不在時の連絡など、情報共有や調整にかかる時間を大きく短縮することができます。ムダな労力や時間を排除できるので、より生産性の高い戦略的業務に専念することが可能になるでしょう。また、労働時間の削減にもつながります。
モチベーションを高める
社員のモチベーションを高めることも重要です。1人ひとりの目標やキャリア設計を把握し、適切な評価に反映することで、社員のモチベーションアップが期待できるでしょう。目標意識もなくだらだらと仕事を進めると、生産性は上がりません。
また、育休・産休制度を整備したりテレワークやフレックスタイム制を導入したり、働きやすい環境を整えることで、社員の満足度の向上につながります。また、テレワークの種類や実施するメリットなどについては、以下の記事で詳しく説明しています。
関連記事:働き方改革で注目されるテレワークとは?導入のメリットと課題を解説
スキルアップできる環境を整える
高度な技術や専門スキルをもっている人材が多ければ多いほど、生産性は上がります。よって、社員がスキルアップできる環境を整えることは、生産性向上に大きく役立つと言えるでしょう。
また、各社員の有するスキルを把握しておくことで、「どの社員にどの業務を任せるべきか」を判断しやすくなります。さらに、足りないスキルや必要なスキルも見えてくるでしょう。セミナーの参加や資格取得を促し、組織全体で生産性を高め、パフォーマンスの最大化を目指してください。
コミュニケーションを取る仕組みを作る
社員間・部門間の連携強化は、生産性の向上に欠かせません。特に部門越しの連携は、時間や労力がかかり、業務の効率性や生産性が落ちる要因になりがちです。
そのため、事前にコミュニケーションを取る仕組みを作っておくことは、非常に大切だと言えます。チャット機能やタスク管理機能を備えたコミュニケーションツールなどを活用しましょう。
企業の生産性向上への取り組み・事例とは?
取り組み方についてイメージしやすいよう、事例をいくつかご紹介します。
ITツールを活用し業務を可視化「リクルートライフスタイル」
リクルートライフスタイルは、ITツールを活用し業務を可視化することで、生産性の向上に成功しました。
同社におけるタスク管理は、主にメールを利用して行われていました。確認事項があるときは、その都度該当メールのスレッドを探す必要があったわけです。そこで導入したのが「プロジェクト管理ツール」。プロジェクトの進捗状況や各社員のタスク消化率が可視化され、業務の整理やコミュニケーションコストの削減につながりました。
無駄業務を極力省いた「一の湯」
無駄な業務を省くことで生産性を向上させたのが、株式会社一の湯です。例えば、各部屋での食事や布団敷きサービスを廃止したり、下足番をなくしたりしました。その結果、捻出された時間を他の接客サービスに有効活用することができ、業績アップにつながったわけです。
また、従業員の総労働時間が大幅に削減されたことも、生産性向上の大きな要因だと言えるでしょう。
ノンコア業務を外部化「ガイアックス」
株式会社ガイアックスは、ノンコア業務を外注化することで生産性向上に努めました。
従業員のパフォーマンスを最大化するためには、各従業員が生産性の高いコア業務に注力しなければなりません。そこで、クラウドソーシングを活用し、ノンコア業務の外注化を始めたわけです。その結果、業務の効率性や生産性が向上し、さらなる業績アップにつながりました。
クラウドソーシングに興味はあるけれど、活用するための体制作りについて不安があるという人は以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:3年で売上10倍にするにはコア業務に集中できる環境が重要。ガイアックスの管さんが語るクラウドソーシングの向き合い方と活用法
まとめ
生産性を向上させる方法について徹底解説しました。より少ない投入資源でより多くの成果を産出することが、経営の効率化や企業のさらなる成長につながります。当記事で紹介した施策や成功事例を参考にして、生産性の向上を図ってみてください。