各システムにおいて蓄積されていく膨大なデータを分析し、経営の意思決定に活用するために役立つのがBIツールです。ツールごとに特徴が異なるため、この記事ではBIツールを選択するポイント、利用しやすいツール3つとそれぞれの詳細を紹介していきます。
目次
BIツールを比較する際のポイント
BIツールを比較する際には以下の4つのポイントを確認していくことがおすすめです。
必要な機能を有しているか
BIツールには、分析に必要なデータを抽出するETL機能、集計と分析を行うOLAP分析機能、集計したデータをグラフや表などにするレポーティング機能、分析結果を一覧表示するダッシュボード機能の4つを備えてあるタイプが多いです。
しかし、製品によってはこのうち1つの機能を強化していたり、業種に特化した機能が追加されていたりすることもあります。BIツールを導入する目的に応じて、必要な機能を有しているか予め確認しておくことが大切です。
自社システムと相性が良さそうか
企業によっては、業務ごとに複数のシステムを稼働させて、それぞれでデータを蓄積させているケースがあります。BIツールは社内のシステムからデータを取り出して分析するため、既存システムとの相性が悪ければうまく活用することができません。導入を検討しているBIツールは既存のシステムとスムーズに連携できるのかも重要な比較ポイントです。
追加コストがあるか
BIツールによっては、ライセンスの数や新しい分析テンプレートを増やすたびに追加コストが発生する場合があります。導入時の初期費用が安いツールほどこの傾向が見られることもあるため、特にツールを使う人数・部署が増える可能性がある企業は、追加コスト発生の有無や発生時の追加費用を調べておくことも大切です。
トライアルがあるか
BIツールを導入したものの、うまく活用できずに最終的に放置してしまうようなケースが見られます。そのため、ツールの導入時には目的を決めておき、その目的が達成されるツールなのか・難なく使いこなせるツールなのかなどをトライアルを通して試してみるのもポイントです。トライアルを設けていないツールもあるため、トライアル有無の確認をしておきましょう(トライアル完備のおすすめBIツールは後述)。
シェアが多く導入しやすいBIツール
BIツールの中でも特にシェアが多く導入しやすい3つのツールに焦点をあて、それぞれの概要を紹介していきます。
Power BI
Power BIはマイクロソフトが開発したBIツールで、クラウド型とオンプレミス型の2つが用意されています。データを分析するときのUIがExcelと似ているため、使い勝手が良い特徴があります。Excelやcsv、pdfなどのファイルはもちろん、NoSQLデータベースやビッグデータにもアクセスできます。
DOMO
DOMOはExcelやcsvなどの各ファイルをはじめ、関係型データベースや、FBやJIRAなどのwebアプリケーションのデータに直接接続して分析が行えるBIツールです。DOMOはマーケティングには特化しておらず一般的なビジネスデータの利用に向いているのが特徴で、対応OSに制限がかからないクラウド型のみ用意されています。
Tableau
分析結果を可視化する技術に長けたTableauも、クラウド型とオンプレミス型が用意されています。ユーザーに適したグラフの種類を開発チームが常に調査しているため、チームや部門に最適な形でデータを可視化してくれるのが特徴です。ビジュアルに優れたダッシュボードを柔軟に作成できることもポイントです。
【BIツール比較】搭載されている機能
上で紹介したPower BI・DOMO・Tableauの搭載機能を詳しく紹介します。
Power BIの場合
Power BIには、ワークシートにコンポーネントを追加するだけで、プログラミングすることなくビジュアル性に優れたダッシュボードやレポートが作成できる機能があります。Excelとはシームレスで連携し、データをそのまま利用することも可能です。また、ExcelのほかにもSales Forceなど数百のデータソースに接続して容易にレポートを作成できるうえ、組織内でライセンスを持つユーザーと共有できるのも特徴です。
DOMOの場合
DOMOには、データの結合やクレンジングがクリックひとつで手軽に行える機能のほか、分析したデータを分かりやすく視覚化できる機能も備わっています。その際、Adobe AnalyticsやGoogle AnalyticsなどのさまざまなWebアプリケーションと連携してデータ分析が可能です。Magic ETL機能を搭載しているためSQL文を書く必要がなく、プログラミング不要な点も特徴です。
Tableauの場合
Tableauは、NoSQLデータベース・多次元データベースをはじめ、Excelやcsv、textなどほぼすべてのデータソースに対応してプログラミング不要でデータを取り込める機能が備わっています。ドラッグ&ドロップで直感的に操作でき、ビジュアル性に優れたダッシュボードも自由にカスタマイズが可能です。また、OLAP分析が得意なことも特徴です。
【BIツール比較】追加コストやトライアルの有無
Power BI・DOMO・Tableauの追加コストやトライアル有無を紹介します(利用料などは2020年7月時点)。
Power BIの場合
Power BIには、ユーザーごとにライセンスが必要なPower BI Proと、全ユーザーが利用可能、かつ高度な機能が備わったPower BI Premiumの2つのプランが用意されています。Power BI Proは初期費用0円で利用開始でき、利用料はユーザーごとに1,090円(税別)です。Power BI Premiumは年間54万円程度のサブスクリプションとなっています。無料試用版を利用する場合は30日間利用することができますが、使える機能には制限があります。
DOMOの場合
DOMOは年間契約となり、ライセンスが必要な人数によって価格が異なるため、公式ウェブサイト上では公表されていません。メールアドレスの登録だけですぐに利用が開始できる無料トライアルを完備しており、すべての機能を制限なしで30日間利用できます。
Tableauの場合
Tableauは、Creator(個人向け)/1ユーザーあたり年間102,000円(税抜)、Explorer(チームと組織向け)/1ユーザーあたり年間51,000円(税抜、5ユーザーから利用可能)です。そのほか、ダッシュボードの参照と操作のみ利用できるViewerプランもあり、1ユーザーあたり年間18,000円(税抜)です。無料トライアルを完備しており、14日間の利用が可能です。
BIツールを活用しながらマーケティングを強化させるコツ
BIツールは、これまで埋もれていたデータを最大限活用できるため、マーケティングを活性化するのに優れています。ツールの活用に加えさらにそのデータを有効活用していくためには、外部のマーケティングプランナーを参画させ新しい視点を加えることが重要です。そこでおすすめなのがクラウドワークスの活用です。
クラウドワークスはクラウドソーシングサービスのひとつで、インターネット環境さえあれば、実績のあるマーケティングプランナーやリサーチャー、webアナリストなどの人材をオンラインで探し出すことができます。
それに加え、ほかにも販促のデザインで実績を積んだ人材や、SEO対策に長けた人材も多数在籍しているため、マーケティング関連の業務依頼をひとつのプラットフォームで完結できる魅力もあります。ツールで分析したデータと、データを活用できる優秀な人材がそろえば、マーケティング活動をさらに加速できるでしょう。
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まとめ
これまではシステム側で溜まっていくだけだったようなデータも、BIツールを導入すればそこから有効活用が可能になります。ツールを選ぶときには目的を明確にし、自社にあったものを選ぶことがポイントです。さらに効果的に運用するなら、外部からの新しい視点を加えることもおすすめです。
データを活用したデータマーケティングの成功事例などはこちらの記事でご覧ください。
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