
近年、ソーシャルメディアの活用などにより企業と消費者の距離が縮まっている中、広報活動の重要性が高まっています。今回の記事では、特にベンチャー企業の広報について、その役割や手法、成功事例について紹介します。
目次
ベンチャー企業における広報の役割とは?
ベンチャー企業において広報は、「企業への理解」や「商品やサービスの認知を高める」などの役割を持ちます。販売面だけでなく、優秀な人材の採用、資金調達などの面においても、広報活動による影響は大きいです。費用をかけて宣伝を行う「広告」とは異なり、資金力が高くないベンチャー企業にとっても、発信内容によってはローコストで認知を高められます。
ベンチャー企業における広報の手法とは?
広報の手法として、主に4つの方法をご紹介します。企業の認知度によって向いている、向いていないがあるため注意しましょう。
プレスリリース
プレスリリースは、商品やサービスのローンチ、その他のニュースなどをメディアに向けて発表するものです。基本的には自社で発信するため、コストがかかりません。新聞や雑誌社、テレビ局などに向けた情報で、「ニュースリリース」と呼ばれることもあります。
メディアを絞ったPR活動
不特定多数の報道機関に対して一斉に発信を行うプレスリリースとは異なり、ターゲットを絞って情報発信を行うのが「メディアを絞ったPR活動」です。発信内容に対して興味を持ち、記事にしてくれそうなメディア、関連性の高いメディアに絞って直接企画を持ち込みます。
メディアキャラバン
メディアキャラバンとは、自社の商品やサービスを紹介するために、雑誌社や新聞社を回ってアピールする手法です。プレスリリースの文書だけでは伝わらない魅力や秘話など、「そのメディアだけに話す情報」がポイントになります。
認知度の低い企業にとっては、まずアポイントを取ることが最初のハードルになるため、比較的認知度のある企業に向いている方法です。
創業者のメディア露出
社長やファウンダーが自らメディア露出して、認知を上げる手法です。特に社長自らが会社のブランディングを担うという手段は、ベンチャー企業やスタートアップ企業でよく用いられます。事業への思いや起業の背景、経営者のキャラクターなど、コンテンツ次第では記事として取り上げてもらえる可能性が高くなります。
ベンチャー企業の広報が成功するポイント
ベンチャー企業はまだ認知度が低いことが多いため、広報活動でもメディアや消費者が興味を持ってくれるようなブランディングが重要になります。特に次の3点に注力するようにしましょう。
コンテンツ力を高める
ベンチャー企業かどうかにかかわらず、広報活動においてはコンテンツ力を高めることが重要です。同じ発信内容でも切り口や見せ方に工夫を加えると、メディアが受ける印象は大きく変わります。
営業活動も同時に行う
PRだけでなく営業活動も一緒に行いましょう。注目度が高い大企業であれば、発信するだけである程度の数のメディアが関心を示してくれます。しかし、認知度が低いベンチャー企業は営業活動も同時に行い、継続的に自社のアピールをしていくことが重要です。
ソーシャルメディア活用
企業にとってソーシャルメディアは、消費者との重要な接点。自社のイベントや新しく入ったメンバーの紹介、社長の思い、季節ネタなど、ソーシャルメディアではプレスリリースで発信できないニュースを伝える場として有効活用できます。
SNSをうまく活用すると、広報に有効なだけでなく、新規顧客の獲得や集客も成功につながります。それぞれのSNSで効果的な投稿の方法も紹介しているのでぜひご覧ください。
関連記事:SNSで集客を成功するには? 新しい顧客を獲得する方法や事例を紹介
ベンチャー企業での広報の成功事例
ベンチャー企業での広報の成功事例を見ながら、広報活動の方法をイメージしてみましょう。
ウェディングパーク:「涙活」コラボレーションイベント
結婚情報メディアのウェディングパークは、「涙活」とコラボレーションしてイベントを行うことで話題作りに成功しました。
「泣けるジューンブランド」というイベントで、集まった人たちと一緒に涙を流してデトックス、ストレス発散をしようという企画です。ユニークな企画だったためPR効果が高く、テレビ、インターネットニュース、ウェブメディアそれぞれで取り上げられ、大きな話題となりました。
メドピア:ヘルス×テックイベント「Health2.0」
医療コンサルタント事業を運営するメドピアは、アメリカで開催されているヘルステックイベント「Health2.0」を日本にて開催。「ヘルステック」という新しいコンセプトにより、カンファレンス中に行ったFacebook上での実況レポートでは、計16,000以上のリーチを獲得しました。
リノベる:IoTショールーム「コネクトリーラボ」
中古マンションの購入、リノベーションのサービスを運営するリノべるでは、新サービスのIoTショールーム「コネクトリーラボ」を発表するにあたり、3カ月前から関連トピックのニュースを発信。関連トピックのニュースという事前の種まきにより、IoTショールーム「コネクトリーラボ」のニュースはより話題になり、ウェブ媒体、ソーシャルメディアの拡散、イベントの取材が増えるなど、高い効果が出ました。
まとめ
ベンチャー企業においては、広報を有効的に活用できるかどうかは重要なポイントです。話題になるようなコンテンツ力や地道な営業活動が、成功に近づく方法と言えるでしょう。他社の実例も参考にしながら、自社に合った方法を見つけてみてください。