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公開日: 2023.04.27 / 最終更新日: 2023.11.29

不動産管理委託のPM費用・BM費用とは?意味や相場、コスト対策をご紹介

今回は、不動産管理を委託する際にかかるPM費用・BM費用の概要や料金相場、その他のランニングコストの内訳、不動産の管理費用を抑える方法などを紹介します。不動産管理を委託したいけれどコスト面が気になるという方は、ぜひ参考にしてください。

PM費用・BM費用とは?

PM費用・BM費用とは?PM費用・BM費用とは、不動産管理を「管理会社」へ委託する際にかかる費用のことです。不動産はオーナーが自主管理することもできますが、大規模な物件(マンション一棟など)や保有不動産の数が多い場合などは、管理会社へ業務委託するケースが一般的です。委託できる業務内容は管理会社によって異なり、以下のように大別されます。

【PM管理会社】
PM(プロパティマネジメント)管理会社は、建物の管理だけでなく、住民の入退去といった人の管理まで請け負ってくれる会社です。

【BM管理会社】
BM(ビルマネジメント、あるいはビルメンテナンス)管理会社は、建物の設備管理や修繕などをメインに請け負う会社です。

以下では、PM費用・BM費用の詳細についてそれぞれ紹介します。

PM(プロパティマネジメント)費用とは

PM費用とは、入居者への対応やサービスにかかるコストのことです。PMフィー(物件維持費)とも呼ばれ、不動産の収益を高めるために必要な費用になります。
PM費用の相場は家賃収入の5~9%程度ですが、大規模なリフォームを行う場合などは高額になるケースもあります。

PM管理会社へ委託できる主な業務内容は、以下のとおりです。

・建物の巡回警備
・施設内の衛生管理
・共有設備の点検、清掃
・工事の発注、管理
・入居者のクレーム対応
・入居希望者への案内
・賃料の回収、滞納督促
・賃貸契約業務(新規契約、退去、契約更新など)

そのほか、不動産のコンサルティングや法務サポートなどを請け負う管理会社もあります。

PM費用に関しては、管理会社へ支払う報酬が不動産の収益に比例するため、上記のような業務内容を追加・削減しても費用はほぼ変わらず、一律料金というケースが多い傾向にあります。そのため、マンションの1室を業務委託するより、1棟をまるごと委託したほうが管理会社にとってのメリットが多くなります。不動産管理をまとめて業務委託する際は、PM費用の値引き交渉ができる場合もあるため、契約時に確認しましょう。

BM(ビルマネジメント・ビルメンテナンス)費用とは

BM費用とは、不動産のメンテナンスなどにかかるコストのことです。BMフィー(設備管理費)とも呼ばれ、住民の満足度や不動産の資産価値を上げるために必要な費用になります。設備管理費の相場は総収入の5%程度ですが、委託する業務内容によって料金が変動します。

BM管理会社へ委託できる主な業務内容は、以下のとおりです。

・建物の巡回警備
・施設内の衛生管理
・共有設備の点検、清掃
・防災や消防設備の管理
・植栽や美観の管理
・その他の設備管理(エレベーター、貯水槽・ポンプ、ゴミ集積場など)

そのほか、リーシング業務(※)やコスト管理業務などを請け負う管理会社もあります。

BM費用の算出方法としては、管理会社と契約する際に上記のような業務の中から依頼する業務を決め、費用を計算するケースが一般的です。
PM費用とは異なり、BM費用は依頼する業務内容が増えるほど費用が高くなりますが、反対に依頼する業務内容を減らせば費用を安く抑えられます。

(※)リーシング業務とは、店舗などのマーケティング、テナントの構成の立案、賃貸条件の調整など、不動産の収益性を向上させるための業務のこと

不動産管理にかかるその他のランニングコスト

不動産管理にかかるその他のランニングコスト不動産を管理するためには、以下のようなランニングコストが発生します。不動産投資やアパート経営を行う場合などは、想定される費用の内訳を把握しておきましょう。

①委託管理費用

委託管理費用とは、管理会社へ不動産管理を依頼する際に支払う「基本料金」のことです。管理会社の料金体系やサービス内容によって委託管理費用の相場は異なりますが、委託する業務内容が多いほど料金が高額になる傾向にあります。

②所得税などの税金

不動産に関する税金はいくつかありますが、代表例として挙げられるのが所得税です。所得税の納税額は不動産の収益に比例するため、収益が増えるほど納税の負担が大きくなります。
ただし、不動産のすべての収益に対して税金が発生するわけではありません。所得税の課税対象となる所得は、以下のように算出します。

課税対象=不動産投資の総収入-経費

不動産投資の総収入には、家賃・敷金・礼金・更新料などが含まれます。これらの収益から経費を差し引いた金額に対して課税されるため、不動産投資にかかった経費をしっかりと計上すれば節税につながります。

そのほか、以下のような税金が発生するケースもあります。

【不動産取得税】
土地・家屋の購入、あるいは贈与などで不動産を取得した人に対して課税される税金

【固定資産税】
土地や家屋、償却資産の所有者に対して課税される税金

【都市計画税】
市街化区域内に土地や家屋を保有する人に対して課税される税金

【法人税】
法人の所得金額などを標準として課税される税金

【住民税】
家賃収入を事業所得としている場合に課税される税金

③修繕費

修繕費とは建物の改修工事の際などにかかる費用であり、主に以下の2種類に分かれます。

【原状回復の修繕費】
・エアコンや給湯器の交換など、入居者が退去する際の原状回復工事にかかる費用
・入居者が退去するタイミングで工事を発注する

【大規模修繕の工事費】
・壁のひび割れや屋根の塗り替え工事など、建物が大きく劣化したときにかかる費用
・およそ10~15年おきに工事を発注する

④システム手数料

契約内容によっては、システム手数料(あるいは更新料)という名目で、管理委託費用とは別に費用を請求される場合があります。すべての管理会社で発生する費用ではないため、管理会社と契約する際に、システム手数料が必要なのか、必要な場合はどのような意味合いで請求されるのかをきちんと確認しておきましょう。

⑤仲介手数料

不動産会社に仲介を依頼すると、仲介手数料(不動産会社への成功報酬)が発生します。例えば、仲介によって入居者が増えた場合などは仲介手数料が発生します。仲介手数料の相場は家賃の1カ月分程度ですが、仲介手数料を借主負担とすることも可能です。

⑥家賃保証料

家賃保証料は、家賃保証会社(入居者の連帯保証人を請け負う会社)と契約した場合に発生する費用です。家賃保証会社と契約すると、不動産オーナーと入居者の双方にメリットがあります。

【不動産オーナー側のメリット】
・連帯保証人がいない入居者の場合でも安心して契約できる
・入居者が家賃を滞納した場合、家賃保証会社が未払い分の家賃を充当してくれる
・滞納された家賃は、家賃保証会社が入居者から直接回収してくれる

【入居者側のメリット】
・契約時に連帯保証人を用意する必要がなく、賃貸住宅に居住できる

家賃保証会社は、入居者の連帯保証人となる代わりに、入居者から保証料を受け取る仕組みです。ただし、契約内容によっては、保証料を不動産オーナーが負担するケースもあるため、契約前に確認しておきましょう。

不動産投資で有利なのは小規模マンション・大規模マンション?

不動産投資で有利なのは小規模マンション・大規模マンション?不動産投資で比較的有利なのは、大規模マンションです。なぜなら、不動産管理のランニングコスト(委託管理費用・修繕費など)は、小規模マンションは1戸あたりの負担が大きい傾向にあり、大規模な物件のほうが安く抑えられるからです。また、景気が後退すると、ランニングコストの負担が大きい物件は値段が下がりやすくなります。これは不況に伴い、保有不動産を売ろうとする企業・個人が増えることが要因です。保有不動産を売る際も、付加価値のある大規模なマンションのほうが高額で売却しやすい傾向にあります。

【付加価値の例】
・エントランスが広く高級感がある
・共用施設(ジム、シアタールームなど)が使える
・銀行ATM、スーパーマーケットなどが併設されている

不動産の管理費用をおさえるための対策

不動産の管理費用をおさえるための対策ここでは、不動産の管理費用をおさえるための対策をいくつか紹介します。

管理会社を比較する

すべての管理会社が同じ料金プランではなく、対応範囲やサービス内容が異なります。管理費用を抑えたい場合は、複数の管理会社の料金・委託できる業務内容を比較し、コストパフォーマンスの高い管理会社を選びましょう。
また、管理会社のスタッフの対応が良いか、緊急時のサポートがあるかなど、サービス面も選ぶ際に重要なポイントです。コスト面のみ重視した結果、サービスの質が低い会社に依頼しては管理委託をする意味がありません。委託費用が高くても不動産収益が向上するのであれば、高い費用対効果が期待できます。

委託する業務範囲を見直す

管理会社へ委託する業務範囲を見直して、コストカットすることも可能です。管理委託の方法は、不動産の管理業務をまとめて依頼できる「全部管理」と、必要な業務だけを依頼できる「一部管理」に分かれます。
一部管理の場合、入居者への対応のみを管理会社に委託し、日常清掃や点検作業はオーナー自身が行うなど、分業して管理できます。

ただし、PM管理会社の場合、委託する業務内容を変更できないケースもあります。管理会社との契約前に、委託する業務内容をカスタマイズできるか、料金交渉ができるかを確認しましょう。

管理委託から「自主管理」へ切り替える

管理会社への委託から「自主管理」に切り替えれば、管理費用を削減できます。自主管理は、管理会社に一切委託せず、オーナー自身がすべての不動産管理業務を行う方法です。例えば、部屋数の少ないアパートや自宅を一時的に貸し出す場合など、管理する戸数が少ないケースでは自主管理に切り替えてもあまり負担はありません。

ただし、遠方に物件があると管理に手間と時間がかかるため、遠方の物件のみ不動産管理を委託し、自宅に近い物件は自主管理にするなど、管理会社へ委託する範囲を限定するというケースもあります。

契約途中の管理会社を変更する際の注意点

契約途中の管理会社を変更する際の注意点管理会社のスキルが高いかどうかで、不動産の収益に影響します。管理費用が高い、期待どおりの仕事をしてくれない、担当者と合わないといった不満がある場合は、管理会社を変更するケースも少なくありません。

ただし、契約途中の管理会社を変更する際は、以下のような注意点があるので事前に把握しておきましょう。

家賃の振込先が変わる

管理会社を変更すると、家賃の振込方法が変わります。不動産のオーナーの口座に家賃が振り込まれる場合は、基本的には入居者への連絡のみで済みます。一方で、管理会社・保証会社などの口座を経由している場合は、「家賃の振込先」を変更する手続きと、入居者への連絡が必要です。
振込先がどこなのか、どのように経由しているか不明な場合は、新しい管理会社に家賃の振込方法・振込先の変更手続きなどのサポートを依頼することもできます。

保証会社との契約が切れる可能性がある

管理会社と保証会社は業務提携をしている場合が多いため、管理会社を変更すると、保証会社との契約が切れる可能性があります。また、保証契約と賃貸借契約書がセットになっている場合、入居者が退去しない限り、保証会社との契約を解除できないというケースもあります。
管理会社を変更するだけであれば、保証会社との契約が継続しても大きな負担はありませんが、保証会社との契約が切れるのか、継続するのかを事前に確認しましょう。

時期によっては手続きに時間がかかる

管理会社には繁忙期・閑散期があり、時期によっては解約手続きがスムーズに進まない場合があります。繁忙期(1~3月)は入退去が多く、混み合う傾向にありますが、閑散期(4~8月)は人の動きが少ないのでスムーズに手続きを行えるでしょう。
また、変更前・変更後の管理会社の間で引き継ぎがスムーズに進まず、契約解除の違約金や点検の費用、更新費などが発生するというケースも予想されます。
これらの費用は不動産のオーナーが負担することになるため、管理会社の変更にはリスクが伴うことを理解しておきましょう。

契約途中の管理会社を変更する方法

契約途中の管理会社を変更する方法契約途中の管理会社を変更する場合、まずは契約書を確認します。契約書の中に「解約時期」「違約金の有無」という項目があるため、解約可能な時期についてと、契約期間内に解約した場合は違約金が発生するのか、の2点をチェックしましょう。契約途中の場合、契約料が返金されなかったり、違約金が発生したりする場合もあるため、契約書に記載された解約時期に合わせるとスムーズに管理会社を変更できます。すぐに解約したい場合は、新しい管理会社に協力してもらい、解約手続きをスムーズに進めるという方法もあります。

不動産管理関連の仕事依頼・相談は「クラウドワークス」へ

不動産管理の実務経験がある人材や、特定の有資格者などを探している場合、クラウドソーシングサービス(※)を通じて外注する方法がおすすめです。
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まとめ

不動産管理にはPM・BMなどの業務内容があり、すべてを自主管理するのは困難です。ノウハウや実務経験の豊富な管理会社に委託するケースが一般的ですが、すべての管理業務を委託することもあれば、部分的に委託する場合もあります。重要なのは、管理会社が支払った費用に見合った働きをしてくれるかです。不動産の収益が上がっているなら、ある程度のコストをかけて不動産管理を委託し、コストパフォーマンスを確認しながら委託する業務範囲を検討しましょう。

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クラウドソーシングTimes編集部
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