業務効率化
公開日: 2019.04.01 / 最終更新日: 2023.12.18

労働生産性の計算式とは?算出方法や改善するためのポイントを解説!

労働生産性を算出する際には計算式を用いると便利です。労働生産性の計算式はもちろんのこと、産業別の労働生産性の違いについても徹底解説しています。また、労働生産性を改善するための具体的なポイントにまで触れているので、ぜひ参考にしてみてください。

労働生産性を上げる必要性とは?
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そもそも労働生産性とは?

働き方改革の影響もあり、ますます労働生産性について叫ばれる機会が多くなりました。労働生産性を改善するためには、基本的な事柄をしっかりと理解しておくことが大切です。労働生産性とは何か、その基礎をおさらいしましょう。

労働生産性の定義と計算式

労働生産性とは、「労働者1人あたりが生み出す成果」または「労働者1人が1時間あたりに生み出す成果」を表す指標です。業務効率化のためには欠かせない指標だと言えるでしょう。産出を投入で除することで求められます。

労働生産性=産出(生産量や付加価値額)÷投入(労働者数または労働者数×労働時間)

『投入』とは、物を作るためにかかった原料・人的コスト・設備・土地などをさします。投入による売上やできた物が『産出』となります。計算式のとおり、労働力を抑えながら効率的に成果を生み出すためには、労働生産性を高めなければなりません。労働者1人あたりの付加価値額が高くなれば、企業のさらなる成長にもつながるでしょう。

なお、労働生産性には「物的労働生産性」と「付加価値労働生産性」の2種類が存在します。詳しくは後述します。

物的労働生産性の定義と計算式

物的労働生産性とは、産出を「生産量」や「販売金額」とした場合の労働生産性です。「労働者がどのくらい効率的に製品やサービスを生産しているか」を表す指標となります。生産効率を数値化したものなので、品質管理の向上や設備投資の判断に利用されることが多いです。

物的労働生産性=生産量や販売金額÷労働投入量

一人あたりの物的労働生産性を求めるには、生産量÷労働者数が計算式となります。5,000個のリンゴを生産するのに100人の労働者がいた場合、労働者一人あたりの労働生産性はリンゴ50個です。

付加価値労働生産性の定義と計算式

付加価値労働生産性とは、産出を「付加価値額」とした場合の労働生産性のことで、「労働者1人あたりがどれくらい付加価値の高い仕事をしているか」を表します。成果を物の量で出すのではなく、評価した金額による付加価値によって算出します。利益最大化のための指標として利用されることが多いです。

付加価値労働生産性=付加価値額÷労働投入量
付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費

付加価値労働生産性は種類が異なる生産による成果を同基準で出すことができるため、異業種間での労働生産性の算出にも役立ちます。また、物的労働生産性のように生産量で算出するわけではなく付加価値によって算出するため、サービス業などの測定にも向くでしょう。国際的に生産性を比較する場合も、付加価値労働生産性の計算式が使用されることがほとんどです。

産業別の労働生産性に違いはあるのか?


労働生産性は業種や産業によっても左右されるのでしょうか。実際のデータをもとに紹介していきます。

業種別の生産性の違い


出典元:中小企業白書 2016

こちらの図は、2014年における中小企業の労働生産性の分布(業種別)を表しています。図によれば、飲食サービス業や医療・福祉業、宿泊業などの労働生産性は低いことが分かります。その大きな理由として、以下のものが挙げられるでしょう。

・サービスの提供と消費が同時に発生する
・サービスの提供と消費が同じ場所で発生する
・在庫の保有が難しい

これらの特徴が当てはまる業種は計画的な生産が難しい、かつ、生産性を伸ばしづらい傾向にあります。一方、金融・保険業、不動産業、物品賃貸業などの労働生産性は高いことが分かります。これは、資本生産性や資本集約度の高さに起因するものと考えられるでしょう。

企業の規模による生産性の違い


出典元:中小企業白書 2016

こちらは中小企業と大企業の労働生産性の業種別平均と業種別従業者割合を表しています。図を見ると、中小企業の労働生産性の平均値は大企業よりも下回っていることが分かります。少子高齢化が進む中、国全体の付加価値額を上げるためには、労働力の大半を占める中小企業の労働生産性を向上させなければなりません。

労働生産性を上げる方法は?


労働生産性を上げるためにはいくつかの方法があります。それぞれの方法を組み合わせることで、より改善していくことが可能です。

ITツールを活用する

労働生産性を向上させるためには業務効率化を進めることが必要不可欠ですが、その手段としてまず考えるべきはITツールの活用です。社内コミュニケーションツールや情報管理系のツールは比較的IT化がしやすいでしょう。

生産性が低い企業は、そうではない企業に比べて労働時間が長い傾向があります。そもそも生産性が低ければ利益が生まれず、人件費を捻出できません。従業員1人あたりの業務量が増えて長時間労働が蔓延してしまい、さらに生産性が低くなるという悪循環に陥る可能性もあります。

ITツールを活用することで労働時間を削減し、業務効率化を図りましょう。日常業務を自動化する方法などはこちらの記事でも紹介しています。あわせてご覧ください。
関連記事:日常業務を効率化するには?改善方法や自動化・外部化について解説!

ノンコア業務を外部化する

業務を効率化して労働生産性を上げる方法としては、ノンコア業務を外注化することも挙げられます。定型業務や事務作業などに時間をたくさん割いてしまうと、企業の利益に直結するようなコア業務に集中することができません。

どのような業務も必ずコアとノンコアに分類されます。まずはすべての業務を仕分けし、ノンコア業務はアウトソーシング(外注)しましょう。社員一人ひとりが企業の売上に直結するような戦略的な業務=コア業務に専念することができれば、労働生産性の向上や企業の成長につながります。

こちらのインタビュー記事は、ノンコア業務を戦略的にアウトソーシングして売上を10倍にした株式会社ガイアックス様の事例です。外注化のためにクラウドソーシングをうまく活用したコツをたくさん話していただきましたので、ぜひご覧ください。
関連記事:3年で売上10倍にするにはコア業務に集中できる環境が重要。ガイアックスの管さんが語るクラウドソーシングの向き合い方と活用法

【無料ダウンロード】社員が業務に集中できる環境を整えるためには、コア業務以外をクラウドソーシングに外注することが有効です。利用企業500社のアンケート結果をぜひご覧ください。

働き方改革を進める

働き方改革を進めて従業員が働きやすい環境を整えることも、労働生産性を向上させる方法です。たとえば、自宅での就業を可能にするリモートワークの導入や、フレックス制度の導入などです。これらを導入することで従業員の柔軟な働き方を実現し、ワークライフバランスを充実させることもできます。

柔軟な働き方によって会社全体の業務効率化の意識がさらに高まるだけでなく、従業員のモチベーション向上にもつながるでしょう。満員電車などの出勤のストレスがなくなるだけでも、労働生産性は大きく変わるはずです。さらに、育児・介護と仕事を両立できるような環境が整う会社には、優秀な人材が多く集まる傾向があります。これらによって、生産性の底上げやさらなる企業の拡大も期待できます。

【無料ダウンロード】人材不足への対応や柔軟な働き方を目指す一環として「オンラインチーム組成」に注目が集まっています。特徴・作り方・事例などはこちらの資料でご覧ください。

ノンコア業務の外部化に役立つサービス

即効性のある労働生産性改善を望むなら、もっともおすすめなのはノンコア業務を外部化することです。社員1人ひとりの稼働時間は限られているため、特に中小企業ならば、ひとりあたりのパフォーマンスを最大限に引き出すことは重要な課題です。

また、このように社員がより重要度の高い業務に専念するためだけでなく、「その業務に対してのスキルや豊富な経験をもつプロ」に依頼できることもメリット。社員がコア業務の傍らで進めていくよりも、ずっとスピーディで正確に業務が進んでいくでしょう。

クラウドワークス

クラウドワークスは、企業と個人がインターネット上で仕事を受発注できる「クラウドソーシングサービス」のひとつです。多くの企業が発注しているコンテンツ制作、ビジネス事務、デザイン、開発だけでなく、専門性が高く需要が伸びてきている写真・映像や、翻訳、コンサルタントなども外部化できます。

依頼相手となる個人は、開発系やコンサルタント、動画制作など、専門性や難易度が高い作業ほど報酬は高くなり、専門性が低くなるほど報酬は低くなります。あらゆる仕事を外注できるため、依頼したいカテゴリーの平均発注額を把握しておきましょう。

「クラウドワークス」サービス説明資料
資料内では、カテゴリー別の難易度×報酬相場を一覧でまとめて紹介しています。納期の目安も参考に、労働生産性の向上を目指しましょう。ダウンロードはこちら

まとめ

労働生産性の計算式を解説しましたが、算出してみても良いのか悪いのか判断ができない場合、過去の数値を出してみて比較することがおすすめです。業務を効率化して企業を成長させるには、労働生産性の算出と改善は必要不可欠です。業界や企業規模によっても数値は異なりますが、当記事で紹介した計算方法やポイントを参考に、自社の生産性を見直してみてください。

実際の成功事例から紐解く、
チームの生産性がアップするポイントとは?

「働き方改革」が進む中、企業での生産性の改善は急務です。昨今の市場トレンドとともに成功事例も紹介します。

【こんな方におすすめ】
・生産性アップのポイントを知りたい
・企業のさまざまな事例を知りたい
・効果的な体制構築の方法を知りたい

にしすん
早稲田大学商学部卒業後、コンサルティング会社で人事業務を担当。新卒・中途採用全般に携わる。 その後、フリーランスとして独立。WebマーケティングやWeb広告の分野で活躍中。マーケティング・金融・会計・人事労務など、幅広い知識を持つ。

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