人材確保手段のひとつとして、「派遣社員の採用」が挙げられます。今回は、派遣社員を採用するメリットや採用の流れ、採用のポイント、注意点などを紹介します。
目次
派遣社員を採用するメリット
正社員採用とは異なる派遣社員採用のメリットとして、以下のような点があります。
専門性の高い人材の確保が可能
まず、特定の技術を持った人材・特定のジャンルに精通した人材など、専門性の高い人材を必要に応じて派遣してもらえることが挙げられます。一定の能力を備えた人材がそろう派遣会社へほしい人材の条件をリクエストすることで、育成・教育の費用や時間をかけずに必要な人材を確保できます。
特定期間だけ人材を確保できる
派遣社員は特定の期間を設けて人材を確保するスタイルであるため、「繁忙期のみ人手が欲しい」「社員の休暇・休業などのため一時的に人材が不足する」という場合にも適しています。
コスト削減を図れる
採用活動には、求人広告費や交通費、人件費などさまざまなコストが発生します。さらに採用後は、自社で社会保険料を負担する必要があります。派遣社員はこれらのコストをカットできる点がメリットといえます。
派遣社員を採用するデメリット
派遣社員は期間に定めのある契約形態になっています。契約期間終了後に再契約を結ぶことも可能ですが、派遣社員本人が希望しなければそのまま契約終了となるケースが多いため、確実性に欠ける面があります。
そのため、契約終了のたびに次の担当者へ引き継ぎを行う必要が生じます。業務内容や量によっては、引き継ぎ業務自体が負担になってしまうケースも考えられます。
派遣社員を採用するまでの流れ
派遣社員を採用するまでの流れは、正社員採用時と大きく異なる部分があります。事前にしっかりと確認しましょう。
希望条件の提出→人材の紹介(面接は禁止)
派遣社員の採用において、正社員採用時に行われるような面接や選考は実施されません。特に面接は法律で禁止されています。派遣社員を採用したい企業は、人材の希望条件を派遣会社へ提出し、派遣会社が条件に合った人材を企業へ紹介する、というのが一般的な流れです。
キャリアシートの確認
人材派遣会社は、紹介予定の人材のスキルや経歴を具体的に記した「キャリアシート」を企業へ送付します。キャリアシートには、履歴書や職務経歴書のような情報が記載されますが、その内容を見て採用の可否を決めることは原則としてできません。あくまで参考書類としての位置付けとなるので注意が必要です。
顔合わせや職場見学
派遣社員の入社前に、顔合わせや職場見学が行われることがあります。派遣会社の担当者が同席し、スキルや業務経験の確認、オフィスの案内などを行うケースが一般的です。顔合わせができるのは通常1回のみで、その場で採用の可否を決めたり、面接を行ったりすることはNGです。
派遣社員を採用する際のポイント
続いて、派遣社員を採用する・した際のポイントを紹介します。
正社員と派遣社員を平等に扱う
派遣社員を差別することが社会問題としてメディアに取り上げられたケースにもみられるように、正社員と派遣社員は平等に扱うことが重要です。業務責任や福利厚生など、会社の制度上やむを得ない区別は必要ですが、理由のない差別はパワハラなどで訴えられてしまうこともあるので要注意です。
社内ルールの勉強会を設ける
契約期間が長い派遣社員には特に、社内ルールの説明やスキルアップのための場を作ることが重要です。社内になじみ、効率的に仕事をこなしてくれるようになれば、業務上のメリットがあるだけでなく、再契約の可能性も高まります。「いずれいなくなってしまう人材」と考えるのではなく、「会社のために働いてくれる貴重な人材」と考えるようにしましょう。
依頼する業務内容を明確にしておく
派遣社員を迎える際は、本人はもちろんのこと、周囲の社員にも依頼業務を共有しておきましょう。スムーズに業務を進めるには、業務の範囲や内容を派遣社員自身・周囲の社員双方に明らかにしておく必要があります。
アウトソーシングのほうが良いことも
人材不足の状況によっては、派遣社員ではなくアウトソーシングを選択した方が良い場合もあるかもしれません。たとえば、プロジェクト単位での業務が発生するケースや、ごく短期の業務を依頼したいケース、支払える報酬額が限られているケースなどが挙げられます。
なお、アウトソーシングの方法として、次章で説明するクラウドソーシングを活用することも人材派遣に代わる手段として有効です。
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