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公開日: 2019.01.29 / 最終更新日: 2020.11.17

マーケティングリサーチとは?手法や事例、市場調査との違いも解説

ビジネスにおいてのリサーチは戦略の基盤となる重要なものです。マーケティングはリサーチから始まるといっても過言ではありませんが、マーケティングリサーチとはどのようなものなのでしょうか。具体的な内容や事例について解説します。

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マーケティングリサーチとは?

マーケティングリサーチの概要について説明します。

マーケティングリサーチの定義と将来性

マーケティングリサーチとは、特定の問題解決のために行われる情報収集・分析のことです。近年では説得材料としてデータをもとにしたエビデンス・ソースを求められることが増え、それに伴ってマーケティングリサーチの需要も伸びています。

マーケティングリサーチと市場調査の違い

マーケティングリサーチと市場調査は一見すると似ているようですが、実は同じものではありません。市場調査は「現在の市場においての動向のみを探る」という傾向が強く、事実や実態を表すデータとして活用されます。

一方、マーケティングリサーチは製品テストやアンケートなどが含まれるため、市場の動向だけでなく顧客満足度などといったマーケティング全体に関わる調査・分析を行って将来を予測するものとなります。消費者の生の声を聴くことによって求めている商品やリスクが判明し、サービス向上に直接的に役立てることができます。

マーケティングリサーチを行う目的

企業の経営戦略や市場戦略を練る上でベースとなる情報は不可欠ですが、マーケティングリサーチはこのような必要な情報を集めることを目的として行われます。消費者が求めているものはなにか・どのような商品であれば手に取ってもらえるのかといった消費者の生の声を聴くことで、サービス向上のための方向性や現在抱えているリスクを明らかにすることができます。

そのほか、自社が抱えている課題や取り巻く環境を「見える化」するためにマーケティングリサーチを行うケースも存在します。

マーケティングリサーチの手法とは?


マーケティングリサーチの手法には定性調査と定量調査があります。それぞれの主な調査手法について紹介します。

定性調査

定性調査とは入手するデータの質を重視した調査方法で、インタビューには2つの手法が用いられます。

・デプスインタビュー
1対1でインタビューを行う手法です。個別にじっくりと聞き込みを行うような場合に使われます。

・グループインタビュー
数人の座談会形式でインタビューを行う手法です。グループで話を進めることによって互いに考えを引き出しあったり、発想を広げたりできるという効果があります。

定量調査

定量調査とは、入手するデータの量を重視した調査方法です。

・インターネット調査
インターネット上の調査フォームに回答してもらう手法です。コストが安いうえ短期間で手軽に調査が行えるため、需要は増加傾向にあります。

・郵送調査
調査対象者に調査票を郵送して回収を行うという手法です。調査対象者が限定されているケース、インターネット利用率が低い高齢者に対しての調査を行いたいケースなどに活用されます。

・訪問調査
調査員が調査対象者の自宅へ訪問してアンケートを行う手法です。その場で回答を得る「面接法」と、後日回答を回収する「留置法」の2つがあります。

・会場テスト
調査対象者を指定の会場に集めてアンケートを行う手法です。実際に見る・触る・試食するなどといったテストが必要な場合や、リリース前のクリエイティブなものなどの評価を確認したい際に実施されます。

・ホームユーステスト
試供品を自宅へ郵送しモニターとして利用してもらった後、アンケートに回答してもらう手法です。中長期的な利用が必要な商品の調査に向いています。

マーケティングリサーチの流れとは?

実際にマーケティングリサーチを行うにあたっては、3つのプロセスが必要です。

どういう目的でリサーチを行うのか決める

マーケティングリサーチは課題解決のヒントを探るために行われます。そのため、まずはどのような課題を解決したいのか明確にします。そうすることでその課題を解決するために行う調査であるという目的が生まれ、自ずと調査項目は絞られてきます。

目的に合わせた手法でリサーチをする

リサーチ手法を選ぶには、「誰に」「何を」調査したいのかがポイントといえます。仮に高齢者への調査が必要であれば、手法は郵送調査もしくは訪問調査が候補としてあげられます。また、若い世代への調査が必要ならばインターネット調査が適しています。

リサーチの結果を分析する

アンケートやデータをリサーチして集めても、そこから分析を行わなければ無駄になってしまいます。何を明確にしたいのかによって、クロス集計をはじめとするさまざまな集計・分析方法の中から適切なものを選ぶことが重要です。ファクトやソースとなる結果なので、正しくデータを伝えることを心がけましょう。

データ分析に使える代表的な手法5つを紹介しています。ぜひこちらの記事もご覧ください。
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マーケティングリサーチを実施するには?


マーケティングリサーチを実施するには、自社で調査する、もしくは外注するというどちらかになります。それぞれのメリットとデメリットを見てみましょう。

自社で調べたい情報をリサーチする

自社でマーケティングリサーチを実施する場合、コストが安く済むというのは大きなメリットです。また、調査途中であっても自由に方向転換が可能です。しかし、専門知識がほとんどない状態で進めると、効果的なリサーチができず、時間と労力の無駄になってしまうという点はデメリットといえます。

リサーチの専門企業/会社に外注する

リサーチを専門とする企業に外注する方法もあります。専門的な調査結果と分析データを得られるという点はメリットですが、専門企業に外注する分、それに見合うコストが発生することは念頭に置いておく必要があります。

クラウドソーシングを活用する

クラウドソーシングを使ってマーケティングリサーチを行うことも可能です。専門企業に依頼するよりも安く依頼できる点、個人やフリーランスに依頼するため納期などの柔軟性が高い点はメリットです。依頼相手によって経験値や得意とする部分には差があるため、依頼前には十分にコミュニケーションをとっておくと安心です。

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マーケティングリサーチを活用した成功事例とは?


マーケティングリサーチは商品開発に大きな影響を与えます。有名な成功事例を3つ紹介します。

「アサヒ ノンアルコール ドライゼロ」

商品開発を行った当初、ノンアルコールビールは妊娠中の女性やアルコールが弱い人に向けたものとして普及していました。そのうえ、市場においてもアサヒビールは先行者であるキリンやサントリーには及びませんでした。

しかし、マーケティングリサーチを行なった結果、「休肝日」という概念があることや、普段ビールをよく飲む人であってもノンアルコールビールを飲むシーンがあるということに気づきます。その結果、普段ビールを飲んでいる向けの市場を開拓し、アサヒビールはドライゼロを開発することになったのです。2010年当時はノンアルコール市場のシェアが2%だったアサヒビールでしたが、2016年にはシェア24%を超え売上ナンバーワンを達成しています。

「セブン&アイホールディングス 金の食パン」

セブンイレブンのオリジナルパンの主力商品となっている「金の食パン」は、マーケティングリサーチから生まれた商品です。セブンイレブンはリサーチ会社に依頼して200名に対して既製品のパンとの食べ比べを実施したところ、被験者の7割以上が「金の食パン」を選択しました。

この結果を受け、さらに実店舗でも売れ行きと価格を確かめるためのテストマーケティングを実施し、売れ行きが良かったことから「金の食パン」は販売されることが決まりました。石橋を叩いて渡るマーケティングリサーチの結果、「金の食パン」というロングヒット商品が生まれたのです。

「明治 ザ・チョコレート」

明治は商品開発において常に定量調査を行っており、幅広い年齢層の生活に関するさまざまなデータを集めています。その膨大なデータを参考に発案されてきた商品は、グループインタビューなどの定性調査を行ったうえ、ブラッシュアップを繰り返して商品化に至っているそうです。

おしゃれなパッケージが印象的な「明治 ザ・チョコレート」も、マーケティングリサーチを重視してきた明治の企業文化の賜物といった商品です。従来のチョコレート商品の倍以上の価格を提示しながら、カカオの産地にこだわるなど新しい価値を提案し、大ヒットに繋がりました。

まとめ

マーケティングリサーチを実施する際には、まずは目的と手法を選定しなくていけません。そして、自社で実施するのか専門企業に委託するのかの選択があります。マーケティングリサーチは商品開発の要です。しっかりとした調査と分析があるからこそ、ヒット商品は生まれます。しっかりと事実や証拠に向き合い分析してみると、課題解決の糸口が見つかることでしょう。

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伊藤孝介
セールスプロモーション会社を経て独立し、フリーランスで地方自治体や中小企業のマーケティングリサーチ、販促企画などに携わる。 業務拡大のため2017年に合同会社を設立し、現在経営中。 マーケティング系ライター歴5年。マーケティング用語の解説や、事例紹介、WEBマーケティングなどが得意。

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