業務効率化
公開日: 2019.08.02 / 最終更新日: 2024.03.19

AIで業務効率化を目指すには?RPAと連携するメリットや効率化の事例も紹介

労働力不足や老若男女を問わない多様な働き方の模索など、多くの課題を抱える日本において注目されているのが、AIを活用した業務の効率化です。今回は、AIによる業務効率化とはどのようなものなのか、AIをどう活用するかなどを紹介します。

AIを使った業務効率化ツールの特徴


AI(アーティフィシャル・インテリジェンス)は、人工的に構築された知能を指します。近年、ChatGPTなどの生成AIモデルが登場し、自然言語処理や対話型タスクにおいて高い性能を発揮しています。業務を効率化するためにAIRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入する企業が増えていますが、AIにはどんな特徴があるのでしょうか。

AIは、ビッグデータという膨大な量のデータをもとに、ニーズに合った最適な提案をコンピュータ自らが判断する仕組みです。また、AIの最大の特徴は「自ら学習する」ことで、タスクを繰り返すたびに「賢く」なっていきます。

まさに人間の頭脳のように判断ができるので、次から次へと出てくる課題に対しても臨機応変な対応が可能です。通常はAI単体で利用するのではなく、ほかのシステムやデバイスに組み込んで活用します。

AIと連携して使われるRPAとは


RPAの特性とは、決められたことを決められた方法で正確に行うことで、企業の「定型業務のロボットによる代行」が可能となります。

データ入力や照合、請求書の処理や財務データの作成、休暇等の福利厚生の申請や管理など、一定のルールに従った反復作業を自動的に行うのが主な業務内容です。処理スピードが速いうえにミスもなく、24時間稼働するので、業務の質の向上と効率化につながります。

RPAの仕組みを詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:今注目のRPAの仕組みとは?期待できる効果や活用方法、マクロとの違いも解説

AI+RPAによる業務効率化のメリット


単体で使われることが少ないAIは、RPAと連携して使うことで以下のようなメリットを得られます。

RPAで自動化できる領域が広がる

RPAが手作業の代行ロボットだとすると、AIは人間の頭脳になるツールです。RPAが行っていた単純な定型業務に、特定の判断や分類、予測などの意志決定を得意とするAIが連携することで、非定型業務も行えるようになります。つまり、業務がルール化されていなくても、AIのディープラーニングによって簡単な判断であれば自動化が可能です。

24時間自動で稼働が可能

AI・RPA共に機械であるため24時間稼働することができ、大幅な業務の効率化と、人材雇用や外部発注コストの削減が可能です。また、タスクを繰り返すことにより、人間と同じように知識の増加や能力の発達が期待できるため、人材教育の手間やコスト削減につながる可能性もあります。

人為的なミスを防げる

AI+RPAの作業は、スピーディかつミスのない正確な作業なので、品質や生産性の向上を目指すことが可能です。人為的ミスが許されない業務をロボットにまかせれば、人間はより価値のある仕事に専念できることになります。

しかし、一部気を付けなくてはいけないデメリットも存在します。AIが作成したデータには、事実に基づかない誤ったデータが混じってしまう可能性や、誤った回答(ハルシネーション、幻覚)が発生する可能性があります。誤った内容によって生じるトラブルに関しては注意が必要です。必ず元データを確認するようにしましょう。

あわせて、AIを利用する際は、情報の流出にも注意を払う必要があります。AIの特性上、大量のデータを学習し使用するため、個人情報等を学習に利用しないようセキュリティ対策が必要になります。企業秘密になりうる情報は生成AIに入力しない・生成AI利用時に履歴や情報を保存しない設定にて使用する等の対策が必要です。

AIによる企業の業務効率化の事例


では、具体的にAIを活用する場合、どのような方法があるのでしょうか。事例を交えて紹介します。

問い合わせメールへの対応

コールセンターなどでは、AIを活用した応答支援の導入が多いです。AIメールは、最初こそ基本的な回答のみの対応ですが、オペレーターの回答を聞いて学習を重ね、適切な回答を適切な言い回しで返信できるようになります。

また、問い合わせメールの文面から、それが苦情なのか、製品説明を希望しているのかなどを瞬時に判断し、ラベルを付けたり、適切な担当者に振り分けたりすることも可能です。

社内問い合わせのAIチャットボット

大企業などでは、社内の従業員からの問い合せに対応するだけでも、多人数のスタッフが必要となってしまいます。これを解決するのがAIチャットボットで、社内のイントラなどに組み込むことで、窓口業務の負担軽減になります。24時間対応ができ、会話形式のチャットで応答ができるので、使いやすく、その場で課題解決できるのがメリットです。

架電予測によるシフトの効率化

コールセンターなどでは、顧客の属性や今までの取引内容から、電話がつながりやすい・コンタクトを取りやすい時間をAIが予測します。これによってオペレーターのシフトが最適化され、適切な人員と人材配置によって、効率化と人件費のコスト削減を進めることが可能です。

需要予測による在庫量の適正化

小売業などにおいては、在庫不足によるチャンスロスをなくして収益を最大化するために、過去の販売実績に基づいた需要予測を行い、適正在庫量をAIによって算出・管理しています。

商品ごとに需要予測を行い、過去データから導く在庫と収益の関係をモデル化。そこから適切な在庫量を導き出すことで、余剰在庫による陳列スペースの占有の課題も解決できるようになります。

AIで業務効率化を目指すポイント


AIで業務の効率化を図るには、以下の点にも留意しておきましょう。

BPOとRPAは業務内容で使い分け

業務効率化の手段として、AIやRPAのほかに、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)という考え方もあります。BPOとは、簡単に言えば社内業務の一部を外部へ委託すること。特に定型業務のアウトソーシングで多く使われる手段です。コストを抑えるために、賃金水準が安い海外への委託も多くなっています。

ただし、作業を行う人に直接指示することができないので、急なオーダー変更に臨機応変に対応できないことも少なくありません。

一方、RPAの場合は、同じような定型業務でも自社の管理下で行うことができるため、状況に応じた作業変更が簡単に行えます。また、外部には出せないような機密情報の処理などにも向いているため、BPOとRPAは業務内容やコストパフォーマンスによって適切に使い分けることが必要です。

クラウドソーシングで外注も可能

AIやRPAを利用したシステム導入には、多くのコストと時間を費やします。そこから具体的な業務の効率化やメリットが平準化するまでには、さらに時間が必要です。こうした場合、たとえばクラウドソーシングなどを利用して定型業務の外注化を行うと、初期費用がかからず、全体的なコストダウン・早期納品などが期待できます。

また、同じくクラウドソーシング上でAI開発者や運用できる人材を募ると、一般的なシステム会社に依頼するよりもコストを抑えられることもあります。

定型業務をクラウドソーシングして業務効率化に成功した企業の事例は、こちらの記事をご覧ください。
関連記事:社内に専属ディレクターを配置し、作業の外注で会社力を数倍に。多くの業務を発注するノウハウ大公開:株式会社ケースオクロック
関連記事:個々が強みを活かして働くために、クラウドソーシング活用。営業やデザインの外注術:株式会社トークナビ

まとめ

慢性的な人材不足の中で注目されているのが、AIやRPAの導入による業務効率化やコストダウンです。RPAによる定型業務の効率化が望めるうえ、AIによる判断・学習によって、より幅広い複雑な業務をこなせるようになります。ただし、導入にはコストや時間もかかるので、その業務内容によっては、クラウドソーシングなどを利用した定型業務の外注も選択肢のひとつとして考えましょう。

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