マーケティング
公開日: 2018.11.10 / 最終更新日: 2020.08.20

プロモーション戦略は認知拡大に効果的?メリットや成功事例を解説!

販売戦略とプロモーションは切ってもきれない関係です。事業戦略・経営戦略・マーケティング戦略という大枠の中にプロモーション戦略が含まれます。しかし、いざ戦略を立てるとなると何から手をつけたらいいのかわからなくなってしまうもの。

「プロモーション戦略をどうやって立てていいのかわからない」「プロモーション戦略のメリットを知りたい」という方向けにプロモーション戦略の概略について、事例も交えながらわかりやすく解説していきます。

プロモーション実施時に検討すべき施策とは?
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そもそもプロモーション戦略とは?


マーケティング戦略を立てるときに、「プロモーション」という単語は必ず登場します。売るための活動だよね?という何となくのイメージを持っている人は多いと思いますが、正確な意味でのプロモーションを定義できる人は少ないかもしれません。

プロモーションとは、マーケティングで使われる語句で、ターゲットに対して、商品・サービスを買いたいという気持ちを呼び起こすための活動のことを指し、販売促進、パブリック、CMなども含まれます。

プロモーションは、マーケティング用語のなかではマーケティングミックスを構成する4Pの一つです。4Pとは「プロモーション」「プレイス」「プライス」「プロダクト」の4つのマーケティングに必要な要素を表しています。それぞれPの頭文字がつくので4Pと呼ばれます。

「マーケティング戦略を立てましょう」と言われたときは、この4つのPについて検討するのが基本。その中の「プロモーションについてどうするか?」がプロモーション戦略になります。

プロモーション戦略の種類は?

プロモーション戦略は大きく分けて2つあります。プッシュ戦略とプル戦略です。

プッシュ戦略

その言葉の通り、消費者に向けてプッシュしていく戦略です。積極的に流通に押し出していき、営業や小売など販売の現場を通して購買を促します。

プル戦略

プッシュとは逆にプルは引きの戦略です。商品を消費者に買いたいと思わせ、購買につなげます。メディアを使った広告やブランディングなどがプル戦略の主なものです。

プロモーション戦略は、プッシュ戦略とプル戦略、どちらを選択しますか?という話ではありません。実際、そのどちらかしか実行していないことは非常に稀です。大抵はその両方を組み合わせて「プロモーション・ミックス」という形で行います。そのミックスのバランスがマーケター、プランナーの腕の見せ所なのです。

プロモーション戦略を実施する上での6つの手段は?


プロモーション戦略を実行するにあたり、方法が6つあります。それぞれ概要についてまとめました。

広告

プロモーションとして多額の金額が動くのが広告です。広告は出すメディアによって特徴が異なります。最もメジャーなものではテレビ、新聞、ラジオ、雑誌の4大メディアが挙げられます。

シェアを急激に拡大しているのがインターネット広告です。現在では4大メディアをしのぐ売上に成長しました。

他にも看板などの屋外広告、電車の中吊りなどの交通広告、チンドン屋やサンドイッチマン、自動車広告やクラブチームスポンサードなどの広告手法があります。

販売促進

セールスプロモーションとも呼ばれています。広告やパブリシティ、人的販売を除いたプロモーション領域を指し、様々な手法があります。

具体的な手法として、試供品・試食などのサンプリング、プレミアムキャンペーン、クーポン、懸賞、店頭値引き、リベート、流通向けプレミアム、インセンティブなどが含まれます。ライバル商品との差別化を図るのにメリットがあります。

イベント

商品やサービスを展開するにあたって認知度向上や接触機会の拡大を目的に、トークショーや実演販売、出展などのイベントを行います。

自社で主催して行う場合と、すでに行われているイベントへ出展するという2つのパターンがあります。後者の場合の方が規模として大きくなることが多く、集客や運営という面でメリットがあります。

PR

パブリックリレーションズの略。いわゆるパブリック、一般に対して告知する行為を通して行うプロモーションです。

対象は消費者のみに限らず、メディア、投資家、行政機関、地域社会、従業員、同業他社、業界団体など多岐にわたり、告知する手法として、記者会見、プレスリリース、広報誌などが挙げられます。

特にメディアを通した場合には広告費をかけずに広く発表できるというメリットがありますね。

ダイレクト・マーケティング

中間業者や卸業者、流通を通さずに自社が直接消費者とつながる販売方法です。間に業者が入らないので安価に消費者に届けることができます。メーカーが直接消費者とつながる場合と、通信販売や訪問販売業者が行う小売活動の2つのパターンがあります。

いずれにしても、顧客とつながるためのWEBページや、カタログ、電話、メルマガ、直接訪問、広告などが必要になるでしょう。費用対効果を高めるためには、見込み顧客の選別が鍵になります。

人による売り込み

店舗に来場した顧客に対して売るのではなく、セールスマンや販売員が直接売り込む方法です。人的販売とも呼ばれます。保険の外交員などが該当します。売上が担当者の手腕に左右される反面、安定的で一貫した顧客フォローが可能になります。

プロモーション戦略の成功事例は?


様々なプロモーション手法がある中で、有名企業の成功事例について3つご紹介します。

コカ・コーラのプロモーション戦略

世界を代表する飲料会社、コカ・コーラの日本支社が手がけたプロモーション戦略で有名なのは2007年にスタートしたコカ・コーラパークです。キャンペーン情報やクーポンのダウンロード、無料ゲームで遊べるバーチャル空間を立ち上げ、1200万人の会員を囲い込み、月間のページビューは最大5億〜6億もありました。

コカ・コーラパークは2016年に閉鎖されましたが、コカ・コーラが次に行った施策は「Coke ON 」というデジタルマーケティングで、自動販売機を使って、スマホアプリでスタンププログラムを運営するというものです。

どちらの施策も消費者と直接つながり、円滑なコミュニケーションができるという点でプロモーションに成功しています。

ハーゲンダッツのプロモーション戦略

ハーゲンダッツが行なった成功プロモーションは2016年に行なった「ハーゲンハート」というものです。ハーゲンダッツの蓋を開けたときにハートの形があったら、SNSにシェアしようというものでした。

これは元々、消費者が自主的に行っていたものにメーカーが乗っかった形です。結果、インスタグラムではハッシュタグが拡大し、YouTubeでの再生回数も急上昇しました。さらに売上が前年比1.5倍という大きな効果もありました。

ファンの動向を確認し、SNSで共感を生む仕組みを構築したことが成功の大きなポイントとなりました。

ドトールのプロモーション戦略

カフェ業界は群雄割拠という状態で、国内に多くのお店がひしめき合っています。中でもスターバックスの出現とシェア拡大は非常に大きなインパクトを与えました。その中で大きな影響を受けたのがスターバックス以前より店舗展開をしていたドトールです。

ドトールが行ったのは、差別化戦略でした。ドトールは安い価格、早い提供スピードという強みを活かし、「ちょっと時間を潰す空間」というポジションニングを打ち立てました。朝出勤前の新聞を読む時間、ランチの後の一服というようなニーズをキャッチしたのです。

ドトールがスターバックス含め他のコーヒーショップとポジションニングの棲み分けを行なった結果、安定的な顧客獲得に繋がっています。

まとめ

今回はプロモーション戦略について解説しました。プッシュ戦略とプル戦略のバランス、「プロモーション・ミックス」をうまく進めていくことがプロモーション戦略を考えるうえでとても大切です。

近年大きな伸びをみせているインターネット広告などをうまく活用して下さい。

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伊藤 孝介 
セールスプロモーション会社を経て独立し、フリーランスで地方自治体や中小企業のマーケティングリサーチ、販促企画などに携わる。 業務拡大のため2017年に合同会社を設立し、現在経営中。 マーケティング系ライター歴5年。マーケティング用語の解説や、事例紹介、WEBマーケティングなどが得意。

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