管理職者のマネジメントスキルが不足している、マネジメント効果が上がらないなど、マネジメントに関する悩みをかかえている企業は多いです。組織運営に必要なマネジメント能力とはどのようなものなのでしょうか。マネジメント能力を高めるにはどうしたらよいのか、詳しく解説します。
目次
マネジメント能力とは?
ビジネスで使われるマネジメント能力とは「チーム(組織)の管理能力」のことを言います。人材、資金などのリソースを管理して運営できるかがマネージャーに問われます。
マネジメント能力が低いと言われる人は、単に管理だけを行っていることが特徴です。誰が・どこで・何をしているのか、どのくらいの進捗なのかを管理するのは基本的なことですが、それだけではマネジメントとして不足しています。マネージャーは適材適所での役割分担をするなど、生産性を上げるための工夫が必要です。
チームマネジメントの手法ついてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
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マネジメント能力に必要なスキルとは?
効果的なマネジメントを行うにあたって必要なスキルを5つ紹介します。
プロジェクトマネジメント力
マネージャーには、プロジェクトをどのように進めていくのか、計画立案とゴール設定を行ってチームメンバーを導いていくことが求められます。納期やコストも含め、チームを率いてプロジェクトを成功させる能力です。
問題解決力、問題発見力
組織が成長するためには、現在抱えている課題を解決することが必要です。また、課題は見えるものばかりではありません。いま見えない課題を見つけ出す洞察力もマネージャーには重要な能力です。そして、課題をどのように解決するのかを論理的に部下に伝えるためのロジカルシンキング能力も求められます。
コーチング力
マネジメントにコミュニケーションは欠かせません。コミュニケーションをして部下の能力を引き出すスキルを「コーチング」と呼びます。部下の能力を引き出して組織の中でうまく活躍させることも、マネージャーにとっては重要です。
意思決定力、リーダーシップ力
マネージャーはチームの目指す方向を決めて導く立場です。どこへ向かうのか目標を決定し、目標に向かう推進力となるモチベーションをメンバーに与えることが必要です。部下の心を動かす雰囲気作りや心配りが求められます。
ファシリテーション力
ファシリテーションとは、参加者全員の意見を聞き、まとめて場の調整をすることを指します。参加者が意見を出しやすい場の作り方と、目的から話題が逸れてしまった際に軌道修正する能力がファシリテーション力です。
マネジメント能力のない上司の特徴
マネージャーに必要な能力を紹介しましたが、ではマネジメントの悪い例とはどういうものが該当するのでしょうか。ここでは5つの例を紹介します。
部下の能力や努力を認めない
部下が良い結果を残して頑張っている経過を褒めることができない上司の場合、部下は努力が報われないと感じてモチベーションを下げてしまいます。部下のモチベーション低下はチームの業績にも響きます。小さな功績でも部下を褒めることで、チーム運営を円滑に行うことができるようになるでしょう。
ほかの人と部下を比較しがち
叱られる際、ほかの人と比較されるような言い方をされたら誰しもが嫌な気分になります。比較対象が同じ部署の同僚であればなおさらです。比較しがちな上司は、部下の欠点を探すことばかりに目を向けやすいため、これでは部下のモチベーションを下げてしまいます。まずは部下の良いところを見つけ、褒めることから始めてみましょう。
自分のミスを認めない
部下のミスは怒るにもかかわらず自分のミスは認めない、という態度では上司として信用されません。ミスを犯してしまったら素直に非を認めて謝りましょう。間違いを改善すること自体がマネジメントにつながります。
指示内容が分かりにくい
指示内容が抽象的でわかりにくいものでは、得られる結果は望んでいたものと違うものになるかもしれません。指示は明確に、具体的に行いましょう。
えこひいきする
マネジメントを行うには、チームメンバーからの信頼がなければ成り立ちません。部下を好き・嫌いで「えこひいき」する上司だと、部下は信頼関係を結びたいとは思いません。部下の評価は公平に納得いく形で行うべきです。
マネジメント能力を向上させる方法
必要なマネジメント能力をどのように高めれば良いのか、具体的な方法を4つ紹介します。
現状分析力、問題解決力を高める
現状分析や問題解決に役立つメソッドのひとつに、ディズニーストラテジーがあります。長期的な目標や夢を語る「ドリーマー」、ゴールを形にするための具体的な道筋を作る「リアリスト」、問題やリスクを発見しゴールへの精度を高める「クリティック」。この3つの視点を使いこなすことで、問題発見力や問題解決力を高めることに繋がります。
意思決定力、リーダーシップ力を高める
マネジメントにリーダーシップは欠かせません。リーダーとしてどのように振る舞えば良いのか、自分が周囲からどのように見られているのかに気を配りましょう。また、普段からさまざまな情報を収集することで、多様な判断基準を持つことができ、状況に合った意思決定を行うことが可能になります。
コミュニケーション力を高める
コミュニケーション能力は、伝える力も大切ですが、さらに重要なのは引き出す力です。部下の「やってみたい」「できる」といった意見を引き出すことで、前向きな行動につなげます。
プロジェクトマネジメント力を高める
プロジェクトマネジメントの際に役立つのが「ポジションチェンジ」と呼ばれる手法です。自分の視点から、顧客の視点やベンダーの視点などにチェンジすることで、問題解決の糸口が見えることがあります。ポジションチェンジを上司と部下の関係でも応用することで、部下の気持ちや行動を理解することが可能になり、悩みを解決する手段にもなります。
マネジメント能力ために企業側ができるサポートとは
社員のマネジメント能力開発には企業側のサポートも重要です。どのようなサポートができるでしょうか。
研修/実践
研修の機会を設けることで、マネジメントに必要な知識と意識づけができます。そして、研修で学んだことを現場で実践できるように、課題の設定を行いサポートしましょう。
多面評価
本当にマネジメントができているのか、自己評価だけではわからないものです。そこで、多面的評価を取り入れ、自己評価とのずれを確認しましょう。ほかのメンバーからどのようにみられているのかを知ることで、改善点が明確になり、成長の機会を得ることになります。
まとめ
組織の運営に不可欠なマネジメント能力は、単に管理だけを行うのではなく、リーダーシップやコーチング力など多面的な能力が求められます。必要な能力の向上のためには、社員自身の日々の自己研鑽に期待するだけではなく、企業研修や評価システムの導入などが必要です。