業務効率化
公開日: 2019.09.18 / 最終更新日: 2020.06.26

起業の方法や流れとは?資金調達方法別のメリット、手続き詳細まとめ

これから起業するにあたって、必要な準備はもちろん、どのように進めていったらいいか分からない人もいるのではないでしょうか。また、事業を進めるための資金調達は頭を悩ませる大きな課題です。そこで、起業するにあたっての手続きや資金調達についてわかりやすく解説します。

そもそも「起業」とは?


起業という言葉のそもそもの意味をご存じですか?辞書での意味は「新しく事業を始めること」。「起業」は「新規のサービスを考えて事業を開始する」という意味合いがあり、スタートアップなどによく使われます。

起業と似た言葉に「開業」や「独立」などがありますが、それぞれ少しずつ異なります。「開業」は個人が新しく事業を始める場合に使うことが多く、「独立」は会社を退職して事業を始めることを考える場合に使用されることが多いです。

起業するというとかなり大きなビジョンがあるような気がしますが、起業家によって抱いているビジョンの大きさはさまざまです。つまり、何を起業の目的にするのかによって、起業の方法はたくさん存在するということです。

起業の流れは?


起業をするにあたっては、以下の4ステップが必要です。

本当に起業する必要があるのか考える

「社長になりたい」「もっと稼ぎたい」といった理由の場合、本当に起業する必要があるのか考えてみましょう。

起業はそれ自体が目的だったりゴールだったりすると、当然ですがそこから先のビジョンが描けなくなり、何もしないまま失速してしまいます。「なぜ起業をするのか?」という問いを改めて自分自身に向けて考えてみてください。そのうえで明確な目標や目的が出てきたのであれば、次のステップに進みましょう。

どのような事業を始めるか決める

起業はどんな事業を始めるかが大事な要素です。起業のアイディアがすでにあるのであれば、それを誰にどのように売るのか、そして買う人はどんな価値を感じてくれるのか、どんな問題が考えられるかを挙げてみましょう。それをまとめるとビジネスモデルになっていきます。

起業アイデアを思いつく方法としてこちらの記事もご覧ください。
関連記事:起業したい人は何をすればいいのか?悩みの解決策と準備方法を紹介

必要な資金集めをする

資金が少ない状態で起業することもできますが、起業資金はある程度用意しておくに越したことはありません。どのような職種、業種で起業するのかにもよりますが、まずは何にどのくらい初期費用がかかるのかを割り出しましょう。

次に開業後にかかる運転資金を出していきます。運転資金には自分の人件費も含まれるため、忘れないようにしてください。何カ月で事業が軌道に乗るのかをイメージすると、初期費用と運転資金がどのくらい必要になるか総額がわかります。

その総額を手持ちの資金から引くと、足りないお金が見えてきます。この金額分の資金を調達する必要があるというわけです。

起業する方法を決め手続きする

起業といっても、個人事業か法人か2通りの方法があります。まずはどちらにするのかを決め、手続きを進めます。個人事業の場合は、税務署に開業届出書を提出すれば終了です。個人事業主の場合、登記の費用はかかりません。法人の場合、公証人役場、法務局、税務署、労働基準監督署、年金事務所と、各所での手続きが必要になります。

資金調達時の方法別のメリット・デメリット


資金は事業の中でもっとも重要な役割を果たします。資金調達の方法をしっかり把握しておきましょう。

VC、エンジェル投資家による投資

ベンチャー企業が大きな融資先として期待するのがVC(ベンチャーキャピタル)や投資家です。メリットとしては、経営に関する相談ができること、経歴よりもアイディアを買ってくれること、万が一失敗しても資金返還の義務がないことの3点です。

デメリットとしては、投資家としてリターンを求めるため、成果を常に要求されるというプレッシャーが挙げられます。さらに、組む相手を間違えると事業がうまくいった時に足かせとなってしまったり、持ち株配分で自分の経営権が弱くなってしまったりするなどの恐れも考えられます。

日本政策金融公庫からの融資

日本政策金融公庫は、事業家をサポートするためにある金融機関です。国の機関であり、その存在目的からも融資をしてもらいやすいという特徴があります。具体的には、無担保無保証で最大3,000万円の融資が受けられることが最大のメリットです。そして、日本政策金融公庫から融資が受けられれば、それを契機に他金融機関からの融資も受けやすくなります。

デメリットとしては、創業融資には自己資金要件があるため最低限の自己資金は用意する必要があること、信用情報に傷があると融資を受けることができないことの2点です。

民間の金融機関からの融資

銀行や信用金庫といった民間の金融機関からの融資は、それ自体が会社の信用につながることがメリットです。ただし、膨大な書類を用意しなくてはいけない、何度も面談を重ねる必要があるなどの手間がかかる点はデメリットです。

起業を始めるときの手続きとは?


法人の起業手続きに関して4つのステップで説明します。

1.定款を作成し認証を受ける

会社の基本運営方針とも言える定款を作成し、公証人役場にて承認をしてもらいます。その際、手続きにかかる費用は5万円です。

2.設立登記の手続きをする

法人の設立登記は法務局で行います。定款と出資金がわかる書類、法人の印鑑証明届出書などを一緒に提出してください。受理されると法人番号と印鑑証明カードが発行されます。この際、登録免許税で最低15万円の支払いが必要です。

3.税務署に必要な書類を提出する

登記が完了したら、続いて税務署に法人設立届出書を提出します。一緒に、定款、登記事項証明書(履歴事項全部証明書)、株主名簿、設立趣意書、設立時貸借対照表も用意しましょう。

4.労働基準監督署で労働保険に加入手続きをする

もし従業員を雇う場合は労働保険の加入が必要です。労働保険の加入手続きは労働基準監督署で行います。さらに、年金事務所にて健康保険と厚生年金の手続きも必要です。

まとめ

起業時の手続きと資金調達は避けられない壁です。特に資金調達は会社運営するにあたって重要な部分なので、どのような方法で足りない資金を調達するのかを考えなくてはいけません。この2つのハードルを乗り越えられるように、しっかりと準備していきましょう。

スタートアップが成功するために
考えるべき「外注体制」について紹介します。

人や資金が少ないスタートアップ時に、外注体制を整え、成功する組織作りをするポイントを事例と共に紹介します。

【こんな方におすすめ】
・創業時に成功するカギを知りたい
・体制作りの成功事例を知りたい
・外注の体制構築方法を知りたい

伊藤孝介
セールスプロモーション会社を経て独立し、フリーランスで地方自治体や中小企業のマーケティングリサーチ、販促企画などに携わる。 業務拡大のため2017年に合同会社を設立し、現在経営中。 マーケティング系ライター歴5年。マーケティング用語の解説や、事例紹介、WEBマーケティングなどが得意。

コメントは受け付けていません。